2012年9月17日月曜日

株365のFTSE100証拠金取引の見方

FTSE100証拠金取引は、FTSE100指数(FTSE100種総合株価指数)に連動して値動きする銘柄です。そのため、FTSE100指数の値動きや構成銘柄の特徴を知ることでFTSE100証拠金取引の値動きを予測できます。

FTSE100証拠金取引は、イギリスのロンドン証券取引所に上場している銘柄から、時価総額の高い上位100銘柄の平均株価を算出したものです。

2012年9月現在、FTSE100指数に採用されている銘柄は、ボーダフォン、ロールスロイス、バーバリー、ロイター、ユニリーバ、BP、バークレイズ、HSBCなど日本でもよく知られている企業により構成されています。

FTSE100指数の構成銘柄のうち、およそ2割は金融会社や保険会社などで占めています。そのため、自国のイギリスをはじめ、隣国のアイルランドやEU各国、アメリカ合衆国などの金融政策や経済状況に影響を受けやすいとされます。


上の図は、FTSE100指数の値動きを月足ベースでチャートに表示したものです。

1999年12月に6,995ポイントの最高値をつけた後に急落し、その後2007年10月に6,802ポイントまで戻しています。そして、2012年8月末の時点で5,698ポイントで、最高値のおよそ81%の水準まで戻していることになります。ちなみに日経平均株価(日経225)では1989年に38,915円の高値をつけ、2012年8月末の時点で8,839円になっています。最高値からはおよそ22%の水準でしかありません。


上の図は、GBP/USDの値動きを月足ベースでチャートに表示したものです。FTSE100のチャートと比べると、2003年以降はおおよそ同じような値動きであることがわかります。緑色の線が2003年1月になります。

FTSE100証拠金取引の1日の値動きは、前半は東京市場や香港市場などのアジア市場の流れを受けます。その後、ほぼ同じ時間帯で推移しているフランクフルト市場、ユーロネクスト市場などの影響を受けます。後半は、ニューヨーク市場が開くためその影響を受けます。特にニューヨーク市場の影響は大きく、ボラティリティも高くなる傾向にあります。

株365のFTSE中国25証拠金取引の見方

FTSE中国25証拠金取引は、FTSE中国25に連動して値動きする銘柄です。そのため、FTSE中国25の値動きや構成銘柄の特徴を知ることでFTSE中国25証拠金取引の値動きを予測できます。

FTSE中国25証拠金取引は、香港証券取引所に上場している銘柄から、流動性が高く、また、時価総額の高い上位25銘柄の平均株価を算出したものです。これらの銘柄は、レッドチップ銘柄とH株により構成されています。

2012年9月現在、FTSE中国25に採用されている銘柄は、Air China、China Telecom、China Mobile、Bank of China、China Citic Bankなどです。

FTSE中国25の構成銘柄のうち、およそ5割は金融会社で占めています。そのため、中国の金融政策や経済状況に影響を受けやすいとされます。


上の図は、FTSE中国25証拠金取引の値動きをチャートに表したものです。

期間は2010年12月から2012年8月までです。チャートを見ると右肩下がりで推移していることがわかります。


上の図は、ハンセン指数の値動きをチャートに表したものです。FTSE中国25証拠金取引と同じような値動きをしています。

FTSE中国25証拠金取引の取引時間は日本時間の10時30分から17時までです。東京市場の取引時間が9時から15時なので、ほぼ同じ時間帯で取引が行われています。そのため、FTSE中国25証拠金取引は東京市場の値動きに影響を受けることがあります。また、東京市場は香港市場の影響を受けることがあります。


上の図は、日経平均株価の値動きをチャートに表したものです。ハンセン指数やFTSE中国25証拠金取引とほぼ同じような値動きをしていることがわかります。

株365のギャップリスクとは

株365のギャップリスクとは、取引時間外のイベントによる急激な値動きの危険性のことです。イベントの内容は、経済指標、政変や紛争、要人の発言、為替動向などが挙げられます。

例えば、日経225証拠金取引の取引時間は8時30分から翌6時(サマータイムは8時30分から翌5時)までです。取引時間外は6時から8時30分までで、この間に日経225証拠金取引の価格に大きな影響を及ぼすイベントが発生した場合、投資家は8時30分になるまで取引ができません。

もし、日経225証拠金取引にとってよいイベントであれば、取引開始時刻には価格を大きく上げて取引が始まります。この場合、日経225証拠金取引を買い建てしていればリスクにはなりませんが、売り建てしていれば大きなリスクになります。

一方、日経225証拠金取引にとって悪いイベントであれば、取引開始時刻には価格を大きく下げて取引が始まります。この場合、日経225証拠金取引を売り建てしていればリスクにはなりませんが、買い建てしていれば大きなリスクになります。

ギャップリスクは、株365をはじめ、株式取引やFX、CFDなどにもあります。そして、ギャップリスクは取引時間外が長ければ長いほど大きくなります。日経225証拠金取引では6時から8時30分までの2時間30分がギャップリスクの発生する時間帯になります。これは他の銘柄と比べると比較的短い時間です。

次の表は、株365の銘柄のギャップリスクの発生する時間帯の一覧です。

銘柄時間サマータイム
日経225証拠金取引6:00~8:305:00~8:30
DAX証拠金取引6:00~16:005:00~16:00
FTSE100証拠金取引6:00~17:005:00~17:00
FTSE中国25証拠金取引17:00~翌10:3017:00~翌10:30

ちなみに株式取引の場合には、取引時間は9時から11時30分と12時30分から15時までです。
取引時間外の11時30分から12時30分までの間の1時間をオーバーランチリスク、15時から翌9時までをオーバーナイトリスクといいます。

株365の相場と原油相場との関係

株365で取引可能な日経225証拠金取引、DAX証拠金取引、FTSE100証拠金取引、FTSE中国25証拠金取引の4銘柄と原油相場とはどのような関係にあるでしょうか。

下の図は、株365の4銘柄のもとになる株価指数と原油価格の推移をチャートに表したものです(中国はハンセン指数)。

▼日経225


▼DAX30


▼FTSE100


▼ハンセン指数


▼原油


原油価格は、2006年から2007年にかけて70ポイント前後で推移していましたが、その後に急騰して2008年7月に最高値をつけました。そして、半年後には最安値をつけるという荒っぽい値動きをしました。最安値をつけた後は、右肩上がりで推移し2012年9月14日の時点で99ポイントまで戻しています。

この原油の値動きに似た値動きをしている指数は、DAX30、FTSE100、ハンセン指数の3銘柄です。日経225の値動きは原油の値動きと異なることがわかります。

下の図は、2007年6月の時点の価格を100とした場合の各銘柄の値動きをグラフに表したものです。DAX30、FTSE100、ハンセン指数の3指数が同じような値動きをしています。そして、これらの値動きのボラティリティを高くした値動きが原油(WTI)になっています。


次に、原油価格とそれぞれの株価指数とのサイコロジカルを週足ベースで比較してみます。期間は2007年6月から2012年8月までの間で、原油価格が値上がりした時に同じく値上りしているか、原油価格が値下がりした時に同じく値下りしているかを調べます。

その結果、ハンセン指数の67.77%が最も高く、次いでFTSE100の64.10%、DAX30の61.54%と続きました。日経225は60.81%と最も低く、ここでも連動性の低いことがわかりました。

▼WTIと連動した週
・日経225:166週(60.81%)
・DAX30:168週(61.54%)
・FTSE100:175週(64.10%)
・ハンセン指数:185週(67.77%)

※次は参考データ
▼WTIのサイコロジカル
・前週よりも値下がりした週:124週
・前週よりも値上がりした週:149週

▼日経225のサイコロジカル
・前週よりも値下がりした週:141週
・前週よりも値上がりした週:132週

▼DAX30のサイコロジカル
・前週よりも値下がりした週:133週
・前週よりも値上がりした週:140週

▼FTSE100のサイコロジカル
・前週よりも値下がりした週:134週
・前週よりも値上がりした週:139週

▼ハンセン指数のサイコロジカル
・前週よりも値下がりした週:134週
・前週よりも値上がりした週:139週

株365の相場と金相場との関係

株365で取引可能な日経225証拠金取引、DAX証拠金取引、FTSE100証拠金取引、FTSE中国25証拠金取引の4銘柄と金相場とはどのような関係にあるでしょうか。

下の図は、株365の4銘柄のもとになる株価指数と金価格の推移をチャートに表したものです(中国はハンセン指数)。

▼日経225


▼DAX30


▼FTSE100


▼ハンセン指数


▼金


金価格は、2006年から一貫して上昇トレンドで推移しています。2011年9月に最高値をつけた後に約20%の押し目の局面がありましたが、2012年9月9日には最高値から92%まで戻しています。

この金の値動きに似た値動きをしている指数はありません。日経225が右肩下がりの値動きをしているので、金価格と比較すると反対のトレンドで推移しているように見えます。

下の図は、2007年6月の時点の価格を100とした場合の各銘柄の値動きをグラフに表したものです。このグラフからも金価格と指数との連動性は見られません。


次に、金価格とそれぞれの株価指数とのサイコロジカルを週足ベースで比較してみます。期間は2007年6月から2012年8月までの間で、金価格が値上がりした時に同じく値上りしているか、金価格が値下がりした時に同じく値下りしているかを調べます。

その結果、ハンセン指数の59.71%が最も高く、次いでDAX30の54.95%でした。いずれも60%に満たない連動でした。

▼金と連動した週
・日経225:140週(51.28%)
・DAX30:150週(54.95%)
・FTSE100:147週(53.85%)
・ハンセン指数:163週(79.71%)

以上のことから、株365の銘柄と金価格の連動性は低いと見てよいようです。