2012年7月1日日曜日

株式の株価位置とは

株式の株価位置とは、現在の株価が、ある期間の高値、安値のどの位の位置にあるかをパーセンテージで表したものです。

株価位置は、年初来の高値と安値をもとに計算するのが一般的です。

株価位置は次の計算式で求めることができます。

株価位置=(現在の株価-安値)÷(高値-安値)×100

例えば、現在の株価が900円で年初来高値が1000円、年初来安値が800円の場合、株価位置は50%になります。

株価位置=(900円-800円)÷(1000円-800円)×100=50%

株価位置による売買のエントリーポイントは次の通りです。

▼株価位置が80%以上の時

株価位置が80%以上の時は、株価が高値圏にあることを示しています。この地点では、順張りでは買いのエントリーポイント、逆張りでは売りのエントリーポイントになります。


▼株価位置が20%以下の時

株価位置が20%以下の時は、株価が高値圏にあることを示しています。この地点では、順張りでは買いのエントリーポイント、逆張りでは売りのエントリーポイントになります。


株式のボリュームレシオとは

株式のボリュームレシオとは、ある期間において値上がりした日の売買高(出来高)の合計と値下がりした日の売買高(出来高)の合計の割合をパーセンテージで表したものです。

ボリュームレシオは次の計算式で求めることができます。

ボリュームレシオ=値上がりした日の売買高の合計÷値下がりした日の売買高の合計×100

なお、株価が前日と変わらない日は、出来高の半分を値上がりした日の売買高と値下がりした日の売買高へそれぞれ加算します。

例えば、株価と出来高の推移が次の表のような場合、ボリュームレシオの7日間(6/26~7/4)の値は次の計算式で求めることができます。

ボリュームレシオ=(6200+4800+8800+4300+6100)÷(9200+3700)×100≒234.11%


日付株価変動出来高
6/25720-5800
6/26725+56200
6/27728+34800
6/28711-179200
6/29712+18800
7/2718+64300
7/3713-53700
7/4719+66100

ボリュームレシオの値は、100%を中心に変動します。ボリュームレシオの値が100%以上であれば買い方が多いことを表しているので、買い圧力の強い相場であることがわかります。
一方、ボリュームレシオの値が100%以下であれば売り方が多いことを表しているので、売り圧力の強い相場であることがわかります。

ボリュームレシオは、売買高(出来高)のみで計算するテクニカル指標なので、株価の水準を判断することはできません。そのため、株価を用いたテクニカル指標を併用する場合が多いようです。

収益バリュー株の見つけ方

収益バリュー株とは、企業の純利益から見て株価の安い、いわゆる割安株のことを指します。

収益バリュー株は、純利益の数値だけで見つけることは困難で、純利益を用いた指標などから見つけるのが一般的です。

純利益を用いた指標には次のものが挙げられます。

▼PER
株価収益率のことで、「株価÷EPS」で求めることができます。2012年5月現在の東京証券取引所(東証)に上場している銘柄の平均PERは20.7倍です。

▼連結PER
連結決算ベースでの株価収益率のことで、「株価÷EPS」で求めることができます。2012年5月現在の東京証券取引所(東証)に上場している銘柄の平均PERは15.4倍です。

▼ROE
株主資本の当期純利益の割合をパーセンテージで表したもので、「当期純利益÷株主資本×100」で求めることができます。ROEは10%以上であれば経営効率のよい企業といえます。

▼ROA
総資本の経常利益の割合をパーセンテージで表したもので、「純利益÷総資本×100」で求めることができます。ROAは10%以上であれば収益率の高い企業といえます。

▼EPS
1株あたりの利益額のことで、「当期純利益÷発行済み株式数」で求めることができます。2012年5月現在の東京証券取引所(東証)に上場している銘柄の平均EPSは12.8円です。

収益バリュー株は、上の指標から割安とされる水準の銘柄から探し出すことができます。例えば、次の条件にすべてあてはまる銘柄が収益バリュー株になります。

  • PERが20.7倍以下
  • 連結PERが15.4倍以下
  • ROEが10%以上
  • ROAが10%以上
  • EPSが12.8円以下

次の表は2012年6月29日現在の上のすべての条件に当てはまる収益バリュー株の一覧です。
コード銘柄市場株価
2654シンワオックス大証2部45円
6342太平製大証2部141円
6944アイレックスJASDAQスタンダード75円

資産バリュー株の見つけ方

資産バリュー株とは、企業の資産価値から見て株価の安い、いわゆる割安株のことを指します。

資産バリュー株は、資産の数値だけで見つけることは困難で、資産を用いた指標などから見つけるのが一般的です。

資産を用いた指標には次のものが挙げられます。

▼PBR
株価純資産倍率のことで、「株価÷1株あたり純資産」で求めることができます。一般的にPBRが1倍未満の銘柄は割安といわれています。

▼連結PBR
連結ベースでの株価純資産倍率のことで、「株価÷1株あたり純資産」で求めることができます。一般的にPBRが1倍未満の銘柄は割安といわれています。

▼ROA
総資本の経常利益の割合をパーセンテージで表したもので、「純利益÷総資本×100」で求めることができます。ROAは10%以上であれば収益率の高い企業といえます。

▼BPS
1株あたり純資産のことで、「純資産÷発行済み株式数」で求めることができます。2012年5月現在の東京証券取引所(東証)に上場している銘柄の平均BPSは276.47円です。

資産バリュー株は、上の指標から割安とされる水準の銘柄から探し出すことができます。例えば、次の条件にすべてあてはまる銘柄が資産バリュー株になります。

  • PBRが1倍未満
  • 連結PBRが1倍未満
  • ROAが10%以上
  • BPSが276.47円以上

次の表は2012年6月29日現在の上のすべての条件に当てはまる資産バリュー株の一覧です。
コード銘柄市場現在値
株主優待
2497m-BEAT東証マザーズ252円
3571ソトー東証2部 773円
3773AMI東証マザーズ25,060円
4295フェイス東証1部 8,600円
4792山田コンサルJASDAQスタンダード74,500円
5970ジーテクトJASDAQスタンダード2,200円
6055Jマテリアル東証2部 2,218円
6676メルコ東証1部 1,734円
7419ノジマJASDAQスタンダード517円
7523アールビバンJASDAQスタンダード195円
7844マーベラス東証2部 16,160円
8789フィンテック東証マザーズ2,624円

株式のディフェンシブ株の売買のエントリーポイントは

株式のディフェンシブ株とは、株式相場全体が弱含みで推移している時に値上がりする銘柄、あるいは、大きな値下がりをしない銘柄のことです。ディフェンシブ銘柄ともいいます。

ディフェンシブ株には、食品株、薬品株、鉄道株、電力株、ガス株などがあります。これらの銘柄に共通していることは、日常生活に欠かせない商品やインフラを主な業務にしている点です。


上の図は、日経平均株価(日経225)に連動するETF225の推移と、食品株のハウス食品のチャート画面です。

ETF225が上昇している局面では、ハウス食品の株価はあまり上がっていないか、下落していることがわかります。赤色の四角で囲んだ部分です。

一方、ETF225が下落している局面では、ハウス食品の株価はあまり下がっていないか、上昇していることがわかります。青色の四角で囲んだ部分です。

一般的に、個別の株式の売買のエントリーポイントは、日経平均株価と連動している銘柄であれば、日経平均株価の高値の時が売りのエントリーポイントになり、日経平均株価の安値の時が買いのエントリーポイントになります。

一方、ディフェンシブ株の場合、売りのエントリーポイントは、日経平均株価が安値の時になり買いのエントリーポイントは、日経平均株価が高値の時になります。

株式のポートフォリオを組む場合には、ディフェンシブ株と日経平均株価に連動する株をうまく分けることでリスクを分散することができます。

▼2012年6月現在の主な食品株の一覧
コード 銘柄
2269 明治ホールディングス
2501 サッポロホールディングス
2801 キッコーマン
2002 日清製粉グループ本社
2871 ニチレイ
2502 アサヒグループホールディングス
2531 宝ホールディングス
2802 味の素
2282 日本ハム
2503 キリンホールディングス
2914 日本たばこ産業

▼2012年6月現在の主な薬品株の一覧
コード 銘柄
4506 大日本住友製薬
4503 アステラス製薬
4507 塩野義製薬
4568 第一三共
4519 中外製薬
4502 武田薬品工業
4151 協和発酵キリン
4523 エーザイ

▼2012年6月現在の主な鉄道株の一覧
コード 銘柄
9007 小田急電鉄
9005 東京急行電鉄
9009 京成電鉄
9021 西日本旅客鉄道
9008 京王電鉄
9062 日本通運
9020 東日本旅客鉄道
9001 東武鉄道
9064 ヤマトホールディングス
9022 東海旅客鉄道

▼2012年6月現在の主な電力株、ガス株の一覧
コード 銘柄
9503 関西電力
9532 大阪瓦斯
9531 東京瓦斯
9502 中部電力
9501 東京電力

株価の呼値の単位

株価の呼値とは、株式市場に対して株式を注文する際の値段の刻みのことです。

呼値は、1株の値段によって異なります。例えば、2831円という株価は存在しますが、3831円という株価は存在しません。

これは、1株の値段が3000円以下の呼値の単位が1円に決められているのに対して、3000円超5000円以下では呼値の単位が5円に決められているからです。

つまり、3000円以下では1円単位で取引されますが、3000円を超えて5000円までは5円単位で取引されます。

株式を指値注文する際には決められた呼値の単位で行う必要があり、誤った呼値での注文は受け付けられませんので注意してください。

次の表は2012年6月現在の呼値の単位です。

株価呼値の単位
3000円以下1円
3,000円超~5,000円以下5円
5,000円超~30,000円以下10円
30,000円~超50,000円以下50円
50,000円超~300,000円以下100円
300,000円超~500,000円以下500円
500,000円超~3,000,000円以下1,000円
3,000,000円超~5,000,000円以下5,000円
5,000,000円超~30,000,000円以下10,000円
30,000,000円超~50,000,000円以下50,000円
50,000,000円超100,000円

株価の特別気配の更新値幅は

特別気配とは、売り注文と買い注文の数量がアンバランスな状態で、売買の成立が困難な状況のことです。

例えば、株価が400円の時に、402円、401円、400円、399円、・・・に大量の買い注文が入り、400円、401円、402円、・・・には少量の売り注文しかない場合は、売買の成立が困難な状況になります。そして、株価ボードには「特買」や「特カ」のように売買が成立していないことを表す「特」の文字が表示されます。また、大量の売り注文が入った時も「特売」や「特ウ」のように売買が成立していないことを表す「特」の文字が表示されます。そして、このような状況を特別気配といいます。

株価が400円の時に特別気配になると、板の状況から400円での売買が成立するかどうかを判断します。もし成立すれば特別気配が解消され、「特」の文字が消えます。成立しなかった場合には、「特カ」なら値幅が8円上がって408円で「特カ」になります。「特ウ」なら392円で「特ウ」になります。この8円の上下のことを特別気配の更新値幅といいます。これは、株価が200円以上500円未満の更新値幅が8円と決められているからです。

このようにして特別気配は決められた値幅で上昇、あるいは、下降していきます。株価が200円以上500円未満の値幅制限が80円なので、一連の更新回数は最高で10回までになります。

次の表は、特別気配の更新値幅の一覧です。
気配値段値幅
200円未満5円
500円未満8円
700円未満10円
1,000円未満15円
1,500円未満30円
2,000円未満40円
3,000円未満50円
5,000円未満70円
7,000円未満100円
10,000円未満150円
15,000円未満300円
20,000円未満400円
30,000円未満500円
50,000円未満700円
70,000円未満1,000円
100,000円未満1,500円
150,000円未満3,000円
200,000円未満4,000円
300,000円未満5,000円
500,000円未満7,000円
700,000円未満10,000円
1,000,000円未満15,000円
1,500,000円未満30,000円
2,000,000円未満40,000円
3,000,000円未満50,000円
5,000,000円未満70,000円
7,000,000円未満100,000円
10,000,000円未満150,000円
15,000,000円未満300,000円
20,000,000円未満400,000円
30,000,000円未満500,000円
50,000,000円未満700,000円
50,000,000円以上1,000,000円

ネット証券の口座開設の基準は

ネット証券に口座を開設するには、一定の基準をクリアしなければなりません。

以下は、ネット証券の口座開設の一般的な基準です。ネット証券と証券会社との口座開設の基準の違いは、インターネット利用環境があるかどうかで、その他はほとんど同様の基準になっています。

日本国内に居住していること
日本国内に居住している外国人は基準内になります。なお、日本国外に1年以上居住している人や、期間の定めない海外転勤者、海外留学生などは基準外になります。
口座開設時に署名と捺印ができること
口座開設者が口座開設申込書に直接、署名と捺印する必要があります。
インターネットの利用環境があること
ネット証券では、インターネットを通じて株式取引を行います。そのため、インターネットの利用環境のあることが条件になります。なお、一部のネット証券ではパソコンのスペックやOS、ブラウザなどを指定している場合がありますので、口座開設の申請時にはあらかじめチェックする必要があります。
電子交付に承諾すること
「取引報告書」や「目論見書」などを紙媒体ではなく、電子交付で行う場合があります。このような場合には、電子交付に承諾する必要があります。
日本語での会話が可能なこと
ネット証券の場合、会話することなく株式売買が行えます。しかし、緊急時などでは電話連絡するケースもあるため、日本語での会話ができることが条件になります。
個人情報を正確に伝えること
住所や名前、年齢、勤務先などの個人情報を偽りなく提供することが条件になります。
証券会社に勤務していないこと
証券会社に勤務している場合は株式取引が禁止されています。
未成年者の場合
民法で定められた未成年者の場合は、親権者の同意や親権者との続柄を証明した書類の提出が必要になります。また、資産管理や取引管理は親権者が行うことが条件になります。未成年者の場合、通常の株式取引は可能ですが、信用取引はできない場合が多いようです。

株式相場のアノマリー

株式相場のアノマリーとは、日本の経済や景気、企業の業績などとは関係なく起きる、理屈の上では説明のつかない株価の変動のことです。

次は株式相場のアノマリーの一例です。

▼1月の株高
正月休みを終えて再び機関投資家が動き出すため株価は上昇するだろうというものです。

▼節分天井
1月からの株高は節分の頃になると高値を付けるだろうというものです。

▼彼岸底
年度末を控えて売り圧力が強まることから株価は安くなるだろうというものです。

▼4月の株価は高い
新年度を迎えて機関投資家が動き出して株価が上がるというものです。

▼鯉のぼりが見えたら株価は安くなる
鯉のぼりの季節、5月になると機関投資家の買いが一巡して株価が下がるというものです。

▼お盆相場
盆の時期は相場が閑散するというものです。

▼稲穂相場
稲の収穫期の10月は、稲の頭が垂れるように株価も下がるというものです。

▼12月の株安
正月休みを控えて利益を確定するために12月は株が売られるだろうというものです。

▼二日新甫
2日から取引が始まる月は相場が荒れるというものです。

▼月曜日の株価は高い
週の最初の取引は何かと活発に行われ、株価は上昇するだろうというものです。

▼金曜日の株安
週末を控えて利益を確定するために株が売られるだろうというものです。

▼サザエさんの視聴率が低下すると、株価は上昇する
サザエさんの視聴率が低いということは、その時間帯に外食をしていたり、買い物やレジャーに出かけていることから個人消費が上がっていると推測。個人消費の上昇は株価の上昇につながるというものです。

▼低PBR効果
PBRの低い銘柄は、市場が敏感に反応して仕手化して、市場の評価が予想以上に高くなるというものです。

株式近接率とは

株式近接率とは、現在の株価が高値、安値、ストップ高、ストップ安のそれぞれにどこまで接近しているのかをパーセンテージで表したものです。

高値、安値、ストップ高、ストップ安のいずれかの株式近接率の値が小さいほど、高値、安値、ストップ高、ストップ安に近づいていることになります。

▼高値の株式近接率
高値の株式近接率の計算方法は次の通りです。

高値の株式近接率=(高値-現在の株価)÷高値×100

例えば、高値が1000円で現在の株価が990円の時の高値の株式近接率は1%になります。

高値の株式近接率=(1000-990)÷1000×100=1%

高値の株式近接率による売買のエントリーポイントは、数値が小さくなって、かつ、順張りの場合には買いのエントリーポイントになります。また、数値が小さくなって、かつ、逆張りの場合には売りのエントリーポイントになります。

▼安値の株式近接率
安値の株式近接率の計算方法は次の通りです。

安値の株式近接率=(現在の株価-安値)÷安値×100

例えば、安値が500円で現在の株価が510円の時の高値の株式近接率は2%になります。

高値の株式近接率=(510-500)÷500×100=2%

安値の株式近接率による売買のエントリーポイントは、数値が小さくなって、かつ、順張りの場合には売りのエントリーポイントになります。また、数値が小さくなって、かつ、逆張りの場合には買いのエントリーポイントになります。

▼ストップ高の株式近接率
ストップ高の株式近接率の計算方法は次の通りです。

ストップ高の株式近接率=(ストップ高の価格-現在の株価)÷ストップ高の価格×100

例えば、ストップ高の価格が1900円で現在の株価が1700円の時のストップ高の株式近接率は10.5%になります。

ストップ高の株式近接率=(1900-1700)÷1900×100≒10.5%

ストップ高の株式近接率による売買のエントリーポイントは、数値が小さくなって、かつ、順張りの場合には買いのエントリーポイントになります。また、数値が小さくなって、かつ、逆張りの場合には売りのエントリーポイントになります。

▼ストップ安の株式近接率
ストップ安の株式近接率の計算方法は次の通りです。

ストップ安の株式近接率=(現在の株価-ストップ安の価格)÷ストップ安の価格×100

例えば、ストップ安の価格が120円で現在の株価が130円の時のストップ安の株式近接率は8.3%になります。

ストップ安の株式近接率=(130-120)÷120×100≒8.3%

ストップ安の株式近接率による売買のエントリーポイントは、数値が小さくなって、かつ、順張りの場合には売りのエントリーポイントになります。また、数値が小さくなって、かつ、逆張りの場合には買いのエントリーポイントになります。