2012年7月17日火曜日

CFDのVIX指数の見方

VIX指数とは、アメリカ合衆国の代表的な株価指数のSP500のボラティリティをもとに算出した指数のことです。VIX指数は、Volatility Indexの略です。

ボラティリティは0%から100%までの間で推移し、値動きの幅が大きいと上昇し、値動きの幅が小さいと下降します。

SP500の数値が大きく上昇するか、大きく下降するとVIX指数が上昇します。また、SP500の数値が大きく変動しなければVIX指数は下降します。

ボラティリティの値は、ゆるやかな上昇やゆるやかな下降では大きく上昇することはありません。急激な上昇や下降によって変動します。

急激な上昇や下降をしている場合、相場は混乱した局面を迎えています。そのため、VIX指数は「恐怖指数」とも呼ばれています。


上の図は、VIX指数とSP500の値動きをチャートに表したものです。赤色の四角で囲んだ部分では、SP500が大きく値を下げてVIX指数が大きく値を上げていることがわかります。

一方、緑色の四角で囲んだ部分では、SP500がゆるやかに上昇しています。ゆるやかな上昇は、VIX指数では反応しないため値を下げています。

VIX指数の売買のタイミングは、将来、相場が混乱すると予想すれば「買い」、混乱しないと予想すれば「売り」になります。

VIX指数の売買手段の1つとしてOCO注文が挙げられます。

VIX指数の上昇は、SP500が急激に大きく値上がりするか、大きく値下がりするかのいずれかです。このような値動きになる要因の1つに経済指標が挙げられます。経済指標が予想以上に良い結果か悪い結果であれば、SP500は大きく上昇、あるいは、大きく下降します。例えば、VIX指数が18.5ポイントなら、経済指標の発表直前に19.0ポイントで「買い」の逆指値注文と、18.0ポイントで「売り」の逆指値注文を出しておきます。

経済指標の発表でSP500が大きく値動きすれば、19.0ポイントの買い注文が約定し、しばらくの間は19.0ポイントより上で推移しますので、その時点で手じまいます。

一方、SP500が大きく値動きしなければ18.0ポイントの売り注文が約定し、しばらくの間は18.0ポイントより下で推移しますので、その時点で手じまいます。

いずれの値動きでも利益の発生が期待できますが、必ずしもそうならない場合もありますので注意してください。

CFDのCO2排出権取引とは

CO2排出権取引とは、欧州エネルギー取引所Blue Nextなどで取引されているEUA(EU Allowance)先物に連動する銘柄の取引のことです。

CFDのCO2排出権の価格は、「気候変動に関する国際連合枠組条約(気候変動枠組条約)」による取り決めや、世界各国の環境政策に大きく影響されます。また、世界の景気動向や原油価格などにも影響を受けやすいとされています。一般的に、環境への政策が強化されればCO2排出権の価格は上昇し、緩和されれば下降します。

また、世界の景気が拡大すると企業の生産性が高まり、CO2の排出量も高くなるため、CO2排出権の価格は上昇します。一方、世界の景気が後退すると企業の生産性が低くなり、CO2の排出量も低くなるため、CO2排出権の価格は下降します。原油や天然ガスの価格の上昇もCO2排出権の価格上昇の要因になります。


上の図は、CO2排出権の価格をチャート表示したものです。そして下の図は、原油価格をチャート表示したものです。2つのチャートを見比べてみると、ほぼ同じような値動きをしていることがわかります。


下の図は、EUR/USDの価格をチャート表示したものです。


これもCO2排出権の価格とほぼ同じような値動きをしています。

CFDのCO2排出権は、ドットコモディティやCMC Markets Japanなどで取引することができます。1CFDあたりの必要証拠金は、ドットコモディティの場合は1400円前後、CMC Markets Japanの場合は3500円前後です。

CFD取引のリスク

CFD取引をする際にはさまざまなリスクがあります。

ここでは、CFD取引のリスクを紹介します。

価格変動によるリスク
CFDの銘柄は取引時間中に価格が変動します。買い建てをした時には、価格の値下がりにより損失が生じ、売り建てをした時には、価格の値上がりにより損失が生じます。
レバレッジによるリスク
CFDではレバレッジを利かせた取引が可能です。小額の投資であっても、実際にはその金額の10倍、20倍の金額の取引をしています。そのため、投資金額以上の損失を被る可能性があります。
ロスカットによるリスク
CFDでは、必要証拠金額の一定金額を下回った場合、取引が強制的に終了するロスカットが行われます。そのため、資金が十分でない場合にはロスカットによる損失が発生する可能性があります。
為替リスク
米ドル建てやユーロ建てなどによるCFD商品では、外国為替のレートの変動による損失を被る可能性があります。
注文によるリスク
銘柄の値動きが大きく変動している時は、成行注文では、その時の価格と大きく乖離した価格で約定することがあります。また、通信回線のトラブルにより注文が成立しないといったリスクがあります。
金利変動リスク
CFD取引で発生するオーバーナイト金利の支払いによる損失のリスクがあります。
相対取引によるリスク
CFD取引は、CFD業者と顧客との間での取引です。そのため、原資産の価格とCFD業者の提示する価格が異なる場合があります。そのため、想定外の価格で約定することがあります。
流動性リスク
銘柄の流動性の低下により、注文を出しても約定できない可能性があります。
信用リスク
CFD業者の破綻により、証拠金の一部が返還されない可能性があります。

CFD取引で証拠金以上の損失を被るケースは

CFD業者の取引要綱や取引ルールなどには、「証拠金以上の損失を被るケースがあります。」といったことが書かれています。実際にどのような場合に証拠金以上の損失を被るのでしょうか。

ここでは、CFDの金先物を例に挙げてシミュレーションしてみます。

まず、次の内容で金先物を1CFD買い注文します。

  • 口座資金:7万円
  • 価格:1600ポイント(米ドル)
  • 米ドル/円:80円
  • 取引単位:10倍
  • レバレッジ:20倍

証拠金額は、64000円です。

証拠金額=1600×10倍×80円÷20倍=64000円

口座資金は7万円なので、自由に使えるお金は6000円になります。

自由に使えるお金=70000円-64000円=6000円

そして、自由に使えるお金がマイナスになるとロスカットになります。

金先物の価格が1ポイント値下がりした時の評価損は40円です。

評価損=1×10×80円÷20倍=40円

つまり、150ポイント値下がる(1450ポイントになる)と自由に使えるお金が0円になります。

6000円÷40円=150ポイント

ロスカットは、金先物の価格が1450ポイント未満になった時に発生します。例えば、金先物の価格が1449ポイントになると強制決済されて、口座には63960円が入金されます。

70000円-(1449-1600)×10倍×80円÷20倍=63960円

この結果、証拠金として64000円を差し出して、戻ってきた金額が63960円なので証拠金以上の損失が発生したことになります。

相場が大きく動いている時は、1450ポイントから一気に価格の下がることがあります。例えば、1440ポイントで強制決済された場合には、口座には63600円が入金されます。

70000円-(1440-1600)×10倍×80円÷20倍=63600円

なお、米ドル円が80円から85円へ円安になった場合には、さらに損失額が膨らみます。

70000円-(1440-1600)×10倍×85円÷20倍=63200円

CFDの金取引とは

金取引には、現物取引と先物取引の2つの取引があります。

金の現物取引は、ロンドン金市場で1日に2回取引が行われ、価格が決定されます。これをフィキシングプライスといいます。

一方、金の先物市場は、ニューヨークや東京、シカゴ、ドバイなどで取引が行われています。その中でも取引量の多いのがニューヨーク市場です。

金の価格は、為替市場や株式市場、世界情勢、景気などによって変動しやすいといわれています。

▼為替市場
金を保有している投資家は、ドル高(米ドル買い)になると株式市場や債券市場へ資金をシフトする傾向にあります。そのため、金の価格は下降します。一方、ドル安(米ドル売り)になると株式市場や国債市場から資金を引上げ、金を保有する方向へシフトします。そのため、金の価格は上昇します。

▼株式市場
株式市場が上昇すると、投資家は金を売って株式市場へ投資をシフトします。そのため、金の価格は下降します。一方、株式市場が下降すると、投資家は株式市場から金へ投資をシフトします。そのため、金の価格は上昇します。

▼世界情勢
大きな金融経済事件が起きると、投資家はリスク回避のために株式市場や債券市場から資金を引き揚げ、金を保有するようになります。そのため、金価格が上昇します。過去の事例では、1987年のブラックマンデー、2007年のサブプライムローン問題、2008年のリーマンショックの時に金の価格が上昇しています。

▼景気
金価格は、景気にも影響を受けます。特に、インフレ動向を示すCRB(Commodity Research Bureau)指数と連動することが多いようです。

次の図は、金の価格の推移をチャートに表示したものです。


次の図は、CRB指数の価格の推移をチャートに表示したものです。


金の価格とCRB指数の価格の推移が似ていることがわかります。

CFDの金取引を行うには、これらの指数を参考にするとよいでしょう。

CFD取引をスマホで行えるCFD業者の一覧

携帯端末での取引のメリットは、電波を含む通信回線が確保されていれば場所を選ばずにどこでも取引ができるという点が挙げられます。朝から夜までオフィスにつめていて取引ができない場合でも、スマホがあれば取引ができます。

また、家のパソコンが壊れてしまった時、通信回線が不調な時でもスマホがあれば取引ができます。パソコンで取引をする人でも、不測の事態に陥った時のためにスマホでも取引ができるようにしておくとよいでしょう。

一方、携帯端末での取引のデメリットは、データの転送量が大きく膨れ上がり、通信料が高くなってしまう点が挙げられます。そのような場合は、料金定量制のデータ通信サービスを利用するとよいでしょう。

また、携帯端末では銘柄のチャート表示やテクニカル指標の描画などが行えないことがあります。そのため、その場での売買判断ができないこともあります。

大きな経済発表があった時などは相場が大きく変動します。そのような時にいつでも取引ができる環境を作っておくとよいでしょう。

次の表は、2012年7月現在のCFD取引をスマホ、携帯電話で行えるCFD業者の一覧です。

CFD業者iPhoneAndroid携帯電話
DMM.com××
ドットコモディティ×
ひまわり証券××
CMC Markets Japan××
外為ジャパン×××
GCIフィナンシャル××
IGマーケッツ証券
インヴァスト証券××
あい証券×
岩井コスモ証券××
内藤証券××
GMOクリック証券××
楽天証券×××
SBI証券×××