2012年7月28日土曜日

CFDのスプレッド比較

CFD業者ではほとんどの銘柄にスプレッドを設定しています。

下の図は、GMOクリック証券の「日本225」の注文画面です。これは、8419ポイントで売り注文ができ、8422ポイントで買い注文ができることを表しています。


スプレッドは、売り価格と買い価格との差のことです。上の図では、スプレッドは3ポイントになります。

投資家にとっては、スプレッドの幅が小さければ小さいほど有利な取引ができます。

次の表は、2012年7月現在のCFD業者の主な銘柄のスプレッドの一覧です。なお、スプレッドは相場の値動きにより大きくなったり小さくなったりしますので、必ずしも表の通りの数字にはなりません。

▼DMM.com
銘柄スプレッド
日経2257
ダウ工業株30種3
ナスダック1002
SP5000.5
原油0.039
1.2
0.054

▼ドットコモディティ
銘柄スプレッド
金 スポット0.5
ミニ金 スポット0.5
金スポット/円建て0.5
銀 スポット3
ミニ銀 スポット3
銀スポット/円建て3
NY 金先物0.7
NY 銀先物3
NY プラチナ3
NY パラジウム4
NY 銅0.8
WTI 原油スポット0.04
ブレント原油スポット5
WTI 原油先物0.04
天然ガス30
ヒーティングオイル30
ブレント原油5
ロンドン 軽油100
CO2排出権5
シカゴ コーン8
シカゴ 小麦2
シカゴ 大豆2
シカゴ 大豆油8
NY コーヒー0.7
NY 砂糖0.06
NY ココア11
オレンジジュース0.6
NY 綿花0.4
シカゴ 生牛0.4
ロンドン 小麦0.4
ロンドン コーヒー10
ロンドン 砂糖1
ロンドン ココア8

▼ひまわり証券
銘柄スプレッド
AUSSIE200 Index CFD4
HONGKONG33 Index CFD12
JAPAN225 株価指数 CFD9
Toronto60 Index CFD0.8
EUSTOX50 Index CFD2
FRENCH40 Index CFD1.5
GERMAN30 Index CFD2
ITALIAN40 Index CFD8
PORTUGAL20 Index CFD-
SPANISH35 Index CFD4
SWISS30 Index CFD4
Norway25 Index CFD0.9
Sweden30 Index CFD0.5
UK100 Index CFD2
NDAQ100 Index CFD3
SPX500 Index CFD0.3
US30 Index CFD5
Japanese Government Bond Dec 120.03
Japanese Government Bond Sep 120.03
TBOND Dec 120.04
TBOND Sep 120.04
TNOTE 10YR Dec 120.04
TNOTE 10YR Sep 120.04

▼外為ジャパン
銘柄スプレッド
原油0.06
0.5
0.03

▼GMOクリック証券
銘柄スプレッド
日本2253
米国30先2
米国S5000.3
米国NQ1000.5
上海A5012
インドNIF2.5
イギリス1000.6
ドイツ300.9
香港H6
株式CFD0.5~10
金スポット0.3
銀スポット0.25
白金スポット1
原油0.03
コーン0.7
大豆0.5

CFDのデモ口座が開設できる業者の一覧

CFD業者では、デモトレード(デモ取引)ができるようにデモ口座を用意している場合があります。デモトレードは、実践の取引と同じような環境を体験できる無料のバーチャルシステムです。実践のトレードに臨む前にデモトレードで操作の練習をしたり、トレードの雰囲気馴染んだりすることができます。

CFDでは各社独自のトレードシステムを採用しています。そのため、注文方法やチャートの表示方法、各種情報の取得方法などはトレードシステムにより異なります。

CFDのデモ口座の申し込み方法は、CFD業者の指定したフォームからメールアドレスや氏名などを入力するだけの簡単な手続きで済みます。実際の口座開設の申請をする際に必要な身分証明書の提出などはありません。

また、デモ口座の申し込み手続きが不要な場合もあります。

2012年7月現在、CFDのデモ口座でデモトレードできる業者一覧は次の通りです。リンク先はデモトレードの申請画面です。

CFDのカマリリャピボットとは

カマリリャピボット(Camarilla Pivot)とは、オシレーター系のテクニカル指標のピボットを元に作られた指標のことです。

カマリリャピボットは、当日の値動きは前日の高値と安値の中間値が基準になるという考えに基づいています。

カマリリャピボットでは、前日の始値と高値、安値、終値をもとに10の水準を設けます。10の水準は、高いほうから5つをH5、H4、H3、H2、H1とし、安いほうから5つをL5、L4、L3、L2、L1とします。そしてHはレジスタンスライン、Lはサポートラインとします。

次の図は、パラジウムのチャートにカマリリャピボットを描画したものです。緑色の実線がレジスタンスライン(H)、赤色の実線がサポートライン(L)です。


カマリリャピボットでの売買のエントリーポイントは、逆張りの場合にはL3が買いのエントリーポイント、H3で売りのエントリーポイントになります。

また、L4のサポートラインをブレイクアウトした地点が売りのエントリーポイント、H4のレジスタンスラインをブレイクアウトした地点が買いのエントリーポイントになります。

L4のサポートラインをブレイクアウトして売り建てした場合、L5のラインが決済ポイントになります。また、H4のレジスタンスラインをブレイクアウトして買い建てした場合、H5のラインが決済ポイントになります。

CFDのココア取引とは

ココアは、カカオ豆から作られる食品です。チョコレートもカカオ豆から作られます。

カカオの生産は、赤道の南緯20度、および、北緯20度以内の高温多湿な地域で栽培されます。カカオの主な生産地域は西アフリカや中南米、東南アジアです。

International Cocoa Organization調べ

上のグラフは、2009年から2012年にかけての世界各国のカカオの生産比率の推移です。グラフを見ると、ガーナとコートジボワールの2か国で全生産量の3分の2を占めていることが分かります。

ココア相場は、カカオ豆の産地の気温や降雨量、虫害、政治情勢、農業政策などにより大きく変化します。また、輸入国との需給バランスもココア相場に影響を及ぼします。

例えば、コートジボワールは、2011年の実質GDP成長率が-4.7%とマイナス成長で2011年には内戦状態に陥るなど経済や政治の不安定な状況が続いています。一方、ガーナは2005年頃からGDP成長率が平均5%以上で推移し、高い経済成長を遂げています。政治情勢も1990年代以降は大きな混乱もありません。

ココア取引は、中南米産はニューヨーク先物市場で、アフリカ産はロンドン先物市場でそれぞれ取引されています。なお、ニューヨーク先物市場では米ドル建て、ロンドン先物市場では英ポンド建てで取引されます。ココアの取引の際には、これらの為替の影響も受けます。

次の図は、ニューヨーク先物市場とロンドン先物市場のココアの価格の推移をチャートに表したものです。


2つのチャートを見比べてみると、ほぼ同じような値動きをしていることがわかります。

CFDのペアトレードの方法

ペアトレードは、似たような価格の推移する2つの銘柄を、片方を売り建てし、もう片方を買い建てすることです。2つの銘柄は基本的に同じような値動きをしますが、僅かな価格のブレが生じた時に利益が発生することがあります。その時に2つの銘柄を同時に決済することで利益が得られます。

ペアトレードは、株式取引やFXなどでも用いられている手法ですが、CFDではコモディティや株式、株価指数、債券といったさまざまな商品の銘柄が選択できるという特徴があります。そのため、例えば原油と債券との組み合わせや、S&P500とトヨタ自動車との組み合わせなども可能です。

オーソドックスなペアトレードとしては、トヨタとホンダのペアトレードが挙げられます。

下の図は、トヨタとホンダのチャートを描画したものです。チャートの形が似ていて、どちらも2000円台の価格なので取引しやすいペアといえます。


例えば、上の図の赤色の四角で囲んだ部分では、トヨタよりもホンダのほうが大きく値を下げていますので、ホンダを買い建てしてトヨタを売り建てしてサヤを取ります。

下の図は、アドビシステムズとハンセン指数のチャートを描画したものです。これもチャートの形が似ています。


赤色の四角で囲んだ部分では、アドビシステムズの下げの方が大きいため、アドビシステムズを買い建てしてハンセン指数を売り建てします。

また、青色の四角で囲んだ部分では、ハンセン指数の上げのほうが大きいため、ハンセン指数を売り建てしてアドビシステムズを買い建てします。

このように、ペアトレードでは、2つの銘柄のうち大きく下げた銘柄があれば、その銘柄を買い建てして、他方を売り建てします。また、2つの銘柄のうち大きく上げた銘柄があれば、その銘柄を売り建てして、他方を買い建てします。

CFDの口座開設時における契約内容は

CFDの口座を開設する時には、CFD業者の提示する契約書に同意しなければなりません。

契約書には、銀行に口座を作る時や商品を分割で支払う際のクレジット契約の時などと同様に細かく取引時のルールが明記されています。

ここでは、CFD業者のほとんどが契約書に明記する内容をまとめました。

▼口座申し込みの資格
  • 未成年、成年被後見人、被保佐人、被補助人、精神障害、知的障害、認知障害に該当しないこと。
  • 生活保護法による保護を受けていないこと。
  • 反社会勢力に所属していないこと。あるいは、反社会勢力者と関係がないこと。

▼個別銘柄について
  • 金、銀、プラチナは元本保証の商品ではないこと。
  • 一部の銘柄には、オーバーナイトを行った場合に金利調整額が発生すること。
  • 銘柄によっては、売買最終日が決められていること。
  • 商品の上場されている市場によって取引ルールが異なること。
  • 一部の商品には、為替変動などのリスク要因が存在すること。
  • 一部の商品は、両建ができないこと。

▼取引について
  • 売値と買値にスプレッドがあること。
  • 小売価格と買取価格に差があるため、その差額分は損失になること。
  • 市場が混乱した場合には売買をストップすること。
  • 電子メールやFAXなどによる注文は受付けないこと。
  • カバー先業者の破綻により取引価格の提示ができなくなること。
  • カバー先業者の破綻により注文執行ができなくなる可能性があること。

▼預かり金、証拠金について
  • 証拠金の事前預託や返還は、金融機関を介して行うこと。
  • 証拠金の預り証の発行は行わないこと。
  • 相場の変動によって預託した証拠金に損失が生じ、場合によっては預託した証拠金以上の損失となる恐れがあること。
  • 証拠金不足が発生した場合は、証拠金所要額を超えるまで不足金の充当や建玉の決済を行わなければならないこと。

▼ロスカットルールについて
  • ロスカットルールは預託された証拠金の損失拡大を防ぐためのもので、証拠金率を確保したものではないこと。
  • ロスカットルールにより執行した決済注文が大きな価格変動により、預託された証拠金の額以上の損失を生じる可能性があること。

▼信託保全について
  • 取引証拠金は分離預託して保全措置をとること。
  • 証拠金が信託されるまでに一定のタイムラグが生じ、その間は信託保全が及ばないこと。

CFDの取引で配当金を受け取るには

CFDの取引で配当金を受け取るには、株式取引で買い建てをした場合です。もちろん、保有銘柄が株主配当を行っている場合に限ります。

配当金は、権利確定日の取引終了日に買い建玉を保有していることが条件になります。なお、CFDでは配当金のことを配当金調整額と呼びます。

一方、権利確定日の取引終了日に売り建てを保有している場合は配当金調整額を支払わなければなりません。

配当金調整額の受取額、および、支払額は、その企業やその国の受払率によって異なります。例えば、日本の場合には、配当金調整額の受取額は90%、支払額は100%になります。

ある日本の銘柄を1000株買い建てして、配当金が10円の場合、配当金調整額は9000円になります。

配当金調整額=10円×1000株×90%=9000円

また、ある日本の銘柄を2000株売り建てして、配当金が8円の場合、配当金調整額は16000円の支払いになります。

配当金調整額=8円×2000円×100%=16000円
(16000円の支払い)

なお、株価指数の場合には配当金は発生しません。

次の表は2012年7月現在の各国の受払率です。

国名買い(受取り)売り(支払い)
日本90%100%
アメリカ85%100%
カナダ85%100%
英国90%90%
ドイツ85%100%
フランス85%100%
オランダ85%100%
イタリア85%100%
スイス85%100%
スペイン82%100%
ポルトガル85%100%
ベルギー90%100%
オーストリア85%100%
デンマーク85%100%
ノルウェー85%100%
フィンランド100%100%
スウェーデン95%100%
アイルランド100%100%
ギリシャ100%100%
香港100%100%
シンガポール80%80%
オーストラリア100%100%
南アフリカ100%100%