2012年6月21日木曜日

株式分析のニックMネクストムーブとは

株式分析のニックMネクストムーブとは、ボリンジャーバンドとケルトナーチャネルズの2つのテクニカル指標によってトレンドを探し出すためのテクニカル指標です。

テクニカル指標のボリンジャーバンドの特徴として、トレンドの発生前にはもみ合いが続いてバンド幅が狭まることがあります。ニックMネクストムーブでは、もみ合いの続いている状態からトレンドの発生をケルトナーチャネルズによって探し出します。



上の図は、チャート画面にニックMネクストムーブを描画したものです。

ボリンジャーバンドの線は、ピンク色と水色の2本の線です。そして、ケルトナーチャネルズの線は、赤色と青色の2本の線です。

ニックMネクストムーブの描く線は、チャートの推移を滑らかにした線であることがわかります。そして、株価が上昇したり下降したりすると、ピンク色と水色の2本のボリンジャーバンドの線が膨らみます。上の図の黄色の四角で囲んだ部分です。

株価の上昇や下降が一段落して、横ばいに推移すると、ピンク色と水色の2本のボリンジャーバンドの線が赤色と青色の2本のケルトナーチャネルズの線の中へ納まります。上の図の青色の四角で囲んだ部分です。ここが次のトレンドへ向けてのもみ合いの続く状態になります。

もみ合いの状態から上昇トレンド、あるいは、下降トレンドが発生すると、ピンク色と水色の2本のボリンジャーバンドの線が赤色と青色の2本のケルトナーチャネルズの線の外側へ出ます。上の図の赤色の四角で囲んだ部分です。この時に株価が下降していれば、売りのエントリーポイントになります。そして、この時に株価が上昇していれば、買いのエントリーポイントになります。

株式分析のスローストキャスティクスとは

株式分析のスローストキャスティクス(Slow Stochastics)とは、現在の株価が過去の高値、安値と比較してどの位の水準にあるのかを調べ、売られすぎ、買われすぎを見極めるためのテクニカル指標のことです。

スローストキャスティクスの計算方法は次の通りです。

▼%Dの計算方法

%D=((当日の終値-過去n日間の最安値)のm日間の合計)÷((過去n日間の最高値-過去n日間の最安値)のm日間の合計)×100

nは5日、9日、14日が良く使われます。また、mは3日が良く使われます。

▼スロー%D(SD)の計算方法

スロー%D=x日の%Dの単純移動平均

xは3日が良く使われます。

次の図は、チャート画面にスローストキャスティクスを描画したものです。



スローストキャスティクスでの売りのエントリーポイントは、%Dとスロー%Dが80%以上で、かつ、%Dがスロー%Dを上から下へ突き抜けた時です。上の図の緑色の丸で囲んだ部分です。

また、スローストキャスティクスでの買いのエントリーポイントは、%Dとスロー%Dが20%以下で、かつ、%Dがスロー%Dを下から上へ突き抜けた時です。上の図の青色の丸で囲んだ部分です。



また、上の図のように、株価が上昇していてスローストキャスティクスが横ばいで推移している状態、いわゆるダイバージェンスの状態は相場の転換点を表します。上の図では、上昇トレンドから下降トレンドへ転換することを暗示しています。

株式の投資基準とされるPERとは

株式の投資基準とされるPERとは、株価収益率のことです。

PERは、次の計算式で求めることができます。

PER=株価÷EPS

EPSは、1株当たりの利益額のことで、「当期純利益÷発行済み株式数」で計算されます。

例えば、株価が500円でEPSが25円の場合には、PERは20倍になります。

PER=500円÷25円=20倍

次の表は、2012年6月20日現在の日経平均株価(日経225)採用銘柄のPERの一覧です。

▼日経平均株価(日経225)採用銘柄のPERの一覧
コード銘柄PER
1332日本水産28.51
1334マルハニチロHD18.65
1605国際石油開発帝石8.65
1721コムシスHD15.95
1801大成建設191.35
1802大林組45.95
1803清水建設141.76
1812鹿島建設56.91
1925大和ハウス工業18.31
1928積水ハウス16.43
1963日揮14.49
2002日清製粉グループ本社16.52
2269明治HD37.45
2282日本ハム18.51
2501サッポロHD31.06
2502アサヒグループHD14.19
2503キリンHD120.65
2531宝HD25.31
2768双日-
2801キッコーマン21.92
2802味の素18.34
2871ニチレイ14.23
2914JT13.74
3086Jフロント リテイリング10.91
3099三越伊勢丹HD5.50
3101東洋紡績20.50
3103ユニチカ17.87
3105日清紡HD10.98
3110日東紡績32.82
3382セブン&アイ・HD15.81
3401帝人20.54
3402東レ13.60
3405クラレ11.39
3407旭化成10.65
3436SUMCO-
3861王子製紙12.64
3864三菱製紙47.88
3865北越紀州製紙6.41
3893日本製紙グループ本社-
4004昭和電工14.10
4005住友化学73.98
4021日産化学工業11.30
4041日本曹達6.65
4042東ソー13.78
4061電気化学工業12.19
4063信越化学工業18.48
4151協和発酵キリン17.49
4183三井化学-
4188三菱ケミカルHD14.55
4208宇部興産7.66
4272日本化薬9.93
4324電通19.06
4452花王20.85
4502武田薬品工業21.78
4503アステラス製薬19.04
4506大日本住友製薬34.99
4507塩野義製薬12.65
4519中外製薬22.10
4523エーザイ16.24
4543テルモ23.96
4568第一三共86.44
4689ヤフー-
4704トレンドマイクロ17.05
4901富士フイルムHD16.25
4902コニカミノルタHD15.94
4911資生堂33.01
5002昭和シェル石油8.05
5020JXHD5.87
5101横浜ゴム-
5108ブリヂストン13.29
5201旭硝子6.83
5202日本板硝子-
5214日本電気硝子12.51
5232住友大阪セメント27.85
5233太平洋セメント24.02
5301東海カーボン12.14
5332TOTO20.41
5333日本碍子-
5401新日本製鐵19.35
5405住友金属工業-
5406神戸製鋼所-
5407日新製鋼-
5411JFEHD-
5541大平洋金属54.98
5631日本製鋼所12.38
5701日本軽金属19.43
5706三井金属鉱業9.27
5707東邦亜鉛40.41
5711三菱マテリアル31.00
5713住友金属鉱山8.06
5714DOWAHD13.52
5715古河機械金属-
5801古河電気工業-
5802住友電気工業12.80
5803フジクラ-
5901東洋製罐-
6103オークマ10.64
6113アマダ37.34
6301コマツ11.15
6302住友重機械工業10.61
6305日立建機13.99
6326クボタ14.07
6361荏原製作所42.92
6366千代田化工建設18.63
6367ダイキン工業14.84
6471日本精工9.54
6472NTN22.45
6473ジェイテクト20.82
6479ミネベア21.56
6501日立製作所6.30
6502東芝16.95
6503三菱電機12.16
6504富士電機11.26
6506安川電機18.50
6508明電舎37.70
6674GSユアサコーポレーション12.74
6701日本電気-
6702富士通18.27
6703沖電気工業14.00
6752パナソニック-
6753シャープ-
6758ソニー-
6762TDK-
6767ミツミ電機-
6770アルプス電気25.46
6773パイオニア27.12
6841横河電機34.18
6857アドバンテスト-
6902デンソー22.41
6952カシオ計算機51.00
6954ファナック18.27
6971京セラ-
6976太陽誘電-
7003三井造船5.14
7004日立造船8.18
7011三菱重工業42.82
7012川崎重工業15.27
7013IHI10.21
7201日産自動車9.16
7202いすゞ自動車7.65
7203トヨタ自動車33.81
7205日野自動車19.09
7211三菱自動車工業18.06
7261マツダ-
7267本田技研工業21.95
7269スズキ16.92
7270富士重工業12.66
7731ニコン15.73
7733オリンパス-
7735大日本スクリーン製造30.35
7751キヤノン15.80
7752リコー-
7762シチズンHD19.61
7911凸版印刷104.19
7912大日本印刷-
7951ヤマハ-
8001伊藤忠商事4.29
8002丸紅5.19
8015豊田通商7.78
8031三井物産4.90
8035東京エレクトロン18.26
8053住友商事5.48
8058三菱商事5.67
8233髙島屋17.60
8252丸井グループ29.08
8253クレディセゾン30.30
8267イオン11.14
8270ユニー19.65
8303新生銀行36.78
8304あおぞら銀行5.76
8306三菱UFJフィナンシャルグループ5.43
8308りそなHD3.18
8309三井住友トラストHD5.73
8316三井住友フィナンシャルグループ6.78
8331千葉銀行9.66
8332横浜銀行9.30
8354ふくおかフィナンシャルグループ8.89
8355静岡銀行13.97
8411みずほフィナンシャルグループ6.21
8601大和証券グループ本社-
8604野村HD89.31
8628松井証券26.75
8630NKSJHD-
8725MS&ADインシュアランスグループHD-
8729ソニーフィナンシャルHD16.72
8750第一生命保険-
8766東京海上HD247.31
8795T&DHD21.09
8801三井不動産25.06
8802三菱地所32.88
8803平和不動産16.99
8804東京建物-
8815東急不動産5.84
8830住友不動産16.25
9001東武鉄道26.15
9005東京急行電鉄12.20
9007小田急電鉄30.11
9008京王電鉄26.83
9009京成電鉄15.86
9020東日本旅客鉄道17.43
9021西日本旅客鉄道20.59
9022東海旅客鉄道-
9062日本通運12.15
9064ヤマトHD26.80
9101日本郵船-
9104商船三井-
9107川崎汽船-
9202全日本空輸20.59
9301三菱倉庫18.58
9412スカパーJSATHD-
9432NTT9.50
9433KDDI-
9437エヌ・ティ・ティ・ドコモ-
9501東京電力-
9502中部電力-
9503関西電力-
9531東京ガス21.64
9532大阪ガス14.51
9602東宝24.56
9613エヌ・ティ・ティ・データ-
9681東京ドーム118.95
9735セコム21.40
9766コナミ10.91
9983ファーストリテイリング28.75
9984ソフトバンク9.17

次の図は、2012年6月20日現在の日経平均株価(日経225)採用銘柄のPERと株価の散布図です。PERがマイナスの銘柄と株価が6000円以上の銘柄は除いています。



X軸が株価、Y軸がPERです。黒色の直線は線形近似曲線です。

上の図の線形近似曲線からPERはほぼ25倍であることがわかります。PERが25倍より高い銘柄は買われすぎであり、25倍より低い銘柄は売られすぎになります。これらの株をバリュー株といいます。

しかし、何らかの理由があって市場が反応していない可能性もあるので、他の方法で調査する必要があります。

株式の投資基準とされるEPSとは

株式の投資基準とされるEPSとは、1株あたりの利益額のことです。

EPSは、次の計算式で求めることができます。

EPS=当期純利益÷発行済み株式数

例えば、当期純利益が100億円で発行済み株式数が1億株の企業の場合には、EPSは100円になります。

EPS=100億円÷1億株=100円

EPSは配当力をはかる指標の1つで、EPSが年々増加傾向にあれば配当力の強い企業であるといわれます。投資家は、配当を受け取ることによって利益を得ることができるので、配当力の強い企業の株価は買われ、上昇する傾向にあります。

次の表は、2012年6月現在の日経平均株価(日経225)採用銘柄のEPSの一覧です。

▼日経平均株価(日経225)採用銘柄のEPSの一覧
コード銘柄EPS
1332日本水産7.26
1334マルハニチロHD6.38
1605国際石油開発帝石53137.93
1721コムシスHD55.5
1801大成建設1.04
1802大林組7.16
1803清水建設1.82
1812鹿島建設3.69
1925大和ハウス工業57.36
1928積水ハウス42.9
1963日揮154.9
2002日清製粉グループ本社53.63
2269明治HD92.38
2282日本ハム54.79
2501サッポロHD8.08
2502アサヒグループHD118.36
2503キリンHD7.7
2531宝HD19.32
2768双日-2.92
2801キッコーマン43.8
2802味の素61.28
2871ニチレイ26.35
2914JT33700.97
3086Jフロント リテイリング35.57
3099三越伊勢丹HD149.28
3101東洋紡績5.17
3103ユニチカ2.35
3105日清紡HD53.83
3110日東紡績7.19
3382セブン&アイ・HD146.96
3401帝人12.17
3402東レ39.41
3405クラレ90.35
3407旭化成39.89
3436SUMCO-327.33
3861王子製紙22.46
3864三菱製紙1.65
3865北越紀州製紙62.7
3893日本製紙グループ本社-359.9
4004昭和電工11.35
4005住友化学3.42
4021日産化学工業64.52
4041日本曹達46.31
4042東ソー15.67
4061電気化学工業23.22
4063信越化学工業237.03
4151協和発酵キリン45.16
4183三井化学-1.01
4188三菱ケミカルHD24.06
4208宇部興産22.85
4272日本化薬71.7
4324電通118.69
4452花王100.46
4502武田薬品工業157.29
4503アステラス製薬169.38
4506大日本住友製薬21.72
4507塩野義製薬80.93
4519中外製薬64.75
4523エーザイ205.33
4543テルモ127.28
4568第一三共14.75
4689ヤフー1733.81
4704トレンドマイクロ131.23
4901富士フイルムHD90.84
4902コニカミノルタHD38.52
4911資生堂36.47
5002昭和シェル石油61.36
5020JXHD68.6
5101横浜ゴム---
5108ブリヂストン131.56
5201旭硝子81.9
5202日本板硝子-3.12
5214日本電気硝子39.02
5232住友大阪セメント8.76
5233太平洋セメント7.16
5301東海カーボン28.66
5332TOTO27.1
5333日本碍子-109.06
5401新日本製鐵9.3
5405住友金属工業-11.61
5406神戸製鋼所-4.74
5407日新製鋼-5.39
5411JFEHD-68.71
5541大平洋金属6.02
5631日本製鋼所33.93
5701日本軽金属5.25
5706三井金属鉱業20.18
5707東邦亜鉛7.4
5711三菱マテリアル7.29
5713住友金属鉱山116.05
5714DOWAHD35.86
5715古河機械金属-4.11
5801古河電気工業-15.75
5802住友電気工業74.21
5803フジクラ-17.28
5901東洋製罐-15.93
6103オークマ50.77
6113アマダ12.16
6301コマツ173.47
6302住友重機械工業31.75
6305日立建機108.88
6326クボタ48.75
6361荏原製作所6.85
6366千代田化工建設55.44
6367ダイキン工業141.37
6471日本精工52.75
6472NTN11.27
6473ジェイテクト38.91
6479ミネベア15.63
6501日立製作所76.81
6502東芝17.4
6503三菱電機52.2
6504富士電機16.52
6506安川電機33.51
6508明電舎7.4
6674GSユアサコーポレーション28.42
6701日本電気-42.44
6702富士通20.64
6703沖電気工業9.14
6752パナソニック-333.96
6753シャープ-341.78
6758ソニー-455.03
6762TDK-19.06
6767ミツミ電機-324.01
6770アルプス電気23.29
6773パイオニア11.43
6841横河電機23.11
6857アドバンテスト-12.67
6902デンソー110.81
6952カシオ計算機9.51
6954ファナック709.2
6971京セラ432.58
6976太陽誘電-183.7
7003三井造船21.59
7004日立造船11.74
7011三菱重工業7.31
7012川崎重工業13.95
7013IHI16.26
7201日産自動車81.67
7202いすゞ自動車53.86
7203トヨタ自動車90.21
7205日野自動車28.6
7211三菱自動車工業4.32
7261マツダ-57.8
7267本田技研工業117.34
7269スズキ96.06
7270富士重工業49.27
7731ニコン149.57
7733オリンパス-183.54
7735大日本スクリーン製造19.54
7751キヤノン204.49
7752リコー-61.42
7762シチズンHD23.76
7911凸版印刷4.77
7912大日本印刷-25.39
7951ヤマハ-151.73
8001伊藤忠商事190.13
8002丸紅99.13
8015豊田通商189.34
8031三井物産238.1
8035東京エレクトロン205.04
8053住友商事200.52
8058三菱商事275.83
8233髙島屋33.02
8252丸井グループ19.19
8253クレディセゾン51.48
8267イオン87.23
8270ユニー42.14
8303新生銀行2.42
8304あおぞら銀行29.51
8306三菱UFJフィナンシャルグループ68.09
8308りそなHD96.56
8309三井住友トラストHD38.54
8316三井住友フィナンシャルグループ374.26
8331千葉銀行46.47
8332横浜銀行37.84
8354ふくおかフィナンシャルグループ32.62
8355静岡銀行56.28
8411みずほフィナンシャルグループ20.62
8601大和証券グループ本社-23.41
8604野村HD3.18
8628松井証券16.6
8630NKSJHD-222.3
8725MS&ADインシュアランスグループHD-272.49
8729ソニーフィナンシャルHD75.43
8750第一生命保険2061.78
8766東京海上HD7.82
8795T&DHD39.41
8801三井不動産57.07
8802三菱地所40.72
8803平和不動産10.3
8804東京建物-166.67
8815東急不動産64.4
8830住友不動産112.28
9001東武鉄道14.99
9005東京急行電鉄28.68
9007小田急電鉄24.71
9008京王電鉄20.35
9009京成電鉄39.79
9020東日本旅客鉄道274.89
9021西日本旅客鉄道152.29
9022東海旅客鉄道67470.45
9062日本通運25.85
9064ヤマトHD46
9101日本郵船-42.92
9104商船三井-21.76
9107川崎汽船-54.14
9202全日本空輸11.22
9301三菱倉庫43.16
9412スカパーJSATHD2546.26
9432NTT366.67
9433KDDI58115.98
9437エヌ・ティ・ティ・ドコモ11187.34
9501東京電力-487.76
9502中部電力-121.67
9503関西電力-271.12
9531東京ガス17.7
9532大阪ガス21.71
9602東宝53.01
9613エヌ・ティ・ティ・データ10854.36
9681東京ドーム1.9
9735セコム162.63
9766コナミ166.23
9983ファーストリテイリング533.93
9984ソフトバンク285.78

次の図は、2012年6月現在の日経平均株価(日経225)採用銘柄のEPSと株価の散布図です。EPSがマイナスの銘柄と株価が6000円以上の銘柄は除いています。



X軸がEPS、Y軸が株価です。黒色の直線は線形近似曲線で、株価の高い銘柄ほどEPSが高いことがわかります。

上の図からEPSが高いにもかかわらず株価の比較的安値にある銘柄は、線形近似曲線より下側に位置する銘柄になります。これらの株をバリュー株といいます。

しかし、何らかの理由があって市場が反応していない可能性もあるので、他の方法で調査する必要があります。

株式分析のゴールデンクロス、デッドクロスをエクセルで表示するには

株式分析のゴールデンクロス、デッドクロスをエクセルで表示する方法を紹介します。

ゴールデンクロスとは、短期の株価移動平均線が、長期の株価移動平均線を下から上に突き抜けることです。また、デッドクロスとは、短期の株価移動平均線が、長期の株価移動平均線を上から下に突き抜けることです。

株式分析のゴールデンクロス、デッドクロスをエクセルで表示する手順は、まず、短期と長期の株価移動平均の値を算出します。次に、ゴールデンクロス、あるいは、デッドクロスの判定をします。

エクセルのシートに、日付、始値、高値、安値、終値の列を作成します。この列にゴールデンクロス、デッドクロスを表示したい銘柄のデータを入力します。

次に、短期と長期の株価移動平均の値を入力するセル、ゴールデンクロス、デッドクロスの結果を表示する列を作成します。



Gの列に、短期の株価移動平均の値を計算して表示します。G2には、

=IF(ROW(G2)-1<$H$1,"",AVERAGE(OFFSET(E2,0,0,-$H$1,1))) と入力します。

そして、Iの列に、長期の株価移動平均の値を計算して表示します。I2には、

=IF(ROW(I2)-1<$J$1,"",AVERAGE(OFFSET(E2,0,0,-$J$1,1))) と入力します。

G2からI2までを選択した状態で株価データのある行までフィルハンドルのドラッグを行い、関数をコピーします。



次に、Kの列に、ゴールデンクロス、デッドクロスの結果を表示する関数を入力します。K3には、

=IF(AND(G3>0,I3>0),IF(AND(G2I3),"ゴールデンクロス",IF(AND(G2>I2,G3

K3を選択した状態で株価データのある行までフィルハンドルのドラッグを行い、関数をコピーします。

ゴールデンクロス、デッドクロスが見つかるとその行にゴールデンクロス、デッドクロスの表示をします。



なお、短期と長期の数値は自由に変更できます。ただし、短期の数値は長期の数値よりも小さい数値を指定してください。

株式分析の平均足をエクセルで表示するには

株式分析の平均足をエクセルで表示する方法を紹介します。

株式分析の平均足は、始値、高値、安値、終値の4本値をもとに、新たな4本値を計算してローソク足として表示したものです。

平均足の計算方法は次の通りです。
始値
(前日の平均足の始値+前日の平均足の終値)÷2
ただし、1日目は(前日の始値+前日の高値+前日の安値+前日の終値)÷4
高値
当日の高値
安値
当日の安値
終値
(当日の始値+当日の高値+当日の安値+当日の終値)÷4

まず、下の図のように、エクセルのシートのセルに、出来高、日付、始値、高値、安値、終値の列を作成し、各列にデータを入力していきます。行の上が古い日付になるように入力します。日付は、「2012年6月1日」や「2012/06/01」など自由に入力してください。また、株価や出来高の「,」の桁区切りはあってもなくても構いません。



次に、4本値の右側の列に、平均足の値の列を作成します。始値の1日目のセルH3には「=AVERAGE(B:E2)」と入力します。

そして、その右側の高値の列には「=C3」と入力して、安値の列には「=D3」と入力します。終値の列は「=AVERAGE(B3:E3)」と入力します。I列からK列まで入力が済んだら、I3からK3までを選択した状態でK21までフィルハンドルのドラッグを行います。

始値の2日目のセルH4には「=AVERAGE(H3,K3)」と入力します。そして、H4を選択した状態でH21までフィルハンドルのドラッグを行います。



シートの右側に、平均足の4本値のデータが表示されました。



マウスでG1からK21までを選択した状態で、「挿入」から「グラフ」を選び、グラフの挿入画面を表示します。グラフの一覧の中から「株価」を選び、「株価チャート(始値-高値-安値-終値)」を選んでOKのボタンをクリックします。



株価のチャート画面が表示されました。しかし、ローソク足が小さく表示されて見づらいため、Y軸の範囲を調整したり、ローソク足の陰線と陽線の表示形式を修正します。

下の図は、左側に通常の4本値によるローソク足のグラフ、右側に平均足のグラフを描画したものです。

株式分析のバリアブルボラティリティストップとは

株式分析のバリアブルボラティリティストップ(Variable Volatility Stop)とは、終値をトレーリングするボラティリティストップを表示するテクニカル指標です。バリアブルボラティリティストップでは、相場のトレンドを調べる時に用いられます。

バリアブルボラティリティストップの計算方法は、売りの場合は、最安終値からn倍したATRを足した価格でのストップを指します。また、買いの場合は、最高高値からn倍したATRを引いた価格でのストップを表します。

ATRは、アベレージトゥルーレンジ(Average True Range)はボラティリティを計るテクニカル指標のことで、次の計算式で求めることができます。

ATR=True Rangeのn日間のEMA(指数平滑移動平均線)

True Rangeは、
  1. 当日の高値と当日の安値の差
  2. 当日の高値と前日の終値の差
  3. 当日の安値と前日の終値の差
のうち、一番大きい数値になります。



上の図は、チャート画面にバリアブルボラティリティストップを描画したものです。バリアブルボラティリティストップは、描画はパラボリックSARと似た描画方法です。

バリアブルボラティリティストップでの買いのエントリーポイントは、チャート画面に表示されるバリアブルボラティリティストップの点の色が青色から赤色に変わった時になります。上の図の緑色の丸で囲んだ部分になります。

また、バリアブルボラティリティストップでの売りのエントリーポイントは、チャート画面に表示されるバリアブルボラティリティストップの点の色が赤色から青色に変わった時になります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。

株式分析のアルティメットオシレーターとは

株式分析のアルティメットオシレーター(Ultimate Oscillator)は、相場の売り圧力と買い圧力から売買のエントリーポイントを見つけるテクニカル指標です。

オシレーター系のテクニカル指標は、0から100までのように一定の範囲内で数値が動き、ある数値より上であれば「売りポジション」、下であれば「買いポジション」の判断をします。一般的なオシレーター系のテクニカル指標の場合、計算日数が長いと売買のエントリーポイントが遅れることがあり、また、計算日数が短いと「騙し」に引っかかることがあります。そのため、オシレーター系のテクニカル指標を使う場合には、計算日数の設定が重要なポイントになります。

アルティメットオシレーターは、このようなオシレーター系のテクニカル指標の欠点をカバーするため、短期、中期、長期のそれぞれの期間の数値を1つの計算式に入れて算出しています。



上の図は、チャート画面にアルティメットオシレーターを描画したものです。

アルティメットオシレーターでの買いのエントリーポイントは、アルティメットオシレーターの値が30以下になった時です。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。

また、アルティメットオシレーターでの買いのエントリーポイントは、アルティメットオシレーターの値が70以上になった時です。

なお、オシレーター系のテクニカル指標の特徴として、ダイバージェンスが挙げられます。

アルティメットオシレーターの値が上昇している時に、株価が下降している場合はダイバージェンスになり、買いのエントリーポイントになります。

また、アルティメットオシレーターの値が下降している時に、株価が上昇している場合はダイバージェンスになり、売りのエントリーポイントになります。上の図の青色の四角で囲んだ部分になります。

株式の株価チャートをエクセルで表示するには

株式の株価チャートをエクセルで表示する方法を紹介します。

まず、下の図のように、エクセルのシートのセルに、出来高、日付、始値、高値、安値、終値の列を作成します。



次に、各列にデータを入力していきます。行の上が古い日付になるように入力します。日付は、「2012年6月1日」や「2012/06/01」など自由に入力してください。また、株価や出来高の「,」の桁区切りはあってもなくても構いません。



マウスでA1からF21までを選択した状態で、「挿入」から「グラフ」を選び、グラフの挿入画面を表示します。グラフの一覧の中から「株価」を選び、「株価チャート(出来高-始値-高値-安値-終値)」を選んでOKのボタンをクリックします。



株価のチャート画面が表示されました。しかし、ローソク足が小さく、出来高のグラフが大きく表示されているため見づらくなっています。



そこで、株価のチャート画面の修正をします。まず、出来高のグラフを修正します。株価のチャート画面の左側の縦軸(出来高の数字の部分)を右クリックして、「軸の書式設定」を選びます。



「軸のオプション」の「最大値」の項目を「自動」から「固定」に変更して「100000000」と入力します。これは、出来高の最大値の「20000000」を5倍の数値にすることで出来高のグラフの高さが5分の1になるためです。



次に、株価のグラフを修正します。株価のチャート画面の右側の縦軸(株価の数字の部分)を右クリックして、「軸の書式設定」を選びます。



「軸のオプション」の「最小値」の項目を「自動」から「固定」に変更して「3000」と入力します。これは、最小値を大きくして値幅を小さくするためです。



以上で出来高と株価のグラフの修正が終わりました。



次に、ローソク足を見やすいように修正します。ローソク足を右クリックして、プルダウンメニューから「陰線 2」を選びます。そして、「図形の枠線」のメニューを選び、「太さ」を「3」、「色」を「青」に設定します。



同様に、プルダウンメニューから「陽線 1」を選びます。そして、ローソク足を右クリックして、プルダウンメニューから「陽線 1」を選びます。そして、「図形の枠線」のメニューを選び、「太さ」を「3」、「色」を「赤」に設定します。



以上で株価のチャートが表示されました。

株式の投資判断とは

株式の投資判断とは、証券会社などの証券アナリストが銘柄を分析して投資判断を下すことです。投資判断では、「1、2、3」のような数字で表現したり、「売り、買い、中立」、「Underweight、Overweight、Neutral」といった文字で表現したりします。

株式の投資判断は、証券会社などから発表されます。株式市場では、良い投資判断が発表されると株価が上昇し、悪い投資判断が発表されると株価が下降することがあります。

以下は、主な証券会社の投資判断とその基準の一覧です。

▼野村證券
1またはBuy
当該銘柄の12カ月間の目標株価が現在の株価を15%以上上回ると判断する場合。
2またはNeutral
当該銘柄の12カ月間の目標株価と現在の株価の差が -5%~15%未満の範囲内にあると判断する場合。
3またはReduce
当該銘柄の12カ月間の目標株価が現在の株価を5%以上下回ると判断する場合。
レーティング保留(Suspended)
法令や、投資銀行業務に関連する社内規定および地政学リスク・異常事態等にともなう市場の混乱などにより、一時的にレーティングおよび目標株価を保留する場合。
NR・未付与
野村證券のレギュラーカバーの対象外。

▼みずほ証券
アンダーパフォーム(U)
目標株価の株価からの乖離率が-10%以下、あるいは、カバレッジユニバース内において乖離率が下位にあって、セクター相対配分ガイドラインによってアンダーパフォームとされる場合。
買い(B)
目標株価の株価からの乖離率が10%以上、かつ、セクター相対配分ガイドラインによってアンダーパフォームとされない場合。
中立(N)
目標株価の株価からの乖離率が-10%以上10%内以下、かつ、セクター相対配分ガイドラインによってアンダーパフォームとされない場合。

▼モルガン・スタンレーMUFG証券
Underweight(弱気)
リスク調整済みベースで今後12か月から18か月の間に、当該業界(アナリスト又はその業界チームのカバレッジ・ユニバース)、あるいは、当該MSCI国別指数の平均総投資収益率を下回った場合。
Overweight(強気)
リスク調整済みベースで今後12か月から18か月の間に、当該業界(アナリスト又はその業界チームのカバレッジ・ユニバース)、あるいは、当該MSCI国別指数の平均総投資収益率を上回った場合。
Equalweight(中立)
リスク調整済みベースで今後12か月から18か月の間に、当該業界(アナリスト又はその業界チームのカバレッジ・ユニバース)、あるいは、当該MSCI国別指数の平均総投資収益率と同程度の場合。

▼メリルリンチ日本証券
Underweight(弱気)
総合投資収益率がマイナスの見込みの場合。
買い
総合投資収益率が10%以上の見込みの場合。
中立
総合投資収益率が0%から10%未満の見込みの場合。

▼SMBC日興証券
1
カバレッジ・ユニバースの投資リターンが、市場平均を上回ると判断する場合。
2
カバレッジ・ユニバースの投資リターンが、市場平均と同程度と判断する場合。
3
カバレッジ・ユニバースの投資リターンが、市場平均を下回ると判断する場合。

▼JPモルガン証券
Underweight(弱気)
今後3ヶ月以内に関連するインデックス、セクター、または、ベンチマークをアンダーパフォームすると予想される場合。
Overweight(強気)
今後3ヶ月以内に関連するインデックス、セクター、または、ベンチマークをアウトパフォームすると予想される場合。
Equalweight(中立)
今後3ヶ月以内に関連するインデックス、セクター、または、ベンチマークと同程度であると予想される場合。

▼ドイツ証券
Sell(売り)
今後12か月のトータルリターン(株価変動率と配当利回り)が-10%以下になると予想される場合。
Buy(買い)
今後12か月のトータルリターン(株価変動率と配当利回り)が+10%以上になると予想される場合。
Hold(中立)
今後12か月のトータルリターン(株価変動率と配当利回り)が±10%以内に納まると予想される場合。

▼三菱UFJモルガン・スタンレー証券
Underperform(U)
今後12か月間における投資成果が、TOPIXを15%超下回ると予想される場合。
Outperform(O)
今後12か月間における投資成果が、TOPIXを15%超上回ると予想される場合。
Neutral(N)
今後12か月間における投資成果が、TOPIXを±15%以内に納まると予想される場合。