2012年6月11日月曜日

FXのチャート分析ソフトMT4で乖離率を表示するには

乖離率とは、テクニカル指標などで計算された数値と、現在の為替レートとの差をパーセンテージで表したものです。一般的に乖離率というと、移動平均線と現在の為替レートとの差のことをいいます。

乖離率は、移動平均線と現在の為替レートとの乖離はいずれ修正されて戻るという考えから、売買のエントリーポイントを見つける手段として用いられています。

下の図は、チャート画面に移動平均線を描画したものです。青色の丸で囲んだ部分の乖離率は、ローソク足の終値と、黄色の移動平均線との差になります。



乖離率は、次の計算式で求めることができます。

(現在の為替レート÷移動平均線の値)×100-100

乖離率の値によって売買のエントリーポイントを見つけることができます。しかし、売買のエントリーポイントは通貨ペアや時間足などによって異なるため、「この数値以下なら買いのエントリーポイント」というのはありません。

ここでは、FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)で乖離率を表示するインディケーターを作成します。

次のプログラムを「divergence.mq4」のファイル名で保存します。保存先は、MT4のインストールされているフォルダの「experts」フォルダ内の「indicators」を指定します。

「divergence.mq4」
//+------------------------------------------------------------------+
//| divergence.mq4 |
//| sample |
//| http://www.metaquotes.net/ |
//+------------------------------------------------------------------+
#property copyright "sample"
#property link "http://www.metaquotes.net/"
#property indicator_separate_window
#property indicator_color1 Yellow
#property indicator_buffers 1
//
double Diver_score[];
extern int MA_Period=20;
//
int init()
{
SetIndexBuffer(0,Diver_score);
}

int start()
{
int i,j;
double M_A;
int counted_bars=IndicatorCounted();
int limit=Bars-1-counted_bars;
for(i=limit-1; i>=0; i--)
{
M_A=0;
for(j=0; j<=MA_Period-1; j++) {
M_A += Close[i+j];
}
M_A /= MA_Period;
//乖離率の計算
Diver_score[i]=(Close[i]/M_A)*100-100;
}
return(0);
}

次の図は、チャート画面に移動平均線を描画して、下の画面に乖離率を描画したものです。移動平均線の位置とローソク足の位置とが大きく離れていると、乖離率が大きく上下に推移することがわかります。

FXのチャート分析ソフトMT4のインディケーターを提供しているWebサイトの一覧

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のインディケーターを提供しているWebサイトの一覧です。

インディケーターのファイル形式は、「.mq4」、あるいは、「.ex4」のいずれかです。「.mq4」、「.ex4」のいずれのファイルも、MT4をインストールしたフォルダの「experts」フォルダ内の「indicators」フォルダへコピーします。なお、「.mq4」ファイルの場合にはMT4を再起動しないとインディケーターとして使用できません。

「.mq4」はテキストファイルなので、ロジックを研究したり、自由に改変したりすることができます。「.ex4」は、「.mq4」をコンパイルしたファイルになります。そのため、中身を見ることはできません。

▼インディケーターを提供しているWebサイトの一覧

FXのチャート分析ソフトMT4のフラクタルの見方

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のフラクタルの見方について解説します。

フラクタル(Fractals)は、為替レートの高値と安値からトレンドの転換点を探し出すテクニカル指標です。

フラクタルは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画面に表示するには「Fractals」の文字を右クリックして、「チャートに表示」を選びます。



フラクタルは、1本のローソク足の高値が、前2本のローソク足の高値よりも高く、かつ、後2本のローソク足の高値よりも高い場合に「UPフラクタル」として「↑」を描画します。この地点が下降トレンドから上昇トレンドへの転換点、あるいは、上昇トレンドの継続点になります。

そして、1本のローソク足の安値が、前2本のローソク足の安値よりも安く、かつ、後2本のローソク足の安値よりも安い場合に「DOWNフラクタル」として「↓」を描画します。この地点が上昇トレンドから下降トレンドへの転換点、あるいは、下降トレンドの継続点になります。

このようにフラクタルは、5本のローソク足により成り立っています。このことから、フラクタルの矢印のマークは最新のローソク足には出現しないことがわかります。フラクタルは、早くても2本前のローソク足にしか出現しないため、その分、トレンドの検出が遅れることがあります。

下の図は、チャート画面にフラクタルを描画したものです。



フラクタルでは、UPフラクタルの出現後に、より高い位置でUPフラクタルが出現した地点を買いのエントリーポイントとします。上の図では、赤色の丸で囲んだ部分を起点として、オレンジ色の丸で囲んだ部分(5か所)が買いのエントリーポイントになります。

また、フラクタルでは、DOWNフラクタルの出現後に、より安い位置でDOWNフラクタルが出現した地点を売りのエントリーポイントとします。上の図では、緑色の丸で囲んだ部分を起点として、青色の丸で囲んだ部分(4か所)が売りのエントリーポイントになります。

FXのチャート分析ソフトMT4のGator Oscillatorの見方

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のGator Oscillatorの見方について解説します。

Gator Oscillator(ゲーターオシレーター)は、テクニカル指標の「Alligator」をグラフに表したものです。

Gator Oscillatorは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画面に表示するには「Gator Oscillator」の文字を右クリックして、「チャートに表示」を選びます。



Gator Oscillatorは、Alligatorで描画する3本の移動平均線の値を元に計算します。3本の移動平均線は、長期、中期、短期の3本で、Gator Oscillatorは、
・長期-中期
・長期-短期
の2つの値をグラフにしたものです。

これにより、Alligatorでの各線の開き具合をグラフに表すことができます。



上の図は、チャート画面にGator OscillatorとAlligatorを描画したものです。

Gator Oscillatorの緑色の線は上昇トレンド、赤色の線は下降トレンドを意味しています。トレンドの強さが強いほど数値が大きくなり、為替レートに動きがなくなるとGator Oscillatorの数値が小さくなって0に近づいていきます。

赤色の丸で囲んだ部分は、Alligatorの収束している所になります。Gator Oscillatorのグラフでは、0に近い値になっています。この地点での売買のエントリーポイントはないと判断します。

黄色の四角で囲んだ部分は、Gator Oscillatorの値が大きくなっています。Alligatorでは、ワニの口が大きく開いた状態です。この地点では、買いのエントリーポイント、あるいは、売りのエントリーポイントになります。

FXのチャート分析ソフトMT4のRVIの見方

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のRVIの見方について解説します。

RVIは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画面に表示するには「Relative Vigor Index」の文字を右クリックして、「チャートに表示」を選びます。



RVIは、RSI(Relative Strength Index)を元に、相場のボラティリティーを調べるためのテクニカル指標です。日本語では、相対ボラティリティインデックスといいます。RVIの値は、0を中心に推移しますが、RSIのように上限の値と下限の値はありません。RVIは、おおむね-0.5から0.5までの間で推移することが多いようです。

RVIの値が大きい時、あるいは、小さい時にボラティリティーが大きいと判断し、0に近いほどボラティリティーが小さいと判断します。



上の図は、チャート画面にRVIを描画したものです。緑色の線が短期線、赤色の線が長期線になります。

RVIの見方として、まず、短期線と長期線のクロスが挙げられます。緑色の短期線が、赤色の長期線を下から上へ突き抜けた地点が、買いのエントリーポイントになります。このケースは、RVIが0より小さい所で出現することが多くなります。上の図の青色の丸で囲んだ部分になります。

次に、緑色の短期線が、赤色の長期線を上から下へ突き抜けた地点が、売りのエントリーポイントになります。このケースは、RVIが0より大きい所で出現することが多くなります。上の図の緑色の丸で囲んだ部分になります。

RVIの2つめの見方として、0を境にした推移が挙げられます。緑色の短期線と赤色の長期線がマイナスからプラスへ転換した地点が相場のボラティリティーが収束した地点になります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。

また、緑色の短期線と赤色の長期線がプラスからマイナスへ転換した地点も相場のボラティリティーが収束した地点になります。上の図の黄色の丸で囲んだ部分になります。

ボラティリティーが収束した地点は、次のボラティリティーが高くなる地点へ向かう起点にもなりますので、売買のエントリーポイントと考えることもできます。

FXのチャート分析ソフトMT4のAwesome Oscillatorの見方

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のAwesome Oscillatorの見方について解説します。

Awesome Oscillatorは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画面に表示するには「Awesome Oscillator」の文字を右クリックして、「チャートに表示」を選びます。



Awesome Oscillator(オーサムオシレーター)は、移動平均線を元にして、売られすぎや買われすぎを調べるテクニカル指標です。

Awesome Oscillatorは、赤色の線と緑色の線で描画します。赤色の線は、前のAwesome Oscillatorの値より小さい時に描画します。緑色の線は、前のAwesome Oscillatorの値より大きい時に描画します。

Awesome Oscillatorは、0を境にして、0以上ならば上昇トレンドであると判断します。また、0以下ならば下降トレンドであると判断します。



上の図は、チャート画面にAwesome Oscillatorを描画したものです。

Awesome Oscillatorの値がマイナスからプラスへ転換した地点が、下降トレンドから上昇トレンドへの転換点になります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。

Awesome Oscillatorの値がプラスからマイナスへ転換した地点が、上昇トレンドから下降トレンドへの転換点になります。上の図の黄色の丸で囲んだ部分になります。なお、チャート画面の白色の四角で囲んだ部分は、ダブルトップを形成しています。ダブルトップでの売りのエントリーポイントは、ピンク色の丸で囲んだ部分になりますが、Awesome Oscillatorを使えばそれより前の黄色の丸で囲んだ部分で売りのエントリーが可能になります。

次に、Awesome Oscillatorの線が緑色から赤色へ変わった地点は、買われすぎの強さが鈍化した地点になります。よってこの地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の青色の丸で囲んだ部分になります。

同様に、Awesome Oscillatorの線が赤色から緑色へ変わった地点は、売られすぎの強さが鈍化した地点になります。よってこの地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の緑色の丸で囲んだ部分になります。

FXのチャート分析ソフトMT4のOn Balance Volumeの見方

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のOn Balance Volumeの見方について解説します。

On Balance Volume(OBV、オンバランスボリューム)は、終値と出来高からトレンドの方向を探すテクニカル指標です。

On Balance Volumeは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画面に表示するには「On Balance Volume」の文字を右クリックして、「チャートに表示」を選びます。



On Balance Volumeは、当日の終値が前日の終値を上回った場合には、前日のOn Balance Volumeの値に当日の出来高を加算したものを当日のOn Balance Volumeとします。一方、当日の終値が前日の終値を下回った場合には、前日のOn Balance Volumeの値に当日の出来高を減算したものを当日のOn Balance Volumeとします。

On Balance Volumeでは、出来高を伴って価格が上昇した場合に大きな数値になり、出来高を伴って価格が下降した場合に小さな数値になります。



上の図は、チャート画面にOn Balance Volumeを描画したものです。

上の図の黄色の四角で囲んだ部分は、出来高を伴って価格が上昇しているケースです。出来高を伴って価格が上昇している地点が買いのエントリーポイントになります。

赤色の四角で囲んだ部分は、出来高を伴って価格が下降しているケースです。出来高を伴って価格が下降している地点が売りのエントリーポイントになります。

一方、青色の四角で囲んだ部分は大きく価格を下げていますが、出来高は伴っていません。そのため、On Balance Volumeの値は大きく動いていません。



上の図の赤色の四角で囲んだ部分は、出来高を伴って価格が大きく上昇しています。しかし、On Balance Volumeの値は大きく動いていません。このような場合には、価格が元に戻される傾向にあります。

FXのチャート分析ソフトMT4のAccumulation/Distributionの見方

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のAccumulation/Distributionの見方について解説します。

Accumulation/Distribution(A/D)は、高値と安値、終値、出来高からトレンドの方向を探すテクニカル指標です。

Accumulation/Distributionは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画面に表示するには「Accumulation/Distribution」の文字を右クリックして、「チャートに表示」を選びます。



Accumulation/Distributionの計算方法は次の通りです。
  1. 終値と安値との差を求める
  2. 高値と終値との差を求める
  3. 1から2を引く
  4. 高値と安値との差を求める
  5. 3を4で割る
  6. 5に出来高を掛ける
  7. 6に前日のAccumulation/Distributionを加えたものが当日のAccumulation/Distributionになる

為替レートが上昇するとAccumulation/Distributionの値も上昇し、為替レートが下降するとAccumulation/Distributionの値も下降します。



上の図は、チャート画面にAccumulation/Distributionを描画したものです。黄色の丸で囲んだ部分はAccumulation/Distributionの値が小さい地点で、為替レートも安値圏にあります。

また、赤色の丸で囲んだ部分はAccumulation/Distributionの値が大きい地点で、為替レートも高値圏にあります。

Accumulation/Distributionの値は決められた範囲内に納まりません。そのため、上記の安値圏が買いのエントリーポイントにはなりません。また、上記の高値圏が売りのエントリーポイントにはなりません。



上のチャート画面での赤色の線の部分では、為替レートが下降しています。一方、Accumulation/Distributionの同じ部分ではAccumulation/Distributionの値が横ばいに推移しています。この部分はいわゆる”ダイバージェンス”の現れた地点になり、トレンドの転換が近いことを表しています。

Accumulation/Distributionでは、ダイバージェンスの現れた地点を見つけ出して、そこを売買のエントリーポイントにすることが多いようです。

FXのチャート分析ソフトMT4のStandard Deviationの見方

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のStandard Deviationの見方について解説します。

Standard Deviationは、過去の為替レートの変動幅を元に計算するテクニカル指標です。日本語では標準偏差といいます。

Standard Deviationは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画面に表示するには「Standard Deviation」の文字を右クリックして、「チャートに表示」を選びます。



下の図は、チャート画面にStandard Deviationを描画したものです。



為替レートが大きく値上がりするとStandard Deviationの値は上昇します。上の図の赤色の四角で囲んだ部分になります。

また、為替レートが大きく値下がりするとStandard Deviationの値は上昇します。上の図の黄色の四角で囲んだ部分になります。

為替レートが横ばいに推移するとStandard Deviationは0に近い値で推移します。上の図の青色の四角で囲んだ部分になります。

Standard Deviationでの売買のエントリーポイントは、Standard Deviationの値が大きくなった時になります。そして、決済のタイミングもStandard Deviationの値が大きくなった時になります。

FXのチャート分析ソフトMT4のMoving Average of Oscillatorの見方

FX(外国為替証拠金取引)のチャート分析ソフトMT4(Meta Trader 4)のMoving Average of Oscillatorの見方について解説します。

Moving Average of Oscillator(OsMA)は、テクニカル指標のMACDで用いられている基準線の値からシグナル線の値を差し引いたものをグラフ化したテクニカル指標です。

Moving Average of Oscillatorは、MT4のナビゲーター画面の「罫線分析ツール」に登録されています。チャート画面に表示するには「Moving Average of Oscillator」の文字を右クリックして、「チャートに表示」を選びます。



Moving Average of Oscillatorは、MACDでの基準線がシグナル線を上回るとプラスで推移して、MACDでの基準線がシグナル線を下回るとマイナスで推移します。よって、MACDにおけるトレンドの転換ポイントの地点と、Moving Average of Oscillatorでのトレンドの転換ポイントの地点が異なります。



上の図は、チャート画面にMoving Average of Oscillator(上)とMACD(下)を描画したものです。

MACDの赤い点線がMACDの白いグラフより上にある時にMoving Average of Oscillatorの値はマイナスになります。黄色の四角で囲んだ部分です。

そして、MACDの赤い点線がMACDの白いグラフより下にある時にMoving Average of Oscillatorの値はプラスになります。青色の四角で囲んだ部分です。

Moving Average of Oscillatorの赤色の丸で囲んだ部分は、上昇トレンド内での小さなトレンドの転換点になります。押し目買いは、Moving Average of Oscillatorの値がマイナスからプラスに転換した地点になります。