2012年9月4日火曜日

株365の特徴は

株365は、株価指数を対象にした金融商品のことで、取引所株価指数証拠金取引、取引所CFDなどともいいます。

株365の特徴は次の通りです。

▼取扱銘柄は4つ
株365で取り扱っている銘柄は2012年9月現在、「日経225証拠金取引」、「DAX証拠金取引」、「FTSE100証拠金取引」、「FTSE中国25証拠金取引」の4銘柄です。株式やFX、CFDなどと比べると株365の銘柄数は少ないです。

▼レバレッジが使える
株365では、FXやCFDと同じようにレバレッジを使った取引ができます。ただし株365の場合には証券会社がレバレッジを決めて取引を行っているのではなく、東京金融取引所が独自に算出した証拠金基準額で取引が行われます。例えば、2012年9月3日から2012年9月7日までの日経225証拠金取引の証拠金基準額は27,000円に設定されています。2012年9月3日の日経平均株価が8,870円なので、結果としておよそ32.85倍のレバレッジで取引していることになります。

8,870円×100倍÷27,000円≒32.85倍

なお、一部の証券会社では独自に証拠金額を定めている場合もあります。

▼配当が受け取れる
株価指数を構成する銘柄に配当が発生した場合には、買いポジションを保有していればその都度、株価指数ベースでの配当を受け取ることができます。一方、売りポジションを保有していればその都度、株価指数ベースでの支払いをしなければなりません。なお、株主優待等の株主権はありません。

▼金利が受け取れる
株365では、買いポジションを保有していれば金利相当額の支払いが生じます。一方、売りポジションを保有していれば金利相当額を受け取ることができます。

▼すべて円通貨で取引をする
株365では、「DAX証拠金取引」、「FTSE100証拠金取引」、「FTSE中国25証拠金取引」も円通貨で取引が行われます。例えば、DAX証拠金取引のレートが7,000ポイントの時に買い、7,100ポイントで売った場合には、10,000円の利益になります。この時、ユーロに換算して損益を計算しません。

(7.100ポイント-7,000ポイント)×100=10,000円

▼決済期限がない
株365は取引に期限がないため、先物取引のような決済期限はありません。

▼ロスカットがある
株365には、FXやCFDと同じように証拠金不足によるロスカットがあります。

株365の取引のリスクは

株365の取引を行う際のリスクには次のようなものが挙げられます。

▼価格変動によるリスク
株365の銘柄の価格変動による損失のリスクがあります。また、株365ではレバレッジを使った取引のため、差し入れた証拠金以上の損失が発生する可能性もあります。

▼現物株ではないことによるリスク
株365の銘柄は、株価指数に連動して値動きしますが、必ず連動するものではありません。相場の需給関係によっては、現物の株価指数と株365との価格が大きく乖離する場合があります。例えば、現物の株価指数が値上がりしているのに株365の価格が値下りしている場合などが考えられます。

▼取引参加者の信用リスク
株365では、顧客の証拠金は東京金融取引所が分別して管理しているため証拠金は保全されます。しかし、取引参加者が破綻したりした場合には、証拠金の返還に時間がかかる場合があります。

▼法律などの変更によるリスク
法律の改正により、投資家が損失を被る可能性があります。例えば、レバレッジ規制によって追加の証拠金が必要になる場合があります。また、追加の証拠金を納めなければロスカットになる可能性もあります。

▼金利変動のリスク
株365では、売りポジションを保有していると金利相当額を受け取ることができます。しかし、金利の変動により受け取れない場合があります。

▼流動性のリスク
株365は、マーケットメイカーの買い呼値、および、売り呼値の提示により取引が行われます。しかし、大きな事件(相場の大きな値動き、戦争、天災など)によりマーケットメイカーの提示が行われない可能性があります。これにより投資家の売買ができない状況になることがあります。

▼為替のリスク
株365では円通貨で取引を行うため、投資家は為替変動による直接的なリスクを負うことはありません。しかし、マーケットメイカーは為替リスクを負うため、買い呼値、および、売り呼値の提示の際に為替リスクを上乗せします。そのため、為替の大きな変動によって買い呼値と売り呼値のスプレッドが拡大するリスクがあります。

▼システム障害のリスク
証券会社や東京金融取引所のシステムトラブルにより注文が遅延したり無効になる可能性があります。

株365の注文方法

株365では、投資家が有利に取引できるように次のような注文方法が用意されています。

▼成行注文
価格を指定しないで、相場の価格に従って注文を出す方法です。成行注文ではすぐに約定したい時に用います。

相場が大きく変動している時に成行注文をすると思いがけない価格で約定する場合があるので注意が必要です。

▼指値注文
指定した価格で注文を出す方法です。指定した価格にならなければ注文は成立しません。自分の指定した価格でのみ約定するため資産管理に適しています。

▼トリガー指値注文
いくら以上になったらいくら以下で買う、あるいは、いくら以下になったらいくら以上で売るといった注文方法です。

▼トリガー成行注文
いくら以上になったら買う、あるいは、いくら以下になったら売るといった注文方法です。

▼OCO注文
損切りと利益確定の2つの注文を同時に行います。例えば、8,800円で買いポジションがある時に、8,500円になったら損切り、9,000円になったら利益確定売りのような注文ができます。

▼イフダン注文
一連の注文をまとめて行います。例えば、9,000円になったら買い、9,500円になったら売るといった注文ができます。この場合、9,000円の買いが約定した時に9,500円の売り注文が発動されます。

▼IFOCO注文(イフOCO注文)
イフダン注文とOCO注文を併せた注文方法です。

株365のマーケットメイク方式とは

マーケットメイク方式とは、マーケットメイカーの提示する価格の中から投資家に有利な価格を抽出して、その価格で取引を行う方式のことです。

マーケットメイク方式では、マーケットメイカーが買い呼値と売り呼値の2つの価格を提示します。この価格はどの証券会社でも同じく提示されます。

例えば、あるマーケットメイカーが売り呼値を8,880円、買い呼値を8,870円で提示したとします。スプレッドは10円になります。一方、他のマーケットメイカーが売り呼値を8,877円、買い呼値を8,865円で提示したとします。スプレッドは12円になります。

株365では、スプレッドの差が最も小さくなるような価格を採用して提示します。上の例では、売り呼値の8,877円と買い呼値の8,870円が採用されます。そしてスプレッドは7円になります。

マーケットメイカー 売り呼値 買い呼値 スプレッド
証券会社1 8,880円 8,870円

(こちらを採用)
10円
証券会社2 8,877円

(こちらを採用)
8,865円 12円
提示価格 8,877円 8,870円 7円

マーケットメイク方式の場合、常時マーケットメイカーが価格を提示することになっていますが、一時的にマーケットメイカーが1社だけになってスプレッドが大きくなったりする場合があります。

株365でのマーケットメイカーは2012年9月現在、大和証券とドイツ証券の2社です。この2社の提示する価格のうち投資家に有利な価格で取引を行うことができます。

マーケットメイク方式に対して、相対取引があります。相対取引とは、FX業者やCFD業者などが独自に価格を提示してその価格で取引を行うことです。そのため、業者によって価格はまちまちになります。

株365とCFDとの違い

株365とCFDはどちらも株価指数をもとにした商品を取り扱っています。

ここでは、2012年9月3日現在の株365の日経225証拠金取引とGMOクリック証券のCFD商品の日経225を比べてみます。

▼取引単位
株365では取引単位は100倍、GMOクリック証券のCFDでは10倍です。

▼1枚の必要証拠金
株365では日経225証拠金取引の1枚の購入に27,000円かかります。一方、GMOクリック証券のCFDの日経225では1枚の購入に8,774円かかります。

▼1円の値動きでの損益幅
1円の値動きでの損益幅は取引単位に比例します。株365では100円、GMOクリック証券のCFDでは10円です。日経平均株価では、1日に100円の値動きはよくあることですが、100円の値動きで株365では10,000円、GMOクリック證券のCFDでは1,000円の損益幅になります。

▼売買方法
株365ではマーケットメイク方法を採用しています。一方、GMOクリック証券のCFDでは相対取引を採用しています。

▼レバレッジ
株365では株価指数の価格変動によってレバレッジが変わります。およそ30倍前後であることが多いようです。一方、GMOクリック証券のCFDでは最大10倍に設定されています。

▼ロスカット
株365、GMOクリック証券のCFDともロスカットがあります。

▼取引時間
株365、GMOクリック証券のCFDとも土曜日、日曜日、祝日を除くほぼ24時間の取引が可能です。

▼手数料
株365では、証券会社の指定する手数料がかかります。一方、GMOクリック証券のCFDでは手数料は無料です。

株365の手数料は

株365を扱う証券会社では、株365の取引の際の手数料を設定しています。

次の表は、2012年9月現在の株365の手数料の一覧です。

業者名手数料
岩井コスモ証券株式会社210円
インヴァスト証券株式会社210円
岡三オンライン証券株式会社157円
カネツFX証券株式会社210円
カブドットコム証券株式会社149円
KOYO証券株式会社315円
スター為替証券株式会社157円
マネックス証券株式会社157円
豊商事株式会社1,050円

KOYO証券では、取引コースにより手数料が異なります。コースはコンサルティングコース、コンサルオンラインコース、オンラインコースの3つがあります。コンサルティングコースでの手数料は片道4,200円で、電話での取引が可能です。また、専任のアドバイザーによるサポートが付いています。コンサルオンラインコースでの手数料は片道3,150円で、パソコンやケータイなどでの取引が可能です。また、専任のアドバイザーによるサポートが付いています。オンラインコースでの手数料は片道315円で、パソコンやケータイなどでの取引が可能です。専任のアドバイザーによるサポートはありません。ちなみにすべてのコースにおいて日計り決済をした場合には料金が半額になります。

スター為替証券では、片道157円の手数料がかかりますが、日計り決済をした場合には手数料が半額になります。また、電話による取引の場合には片道420円の手数料がかかります。日計り決済をした場合には料金が半額になります。

豊商事では、片道1,050円の手数料がかかりますが、日計り決済をした場合には手数料が半額になります。また、月間の取引手数料の累計額によりキャッシュバックのサービスが受けられます。キャッシュバック率は、月間の取引手数料の累計額が21,000円以上105万円未満の場合には20%、105万円異常315万円未満の場合には30%、315万円以上525万円未満の場合には40%、525万円以上の場合には50%になっています。

株365取引に関するセミナーの一覧

株365を取り扱う証券会社や東京金融取引所では、株365に役立つセミナーを開催しています。

株365のセミナーでは、株365の基礎知識から取引方法など、初心者向けの内容が多いようですが、売買タイミングや世界の株式動向など、中級者から上級者向けのセミナーも開催しています。

セミナーの開催地は東京の都心で行われることが多いようです。開催時間は昼、あるいは、夜に行われいます。昼の開催は主婦層向け、夜の開催はビジネスマン向けに開催されています。なお、セミナーの受講料はほとんど無料になっています。

東京金融取引所では、金融取プラザにおいて定期的に株365のセミナーを開催しています。また、動画セミナーをWebサイトで配信しています。

なお、株365は為替相場の影響を受けやすいため、FX、CFDなどのセミナーから学ぶ点は多いといえます。また、日経平均株価(日経225)の動向を分析するには、株式相場のセミナーから学ぶこともできます。

次の表は、過去に行われた証券会社や東京金融取引所の開催する株365や株365に役立つ投資関連のセミナーの内容の一覧です。

業者名/取引所 過去のセミナー
岩井コスモ証券 株式投資戦略、基本的な株価テクニカル分析、アジア投資の魅力と円高問題
インヴァスト証券 1年の中で最も重要な秋の相場、その投資戦略は?、どうなる?年後半に向けた相場展開
岡三オンライン証券 バーナンキ・リスクと9/3週の為替予想、8月の通貨騰落と9月シナリオ、ドル円威信の買い?
岡安商事 短時間で出来るデイトレードポイントの見つけ方、ゼロから始めるFX、初心者にもできる!いちもくデイトレ
カネツFX証券 日経平均株価への投資を考えるセミナー、FX・CFD実践セミナー、プロのディーラーと伝説の主婦が教える おとなの 株365・くりっく365入門
カブドットコム 株スクール、カブ四季総会
KOYO証券 外債&ゴールドセミナー、ゴールド、株、為替の今後の見通し
スター為替証券 テクニカル分析セミナー、今週の相場見通し、くりっく株365セミナー
マネックス証券 はじめてのテクニカル分析
みずほ証券 テクニカル面から見た当面のマーケット、外国為替の戦略的思考
豊商事 為替セミナー、為替相場を読む
エース交易 FX初心者セミナー
東京金融取引所 株365の概要と特徴、2時間で学ぶ「株365のイロハ」、FX・CFD取引に役立つ経済セミナー

株365の日経225証拠金取引と日経225miniとの違い

日経225miniは、大阪証券取引所(大証)の取り扱う先物商品の名称です。ここでは、株365の日経225証拠金取引と日経225miniとの違いについて解説します。

▼取引期限
株365では、取引期限はありません。一方、日経225miniは先物取引のため期限が設けられています。日経225miniの期限はおよそ3か月ほどです。

▼取引時間
株365では、ほぼ24時間の取引が可能です。一方、日経225miniでは9時から23時30分までが取引時間になっています。欧州時間やニューヨーク時間などで大きな動きがあった場合、翌日の日経平均株価(日経225)に影響を及ぼすことがあります。その場合、日経225miniでは9時まで待たないと取引はできません。

▼日経平均株価との連動性
株365も日経225miniも値動きはほぼ同じで連動します。ただし、日経225miniの場合には金利相当額と配当相当額の分だけ価格が乖離します。

▼取引方法
株365ではマーケットメイク方式、日経225miniではオークション方式により取引が行われます。

▼1枚の必要金額
株365では日経225証拠金取引の1枚の購入に27,000円かかります。一方、日経225miniでは1枚の購入に877,400円かかります。いずれも2012年9月3日現在。

▼ロスカット
株365ではロスカットがありますが、日経225miniではロスカットはありません。

▼呼値
株365では1円単位での呼値になります。一方、日経225miniでは5円単位での呼値になります。呼値が1円の場合は最低の値動きが1円になります。1円未満の価格での値動きはありません。また、呼値が5円の場合は最低の値動きが5円になります。5円未満の価格での値動きはありません。