2012年9月19日水曜日

株365の日経225証拠金取引とSQとの関係は

SQとは、日経225先物取引において、満期日を迎えた限月物の最終価格のことです。SQは、Special Quotationの略で日本語では特別清算数値、特別清算指数といいます。

SQが決められるのは限月の第2金曜日で、その日の日経平均株価(日経225)採用銘柄の始値をもとに算出されます。SQが決められる日をSQ算出日、SQ日などといいます。

なお、最終取引日はその前日の木曜日までです。木曜日までに決済されなかった取引はSQで清算されることになります。木曜日が祝日の場合には前日の水曜日が最終取引日になります。

多くの投資家はSQで清算することはほとんどなく、最終取引日までに清算するか他の限月へ乗り換えます。そのため、SQが近づくと出来高が増える傾向にあります。そこには投資家の思惑が絡むため値動きが荒くなります。特に裁定取引による値動きには注意が必要になります。裁定取引の手口は、日経225の理論価格をもとに先物と現物の売買を同時に行うものです。

日経225の理論価格は、次の計算式で求めることができます。

日経225の理論価格=現物価格+SQ日までの金利-SQ日までの配当金

日経225の理論価格が先物の価格を下回っていれば先物を売って現物を買います。逆に、日経225の理論価格が先物の価格を上回っていれば先物を買って現物を売ります。これにより、先物と現物の価格差が小さくなれば(さや寄せ)、利益を獲得できます。

SQは、日経平均株価の今後の相場の方向性を調べるために用いられることがあります。SQが現物の価格よりも安い時は日経平均株価は下降し、SQが現物の価格よりも高い時は日経平均株価は上昇する傾向にあるとされます。

下の表は、2012年1月から8月までのSQ日における日経225証拠金取引の価格とSQの一覧です。価格の高いほうの背景色を黄色で示しています。SQが高くその後の日経225証拠金取引が上昇した場合、あるいは、日経225証拠金取引が高くその後の日経225証拠金取引が下降した場合には推移の列を水色の背景色で示しています。

SQ日 日経225証拠金取引 SQ 推移
2012/01/13 8456 8470.71 上昇
2012/02/10 8922 9011.16 上昇
2012/03/09 10038 9946.46 上昇後下降
2012/04/13 9539 9638.83 下降
2012/05/11 8954 9019.35 下降
2012/06/08 8506 8613.40 上昇
2012/07/13 8813 8678.36 下降後上昇
2012/08/10 8917 8914.81 上昇

次の図は、日経225証拠金取引とSQとの価格の推移を示したものです。

株365の相場とニューヨーク市場の相場との関係

株365で取引可能な日経225証拠金取引、DAX証拠金取引、FTSE100証拠金取引、FTSE中国25証拠金取引の4銘柄とニューヨーク市場の相場とはどのような関係にあるでしょうか。

下の図は、株365の4銘柄のもとになる株価指数とNYダウ価格の推移をチャートに表したものです(中国はハンセン指数)。

▼日経225


▼DAX30


▼FTSE100


▼ハンセン指数


▼NYダウ


NYダウ価格は、2007年10月に高値をつけ、その後、下降トレンドで推移して2009年3月に安値をつけています。その後は2012年9月まで上昇トレンドで推移しています。

NYダウの値動きに似た値動きをしている指数は、DAX30とFTSE100の2銘柄です。

下の図は、2007年6月の時点の価格を100とした場合の各銘柄の値動きをグラフに表したものです。このグラフからは、DAX30とFTSE100に加えてハンセン指数も同じような値動きをしていることがわかります。NYダウに比べるとハンセン指数のほうがボラティリティの高い値動きをしています。


次に、NYダウの価格とそれぞれの株価指数とのサイコロジカルを週足ベースで比較してみます。期間は2007年6月から2012年8月までの間で、NYダウの価格が値上がりした時に同じく値上りしているか、NYダウの価格が値下がりした時に同じく値下りしているかを調べます。

その結果、DAX30の82.78%が最も高く、次いでFTSE100の78.02%でした。いずれも高い確率で連動しています。

▼NYダウと連動した週
・日経225:204週(74.73%)
・DAX30:226週(82.78%)
・FTSE100:213週(78.02%)
・ハンセン指数:205週(75.09%)

DAX30やFTSE100よりも連動性の低い日経225でも74.73%、また、ハンセン指数でも75.09%であり、4銘柄とも連動性の高いことがわかります。

株365の日経225証拠金取引と為替相場との関係

株365の日経225証拠金取引と為替相場とはどのような関係にあるでしょうか。

ここでは、日経225証拠金取引の値動きのもととなる日経平均株価(日経225)と主要通貨のチャートを見比べてみます。

次の図は、日経225の価格をチャートに表したものです。


日経225のチャートを見ると、2007年7月に18,000円の高値をつけた後(Aの地点)、下降トレンドで推移して2008年10月に7,000円割れまで推移して1つ目の底をつけました(Bの地点)。その後9,000円まで反騰したものの2009年3月に再び7,000円台を割りました。この地点が2番底になっています(Cの地点)。2009年5月からは8,000円台後半から1万円台のレンジに突入しましたが、2011年3月の東日本大震災の影響により一時的に8,000円台を割っています(Dの地点)。そして2012年9月までは8,000円から10,000円のレンジで推移しています。

なお、2010年3月の高値を頂点Eとして、F、Gを通るレジスタンスライン(赤色の線)が確認できます。そのため、長期的にはこのラインを意識した上値の重い値動きをする可能性があります。

次に、主要通貨のチャートを見てみます。ここでは、USD/JPY、EUR/JPY、AUD/JPY、EUR/USDのチャートを表示します。

▼USD/JPY
下のグラフは、USD/JPYの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるUSD/JPYは、下降トレンドの円高で推移しています。トレンドの方向性は同じですが、USD/JPYの傾き方のほうが日経225の傾き方よりも大きいように見えます。


▼EUR/JPY
下のグラフは、EUR/JPYの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるEUR/JPYは、下降トレンドの円高で推移しています。トレンドの方向性は同じですが、JSD/JPYと同じようにEUR/JPYの傾き方のほうが日経225の傾き方よりも大きいように見えます。


▼AUD/JPY
下のグラフは、AUD/JPYの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるAUD/JPYの値動きと日経225の値動きを比べると、2007年7月から2008年10月までの下降トレンドの部分は似た値動きをしています。また、2008年10月以降の値動きも似ていますが、反騰幅がAUD/JPYのほうが日経225よりも大きくなっています。ボラティリティもAUD/JPYのほうが日経225よりも大きいことがわかります。


▼EUR/USD
下のグラフは、EUR/USDの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるEUR/USDの値動きと日経225の値動きを比べると連動した部分は見つかりません。


以上のことから、日経225に連動した通貨はUSD/JPY、EUR/JPY、AUD/JPYといった円通貨であることがわかります。また、円通貨以外のEUR/USDなどは日経225とは連動しないことがわかります。

株365のDAX証拠金取引と為替相場との関係

株365のDAX証拠金取引と為替相場とはどのような関係にあるでしょうか。

ここでは、DAX証拠金取引の値動きのもととなるDAX30と主要通貨のチャートを見比べてみます。

次の図は、DAX30の価格をチャートに表したものです。


DAX30のチャートを見ると、2008年1月に8,180ポイントの高値をつけた後(Aの地点)、下降トレンドで推移して2009年3月に3,500ポイントまで下落しました(Bの地点)。その後、2011年7月まで上昇トレンドが続きました(Cの地点)。なお、2011年3月の東日本大震災の影響はDAX30にも表れています(Dの地点)。

その後、2011年9月に底をつけた後(Eの地点)、2012年9月まで上昇トレンドで推移しています。

次に、主要通貨のチャートを見てみます。ここでは、EUR/JPY、EUR/USD、EUR/GBPのチャートを表示します。

▼EUR/JPY
下のグラフは、EUR/JPYの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるEUR/JPYは、下降トレンドの円高で推移しています。トレンドの方向性は2007年から2008年頃までは同じですが、2009年以降はDAX30が上昇トレンドであるのに対して、EUR/JPYは下降トレンドになっています。この期間では、DAX30は買われ、EUR/JPYではユーロが売られて円が買われている状況です。


▼EUR/USD
下のグラフは、EUR/USDの価格をチャートに表示したものです。EUR/USDはユーロが売られて少しずつ下値を更新する相場が続いています。表示期間におけるEUR/USDの値動きとDAX30の値動きを比べると連動した部分は見つかりません。


▼EUR/GBP
下のグラフは、EUR/GBPの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるEUR/GBPの値動きとDAX30の値動きを比べると、2007年7月から2008年においてはDAX30が下降トレンドであるのに対してEUR/GBPは上昇トレンドにあります。また、2009年以降はDAX30が上昇トレンドであるのに対してEUR/GBPは下降トレンドにあります。ユーロの通貨不安によってユーロが売られて英ポンドが買われていることが原因の1つと考えられます。


DAX30とEUR/GBPの値動きは、DAX30が上がればEUR/GBPが下がり、DAX30が下がればEUR/GBPが上がるという関係にあることがわかります。

株365のFTSE100証拠金取引と為替相場との関係

株365のFTSE100証拠金取引と為替相場とはどのような関係にあるでしょうか。

ここでは、FTSE100証拠金取引の値動きのもととなるFTSE100と主要通貨のチャートを見比べてみます。

次の図は、FTSE100の価格をチャートに表したものです。


FTSE100のチャートを見ると、2007年10月に6,800ポイントの高値をつけた後(Aの地点)、下降トレンドで推移して2009年3月に3,440ポイントまで下落しました(Bの地点)。ほぼ50%の下落率になります。その後、5,700ポイントあたりまで戻しています(Cの地点)。その後は、6,100ポイントをレジスタンスライン、4,800ポイントをサポートラインとしたレンジ相場が続いています(赤色の線)。

次に、主要通貨のチャートを見てみます。ここでは、EUR/GBP、GBP/JPY、GBP/USDのチャートを表示します。

▼EUR/GBP
下のグラフは、EUR/GBPの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるEUR/GBPの値動きとFTSE100の値動きを比べると、2007年7月から2008年においてはFTSE100が下降トレンドであるのに対してEUR/GBPは上昇トレンドにあります。また、2009年以降のFTSE100はレンジ相場が続いていますが、EUR/GBPは下降トレンドにあります。ユーロの通貨不安によって英ポンドが買われていることが原因の1つと考えられます。


▼GBP/JPY
下のグラフは、GBP/JPYの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるGBP/JPYの値動きとFTSE100の値動きを比べると、2009年初旬までは同じように下降トレンドで推移していることがわかります。2009年初旬以降は、FTSE100がレンジ相場であるのに対して、GBP/JPYは少し値を戻した後、再び下降トレンドで推移しています。
FTSE100のチャートを見ると、イギリス経済が安定していることがわかりますが、為替相場では円に対して英ポンドが売られている状況にあります。


▼GBP/USD
下のグラフは、GBP/USDの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるGBP/USDの値動きとFTSE100の値動きを比べると、2009年初旬までは同じように下降トレンドで推移していることがわかります。また、2009年以降も同じような値動きで、反発後にレンジ相場が続いています。ただし、反発の幅はGBP/USDよりもFTSE100のほうが大きくなっています。

株365のFTSE中国25証拠金取引と為替相場との関係

株365のFTSE中国25証拠金取引と為替相場とはどのような関係にあるでしょうか。

ここでは、FTSE中国25証拠金取引の値動きのもととなるFTSE中国25に似た動きをするハンセン指数と主要通貨のチャートを見比べてみます。

次の図は、ハンセン指数の価格をチャートに表したものです。


FTSE中国25のチャートを見ると、2007年11月に31,943ポイントの高値をつけた後(Aの地点)、下降トレンドで推移して2008年10月に10,565ポイントまで下落しました(Bの地点)。この間にFTSE中国25の価格は3分の1になっています。その後、2010年11月に24,942ポイントまで戻しています(Cの地点)。そして2012年9月まではゆるやかな下降トレンドで推移しています。

次に、主要通貨のチャートを見てみます。ここでは、HKD/JPY、CNY/JPY、CNY/USDのチャートを表示します。

▼HKD/JPY
下のグラフは、HKD/JPYの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるHKD/JPYの値動きとハンセン指数の値動きを比べると、2007年7月から2008年においてはFTSE中国25、HKD/JPYとも下降トレンドで推移しています。2009年以降もFTSE中国25、ハンセン指数ともゆるやかな下降トレンド推移しています。


▼CNY/JPY
下のグラフは、CNY/JPYの価格をチャートに表示したものです。CNY/JPYの値動きは、HKD/JPYとほとんど同じです。表示期間におけるCNY/JPYの値動きとハンセン指数の値動きを比べると、2007年7月から2008年においてはFTSE中国25、HKD/JPYとも下降トレンドで推移しています。2009年以降もFTSE中国25、ハンセン指数ともゆるやかな下降トレンド推移しています。


▼CNY/USD
下のグラフは、CNY/USDの価格をチャートに表示したものです。表示期間におけるCNY/USDの値動きは、2010年後半から上昇トレンドで推移し、人民元買い、米ドル売りが続いています。一方、2010年後半からのハンセン指数の値動きはゆるやかな下降トレンドです。そのため、2012年9月現在、ハンセン指数が下降するとCNY/USDが上昇する関係にあります。

株365の日経225証拠金取引の値動きを景気から予測するには

株365の日経225証拠金取引の値動きを景気動向から予測することができるでしょうか。

日本では、内閣府が景気統計の1つとして景気動向指数を発表しています。Webサイトからは内閣府のホームページの「統計表一覧:景気動向指数 結果」から閲覧できます。

景気動向指数には、先行指数、一致指数、遅行指数の3つの指数があります。先行指数は、
景気の動きに対して先行して動く指標のことで、景気の先行きに対する予測を行う時に用いられます。一致指数は、景気の動きに対して一致して動く指標のことで、景気の現状を把握する時に用いられます。遅行指数は、景気の動きに対して遅行して動く指標のことで、景気の転換点を確認する時に用いられます。

株365の日経225証拠金取引の値動きを景気動向から予測するには、先行指数と一致指数の2つの指数を用いて、前月と比べて上昇したか下降したかを調べます。

一般的に、先行指数と一致指数の関係と景気の予測は次のようになります。

先行指数が下降、一致指数が下降
先行き、現状とも景気が悪いため日経225証拠金取引は下がると予測できます。
先行指数が下降、一致指数が上昇
現状の景気はよいものの先行きが悪いため日経225証拠金取引は下がると予測できます。
先行指数が上昇、一致指数が下降
現状の景気は悪いものの先行きがよいため日経225証拠金取引は上がると予測できます。
先行指数が上昇、一致指数が上昇
先行き、現状とも景気がよいため日経225証拠金取引は上がると予測できます。

下の表は、2011年8月から2012年7月までの先行指数と一致指数の一覧です。また、前月比を色分けして表示しています。

年月先行
指数
一致
指数
先行
前月比
一致
前月比
2011年8月94.692.8
2011年9月93.392.4
2011年10月93.493.3
2011年11月94.692.4
2011年12月96.294.6
2012年1月94.694.7
2012年2月96.295.7
2012年3月96.697.3
2012年4月95.697.0
2012年5月95.295.8
2012年6月93.294.1
2012年7月91.892.8

景気動向指数の発表は、2か月遅れで発表されます。例えば、2012年7月分の景気動向指数は、2012年9月に発表されます。

次の表は、各月の先行指数と一致指数の前月比と、日経225証拠金取引の価格です。日経225証拠金取引の価格は、「年月日」の2か月前の価格です。そして、予測の列は、先行指数と一致指数から日経225証拠金取引の価格の推移が当たっているかどうかを示したものです。翌月に予測が当たっていたら「◎」印、3か月以内に予測が当たっていたら「○」印、外れていたら「×」印を記しました。なお、2012年7月分のデータは2012年9月7日に発表されています。そして、2012年9月17日の時点での日経225証拠金取引の価格で判定をしています。

年月先行一致日経225予測
2011年8月
2011年9月9986
2011年10月9821×
2011年11月9003×
2011年12月8398
2012年1月8705
2012年2月8588
2012年3月8571
2012年4月8863
2012年5月9792
2012年6月10102
2012年7月9382
(9219)

上の表の11か月の予測を見ると、日経225証拠金取引が予測通りに推移したのが9か月、予測通りでなかったのが2か月という結果になりました。

株365の日経225証拠金取引と信用残との関係は

株365の日経225証拠金取引と信用残とはどのような関係にあるでしょうか。

そもそも信用残とは何でしょうか。

信用残とは、信用取引における売り残と買い残の総称です。

売り残は、信用取引における売り方の取引残高のことです。株365でいう売り建玉の総数になります。一方、買い残は、信用取引における買い方の取引残高のことです。株365でいう買い建玉の総数になります。

売り残や買い残の増減や、売り残と買い残との比率などから、今後の相場を予測することができます。

一般的に株価が上昇した時は、相場の買い圧力は売り圧力を上回ります。信用取引では買い建玉が売り建玉を上回り、買い残が増加します。

信用取引の買い建玉はいつかは決済しなければならず、その時期は株価が上昇した時になります。つまり、株価が上昇しても買い残が多いと買い建玉の整理に押されて上値の重い値動きになります。

一方、株価が下降した時は、相場の売り圧力は買い圧力を上回ります。信用取引では売り建玉が買い建玉を上回り、売り残が増加します。

信用取引の売り建玉はいつかは決済しなければならず、その時期は株価が下降した時になります。つまり、株価が下降した場合、売り残が多いと売り建玉の整理によって株価が下支えされます。

それでは実際の信用残の動きを見てみることにします。なお、日経225証拠金取引では信用取引がないため、ETFの日経225連動型上場投資信託の信用残を用います。

下の図は、2012年1月から2012年8月までの日経225証拠金取引の値動きと日経225連動型上場投資信託の信用残の推移です。


上の図の赤色の四角で囲んだ部分は、買い残が減少しています。買い残の減少により上値が軽くなったため価格が上昇しています。青色の四角で囲んだ部分では、価格が下げ止まっています。その要因は売り残の増加にあります。緑色の四角で囲んだ部分でも売り残の増加と買い残の減少により価格が上昇しています。