2012年5月11日金曜日

FXのスキャルピング手法とは

FX(外国為替証拠金取引)のスキャルピング(scalping)手法とは、わずかな利益を狙って短時間に売買を繰り返す手法のことです。スキャルピング手法では、1回の取引時間は1分から10分程度であることが多く、長くても1時間程度で取引を終えます。利益幅の目標は10pipsから30pips程度で、予想した方向と反対の値動きをした時にはすぐに損切りをして次の取引へ移るといった特徴があります。

スキャルピング手法では、チャート分析ソフトを用いて為替レートの予測をする際には、1分足、5分足などを用います。また、チャートの表示以外に、チャート分析ツールとして平均足やADXなどを用います。

▼MT4(Meta Trader 4)で平均足とADXを描画した例


スキャルピング手法では、トレンドの流れに乗って取引を行うのが一般的です。上昇トレンドであればロングポジションを取り、下降トレンドであればショートポジションを取ります。

▼スキャルピング手法のメリット
  • 大きな損失がない。
  • 長期間保有しないので、経済指標の発表前後にポジションを保有しなくて済む。
  • 閑散相場でも、トレンドが形成されていれば利益の出る可能性がある。
  • 資金の回転率がよいので利益率が高くなる。
  • 値動きを見張っているので突然の大きな値動きに対応できる。

▼スキャルピング手法のデメリット
  • すぐに損切をするので、利益を取り損ねる可能性がある。
  • 売買手数料がかさむ。
  • 値動きを見張っているので他の作業ができない。

FXのスイングトレードとは

FX(外国為替証拠金取引)のスイングトレード(swing trading)とは、数日から1週間の期間に売買を繰り返す手法のことです。スイングトレードは、トレールを用いて、利益が出ている間は利益幅を伸ばし、為替レートが押し目になったら決済をするという投資スタイルです。利益幅の具体的な目標はありません。また、予想した方向と反対の値動きをした時にはあらかじめ決めていたレートに達したら損切りをして次の取引へ移るといった特徴があります。

スイングトレードでは、チャート分析ソフトを用いて為替レートの予測をする際に、1時間足、日足などを用います。

スイングトレードでは、順張り、逆張りの両方が用いられます。これらは投資スタイルによって異なります。順張りの場合には、上昇トレンドであればロングポジションを取り、下降トレンドであればショートポジション取ります。逆張りの場合には、上昇トレンドであればショートポジションを取り、下降トレンドであればロングポジションを取ります。

▼スイングトレードのメリット
  • 利益幅がスキャルピングやデイトレードよりも大きい。
  • 値動きを見張る必要がない。
  • ポジションを取るタイミングに余裕がある。
  • 売買手数料がかさまない。
  • 資金の回転率が比較的よいので利益率がその分、高くなる。
  • 通貨レートの金利差によるスワップが受け取れる場合がある。

▼スイングトレードのデメリット
  • 値動きを見張らないのでリスクが高い。
  • 通貨レートの金利差によるスワップを支払わなければならない場合がある。

FXのパラボリック手法とは

FX(外国為替証拠金取引)のパラボリック手法とは、パラボリックというテクニカル指標を用いた売買手法のことです。

パラボリックは、パラボリックSAR(Parabolic SAR、Parabolic stop and reverse)とも呼びます。

パラボリックは、為替レートの過去の高値と安値からトレンドの方向性を示すテクニカル指標で、上昇トレンドの時にはローソク足の下側に点を描画し、下降トレンドの時にはローソク足の上側に点を描画します。

パラボリックの点は、上昇トレンドの時には右肩上がりに推移し、下降トレンドの時には右肩下がりに推移するという特徴があります。

下の図は、USD/JPYのチャートにパラボリックを描画したものです。


パラボリック手法は、ローソク足の上下に出現する点が反対側に出現した時をトレンドの転換点としています。つまり、パラボリックの点がローソク足の上側から下側へ移動して描画した時が上昇トレンドへの転換点になります。また、パラボリックの点がローソク足の下側から上側へ移動して描画した時が下降トレンドへの転換点になります。

関連サイト:
パラボリックの計算方法
パラボリックの描画

FXの円高、円安とは

FX(外国為替証拠金取引)では、円高、円安という言葉をよく耳にします。

例えば、USD/JPYが1ドル81.50円から81.30円へ値動きした場合には、円の価値が高くなったので、「20銭の円高」といいます。USD/JPYの価格が下がったから「円安」というのは誤りです。

また、円の価値が高くなったということは、米ドルの価値が安くなったので、「20銭のドル安」ともいいます。さらに、「20銭の円高」と「20銭のドル安」を合わせて「20銭の円高ドル安」ともいいます。


一方、USD/JPYが1ドル81.50円から81.80円へ値動きした場合には、円の価値が安くなったので、「30銭の円安」といいます。USD/JPYの価格が上がったから「円高」というのは誤りです。

また、円の価値が安くなったということは、米ドルの価値が高くなったので、「30銭のドル高」ともいいます。さらに、「30銭の円安」と「30銭のドル高」を合わせて「30銭の円安ドル高」ともいいます。


円高、円安は、USD/JPY以外にも、EUR/JPY、GBP/JPY、AUD/JPY、NZD/JPYのような通貨に対しても用いられます。

ちなみに、EUR/USDでは、1ユーロ1.3230ドルから1.3130ドルへ値動きした場合には、ドルの価値が高くなったので、「1セントのドル高」といいます。また、ドルの価値が高くなったということは、ユーロの価値が安くなったので、「1セントのユーロ安」ともいいます。さらに、「1セントのドル高ユーロ安」ともいいます。

FXの指値、逆指値とは

FX(外国為替証拠金取引)の指値、逆指値とは、為替レートを指定して注文することです。指値は英語でlimit、指値注文はlimit orderといいます。また、逆指値は英語ではstop、逆指値注文はstop orderといいます。

指値や逆指値は、成行と異なり自分の希望する為替レートで購入できるというメリットがあります。一方、為替レートが大きく変動している時にはスリッページが発生して約定しない可能性があるというデメリットがあります。

買い注文(ロング)での指値は、できるだけ安い為替レートで購入したいため、FX業者の提示するASKの為替レートよりも安い為替レートを指定します。

また、買い注文(ロング)での逆指値は、FX業者の提示するASKの為替レートよりも高い為替レートを指定します。このケースは、直近の高値を上に抜けた時など、買いシグナルが出たタイミングで買いたい場合に注文する方法です。

売り注文(ショート)での指値は、できるだけ高い為替レートで購入したいため、FX業者の提示するBIDの為替レートよりも高い為替レートを指定します。

また、売り注文(ショート)での逆指値は、FX業者の提示するBIDの為替レートよりも安い為替レートを指定します。このケースは、直近の安値を下に抜けた時など、売りシグナルが出たタイミングで売りたい場合に注文する方法です。

▼為替レートが79.4円の時の指値、逆指値ができる為替レートの例
為替レート 買い(ロング)の場合売り(ショート)の場合
79.7 買い逆指値注文売り指値注文
79.6 買い逆指値注文売り指値注文
79.5 買い逆指値注文売り指値注文
79.4現在の為替レート  
79.3 買い指値注文売り逆指値注文
79.2 買い指値注文売り逆指値注文
79.1 買い指値注文売り逆指値注文