2012年7月23日月曜日

CFDの取引ツールの比較

CFD業者では、CFD取引のためにチャートやテクニカル指標などを表示するツールを用意しています。

ここではCFD業者の取引ツールを紹介します。

▼DMM.com
「PRO TRADE」、「SIMPLE TRADE」、「プレミアチャート」の3つの取引ツールを提供しています。PRO TRADEはブラウザタイプの取引ツールです。Windowsマシンはもとより、Macintoshマシンでも動作します。SIMPLE TRADEもブラウザタイプの取引ツールで、Windowsマシン、Macintoshマシンで動作します。SIMPLE TRADEは初心者向けのツールで、PRO TRADEよりも画面構成が簡素になっているのが特徴です。プレミアチャートでは、1つのチャート画面に複数の銘柄のチャートが表示できます。また、22種類のテクニカル指標もパラメータを設定して表示することができます。

▼ドットコモディティ
「Formula CFD」というWindowsマシン対応の専用アプリケーションと、ブラウザタイプの2種類の取引ツールを提供しています。専用アプリケーションでは、ティックチャートの表示も可能です。また、必要証拠金を計算するツールなども用意されています。


▼ひまわり証券
ブラウザタイプの取引ツールを提供しています。チャートや各種テクニカル指標が表示できます。また、パターン分析機能といって、チャートが三角保ち合いや三尊を形成した銘柄や形成中(これから形成しそうな)の銘柄を検索したりする機能を備えています。

▼CMC Markets Japan
「Markets pro Japan Client Live」という専用のツールを提供しています。テクニカル指標の表示の他、ローソク足のパターンを特別な色で表示する機能を備えています。例えば、「捨て子線」や「大引坊主」、「出会い線」、「被せ線」といったローソク足が出現すると、ローソク足を特別な色で表示して知らせます。


▼外為ジャパン
ブラウザタイプの取引ツールを提供しています。チャート画面に斜線や垂直線、水平線などを描画する機能があります。タイムスパンは、ティック、1分、5分、10分、15分、30分、60分、2時間、4時間、1日、1週間、2週間、1か月の足から選択できます。なお、テクニカル指標は表示できません。

▼GCIフィナンシャル
MT4(Meta Trader 4)を用いて取引ができます。FX用のインディケーターを使用したりや自動売買用のツールEA(Expert Advisor)の使用や作成も可能です。


▼IGマーケッツ証券
「PureDeal」というブラウザタイプの取引ツールを提供しています。PureDealは、CFD以外のFXでも同じ画面で取引ができます。リアルタイムでCFDの関連ニュースを配信するなど、情報ツールとしての機能も備えています。


▼GMOクリック証券
ブラウザタイプの「PlatinumチャートCFD」を提供しています。他のツールに比べて画面がシンプルで見やすい構成になっています。テクニカル指標は、移動平均線や一目均衡表、RSI、ADXなど38種類が表示できます。

CFDの原油取引とは

CFDの原油にはWTI原油とブレント原油があります。

WTI(West Texas Intermediate)原油は、米国産の原油のことです。WTI原油スポットともいいます。スポットとは、1回限りの取引のことでスポット価格は1回限りの取引の際の価格のことをいいます。

WTI原油先物は、WTI原油の先物取引商品の総称で一般的にWTI原油先物価格は期近の価格を指します。また、WTI原油先物のチャートは、期近の価格をつなぎ合わせたものです。

ブレント原油とは、イギリスのブレント油田で算出される原油のことです。英語ではBrent Crudeといいます。

ブレント原油先物は、ブレント原油の先物取引商品の総称で一般的にブレント原油先物価格は期近の価格を指します。また、ブレント原油先物のチャートは、期近の価格をつなぎ合わせたものです。

下の図は、WTI原油とブレント原油の価格をチャートに表示したものです。WTI原油とブレント原油とはほぼ同じような値動きをしていることがわかります。


原油相場の変動要因には次のようなケースがあります。

▼産油国の生産量

産油国の生産量が減ると先高感から原油相場は上昇します。一方、生産量が増えると先安感から原油相場は下降します。

▼アメリカの株式相場

アメリカの株式相場が上昇すると景気が拡大し原油の消費が拡大されるため、原油相場は上昇します。株式相場が下降すると景気が後退し原油の消費が縮小されるため、原油相場は下降します。

▼原油在庫

原油の在庫が減ると原油への需要が拡大するため原油相場は上昇します。在庫が増えると原油への需要が縮小するため原油相場は下降します。

▼自動車の販売数

自動車の販売数が増えると原油への需要が拡大するため原油相場は上昇します。販売数が減ると原油への需要が縮小するため原油相場は下降します。

CFDの株価指数と為替との関係

CFDの株価指数には、日経平均株価(日経225)指数やS&P500種株価指数、イギリス100種株価指数などがあります。

これらの株価指数の値動きと為替レートの値動きは連動している場合が多いようです。CFDの株価指数を売買する際に為替レートの値動きも併せてチェックすることにより新たなエントリーポイントを見つけられることもあります。

ここでは、主な株価指数と同じような値動きをする通貨ペアを紹介します。

▼オーストラリア200種株価指数

オーストラリア200種株価指数と同じような値動きをする通貨ぺアはAUD/JPYです。オーストラリアドルは資源国通貨の1つで、米ドルやユーロなどとは異なる値動きをすることが多い通貨です。


上の図は、オーストラリア200種株価指数とAUD/JPYの値動きをチャートに表したものです。

ほぼ同じような値動きをしているのがわかります。しかし、トレンドの転換点が一部異なるところがあります。

例えば、赤色の丸で囲んだ部分は下降トレンドが始まっています。また、緑色の丸で囲んだ部分は上昇トレンドが始まっています。いずれの場合もオーストラリア200種株価指数のほうがAUD/JPYよりも早くトレンドの出現していることがわかります。一方、青色の丸で囲んだ部分ではAUD/JPYのほうがオーストラリア200種株価指数よりも早く下降トレンドの出現していることがわかります。

▼イギリス100種株価指数

イギリス100種株価指数と同じような値動きをする通貨ペアはGBP/EURです。


上の図は、イギリス100種株価指数とGBP/EURの値動きをチャートに表したものです。

赤色、緑色、青色の丸で囲んだ部分は、トレンドの転換点になっています。いずれもイギリス100種株価指数のほうがGBP/EURよりも早く転換点の出現していることがわかります。このことから、イギリス100種株価指数のトレンドの転換を確認してからGBP/EURをエントリーすることもできます。ただし2012年以降は、ユーロ安の影響で英ポンドが続いているため必ずしも同じような値動きをしていません。ピンク色の四角で囲んだ部分です。

▼ナスダック100株価指数

ナスダック100株価指数には、IT企業を中心とした高成長の企業が多く含まれています。そのため、長期間にわたって上昇トレンドを形成しています。ナスダック100株価指数と似た値動きする通貨ぺアは見当たりません。しかし、ドイツ30種株価指数とは同じような値動きをしています。ドイツは2010年に3.7%、2011年に3%の経済成長率で、2012年7月現在、のユーロ危機の中にあっても輸出入額が増加しています。特にユーロ安はドイツの輸出産業の追い風になっているようです。


上の図は、ナスダック100株価指数とドイツ30種株価指数の値動きをチャートに表したものです。

これら2つの指標の共通点は成長率にありますが、他に大きな共通点はありません。そのため、2012年以降は異なる値動きをする可能性があります。

CFDの取引時間

CFDの取引時間は商品内容や取引国によりさまざまです。

一般的には、金や原油といったコモディティ、日本やアメリカ合衆国などの株価指数などはほぼ24時間の取引が可能です。

一方、各国の株式や日米を除く株価指数などはその国のビジネスタイムに取引されることが多いようです。

次の表は、2012年7月現在のCFDで取り扱われる商品の取引時間をまとめたものです。なお、CFD業者によって多少取引時間の異なる場合があります。

▼コモディティ

コモディティ 夏時間 冬時間
金、銀、銅、プラチナ、パラジウム、WTI原油、天然ガス、ヒーティングオイル 7:00~6:00 8:00~7:00
ブレント原油、軽油 9:00~7:00 9:00~7:00
CO2排出 15:00~1:00 16:00~2:00
シカゴトウモロコシ、シカゴ小麦、シカゴ大豆、シカゴ大豆油 8:00~5:00 9:00~6:00
NYコーヒー 16:30~3:00 17:30~4:00
NY砂糖 14:30~3:00 15:30~4:00
NYココア 17:00~3:00 18:00~4:00
オレンジジュース 21:00~3:00 22:00~4:00
NY綿花 10:00~3:30 11:00~4:30
ロンドン小麦 17:25~1:28 18:25~2:28
ロンドンコーヒー 17:00~1:30 18:00~2:30
ロンドン砂糖 17:45~3:30 18:45~4:30
ロンドンココア 17:30~0:50 18:30~1:50

▼株式

株式 夏時間 冬時間
日本株 9:00~11:30

12:30~15:00
9:00~11:30

12:30~15:00
香港株 10:30~13:00

14:30~17:00
10:30~13:00

14:30~17:00
フランス株

ドイツ株

イギリス株
16:00~0:30 17:00~1:30
スイス株 16:00~0:20 17:00~1:20
アメリカ株 22:30~5:00 23:30~6:00

▼株価指数

株式指数 夏時間 冬時間
日本 8:45~15:25

16:30~5:15
8:45~15:25

16:30~6:15
香港 10:15~13:00

14:30~17:15
10:15~13:00

14:30~17:15
中国 10:15~16:25 10:15~16:25
インド 10:00~19:10

20:15~2:30
10:00~19:10

20:15~2:30
オーストラリア 8:50~15:30

16:10~6:00
7:50~14:30

15:10~6:00
ユーロ

フランス

ドイツ

スイス
15:00~5:00 16:00~6:00
イタリア 16:00~0:40 17:00~1:40
ポルトガル 16:15~0:40 17:15~1:40
スペイン 16:00~0:35 17:00~1:35
スウェーデン 16:00~0:25 17:00~1:25
ノルウェー 16:15~0:20 17:15~1:20
カナダ 22:30~5:15 23:30~6:15
イギリス 16:00~3:00 17:00~4:00
アメリカ 7:00~5:15

5:30~6:30
8:00~6:15

6:30~7:30

▼債券

債券 夏時間 冬時間
アメリカ 7:30~6:00 8:30~7:00
日本 9:00~18:10

19:30~1:00
9:00~18:10

19:30~1:00

CFDの株式取引での手数料と損益の計算方法

CFDでの取引手数料は、コモディティや株価指数、債券などでは無料のところが多く、株式では有料のところが多いようです。

ここでは、CFDの株式売買をした際の手数料を含めた損益の計算方法を紹介します。

株式売買の手数料はCFD業者により異なりますが、一般的には約定代金に対する割合を手数料とする場合と、1株に対する割合を手数料とする場合の2通りに分けられます。

▼約定代金に対する割合を手数料とする場合

取引手数料は、約定金額に取引手数料率を掛け合わせた金額になります。

取引手数料=約定金額×取引手数料率

例えば、2000円で10株を買い建てして、2500円で決済した場合の手数料、および、損益の計算式は次のようになります。ここでは取引手数料率を0.1575%とします。

買い建て時の手数料は31.5円、決済時の手数料は39.375円になります。

買い建て時の手数料=2000円×10株×0.1575%=31.5円

決済時の手数料=2500円×10株×0.1575%=39.375円

この取引での損益は、利益額から手数料を差し引いた金額になります。

損益=(2500円-2000円)×10株-(31.5円+39.375円)=4929.125円

利益は、4929.125円になります。

▼1株に対する割合を手数料とする場合

取引手数料は、取引手数料に約定した株数を掛け合わせた金額になります。

取引手数料=取引手数料×約定株数

例えば、30ドルで20株を買い建てして、35ドルで決済した場合の手数料、および、損益の計算式は次のようになります。なお、ここでは取引手数料は1株あたり0.021ドルとし、買い建て時の米ドル円を80円、決済時の米ドル円を80.5円とします。

買い建て時の手数料は33.6円、決済時の手数料は円になります。

買い建て時の手数料=0.021ドル×20×80円=33.6円

決済時の手数料=0.021ドル×20×80.5円=33.81円

この取引での損益は、利益額から手数料を差し引いた金額になります。

損益=(35ドル×20株×80.5円)-(30ドル×20株×80円)-(33.6円+33.81円)
=8350円-67.41円
=8282.59円

CFDの口座開設の方法

CFDの取引を行うには、CFD業者の口座を開設する必要があります。

ここでは、口座開設までの手続きの方法について解説します。

ほとんどのCFD業者では、Webサイトから口座開設の手続きができます。

まず、口座開設したいCFD業者のWebサイトにアクセスして口座開設のページを開きます。

口座開設フォームが表示されますので、名前や住所などの個人情報を入力します。年収や収入の形態、金融資産額などの入力欄があれば、それらについても入力します。なお、年収が0円、金融資産も0円のような場合には口座開設できない場合があります。

内部者情報の入力欄では、内部者に該当する場合にはその内容を入力します。内部者とは、上場企業の役員や主要株主、その親族などのことです。

次に、CFD業者との契約を締結するにあたっての取引約款や、CFD取引に関する書面を読むように促されます。ほとんどの場合は、「○○の書面を読んで理解しました。」の文にチェックボックスが付いているので、チェックを入れます。なお、書面には必ず目を通すようにしてください。もし疑問に思った文面があれば開設前にサポートデスクに電話するなどして確認をしてください。

この他に、反社会的勢力ではないことの確約に関する同意を求められる場合があります。ちなみに、虚偽の申告をすると取引停止や口座解約などの措置が執られることがあります。

口座開設フォームへの入力が終わると、本人確認書類をCFD業者へ送付します。送付の手段は、電子メール、FAX、郵送などが挙げられます。

本人確認書類は次のものが挙げられます。
  • 運転免許証
  • 健康保険証
  • 住民基本台帳カード
  • 住民票の写し
  • 印鑑登録証明書
  • 外国人登録証明書

口座開設までの日数を短縮したい場合には、携帯電話のカメラやデジタルカメラなどで運転免許証を撮影して電子メールで送付するとよいでしょう。

本人確認書類の送付が完了すると、受付をした旨の電子メールが送られてきます。その後、CFD業者による審査を経て口座開設の手続きが執られます。

CFDで欧州の株式取引をするには

CFDで欧州の株式取引をするには、欧州株を取り扱っているCFD業者と取引を行います。

欧州株を扱っているのは、ひまわり証券CMC Markets JapanGCIフィナンシャルIGマーケッツ証券の4業者です。

株式売買が可能な国は、オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イギリス、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイスなどです。

欧州の株式売買を行う時に注意する点は、ユーロ通貨の動向です。ドイツやフランスなどの株式を売買する際には決済通貨としてユーロ/円が用いられます。そのため、円高ユーロ安の時に買って、円安ユーロ高の時に売れば為替差益も得ることができます。

ここではひまわり証券のCFDでドイツのフォルクスワーゲンの株式の売買を行ってみます。

まず、ひまわり証券の取引画面から「銘柄カタログ」を選びます。ひまわり証券で取引できる銘柄はすべてこの銘柄カタログに登録されています。

次に、「CFD-株式」、「CFD-ヨーロッパ」、「CFDドイツ株」、「CFDドイツ株その他」を選びます。この中の「Volkswagen AG」をクリックして「ストリーミングチャート」を選びます。


フォルクスワーゲンのチャートが表示されます。


売買のエントリーポイントになったら、「Volkswagen AG」をクリックして「注文チケット」を選びます。

注文方法、株数を確認して「売り」、または、「買い」のボタンをクリックします。画面下側には証拠金率や証拠金額などが表示されます。

証拠金額の計算方法は、

価格×株数×20%×EUR/JPYレート

になります。

今回の例では価格は128.330、株数は100、EUR/JPYレートは94.566円なので、証拠金額は242713円になります。

証拠金額=128.330×100株×20%×94.566円=242713円


取引が成立すると、注文画面に「成立」の文字が表示されます。


保有ポジションを決済するには、画面下側の「ポジション」のボタンをクリックします。


保有ポジションの一覧が表示されますので、決済したい銘柄をクリックして、「決済する」を選びます。