2012年8月25日土曜日

FXやCFDで相場のトレンドが継続するかどうかを調べるには

FXやCFDで相場のトレンドが継続するかどうかを調べるにはいくつかの方法があります。

ここでは、テクニカル指標のボリンジャーバンドとボラティリティを使って相場のトレンドが継続するかどうかを調べてみます。

ちなみにボリンジャーバンドの±1σの範囲内に収まる確率はおよそ68.3%です。31.7%は±1σの範囲内には収まりません。つまり、どのような時に±1σの範囲内に収まってどのような時に±1σの範囲内に収まらないのかを判断できれば、相場のトレンドが継続するかどうかがわかります。


上の図は、S&P500株価指数のチャートにボリンジャーバンドを描画したものです。ボリンジャーバンドの上下のラインは±1σです。下の画面にはトレンドの判断としてボラティリティを描画しています。

上の図の赤色の四角で囲んだAからFまでの部分は、終値がボリンジャーバンドの+1σを突き抜けた地点になります。

ボリンジャーバンドでは、一般的には±1σの範囲内に収まる確率が68.3%なので、+1σを突き抜けた地点は売りのエントリーポイントになります。しかし、トレンドが発生すると+1σを突き抜けたまま推移することがあります。

それでは、それぞれの地点でのトレンドの継続について調べてみます。

▼Aの地点
Aの地点はボラティリティが高いため一時的な上昇と判断します。よってトレンドは発生していません。

▼Bの地点
ここもAの地点と同じで一時的な上昇と判断します。よってトレンドは発生していません。

▼Cの地点
Aの地点、Bの地点と比べてボラティリティが低くトレンドの発生地点と考えられます。

▼Dの地点
トレンドの発生後に初めて押し目が出現し、その後に+1σを突き抜けました。ボラティリティが大きく上昇していないためトレンドは継続していると判断します。

▼Eの地点
Dの地点と同じでボラティリティが大きく上昇していないためトレンドは継続していると判断します。

▼Fの地点
Dの地点、Eの地点と同じでボラティリティが大きく上昇していないためトレンドは継続していると判断します。しかし、この地点での買いのエントリーは結果として失敗します。

▼青色の四角で囲んだ地点
-1σを割り込んだので、トレンド継続の終了と判断します。

FXやCFDのサポートラインとレジスタンスラインのパターン

FXやCFDでのサポートラインとは、相場の下値を支える線のことで、支持線ともいいます。また、レジスタンスラインとは、相場の上値を押える線のことで、抵抗線ともいいます。

FXやCFDでのサポートラインとレジスタンスラインは、一般的には水平線で描画されることが多く、サポートラインを割り込んだブレイクアウトは売りのエントリーポイント、レジスタンスラインを突き抜けたブレイクアウトは買いのエントリーポイントになります。


サポートラインとレジスタンスラインは必ずしも水平線で平行であるとは限りません。平行でないということは、収束か発散かのいずれかで価格が推移することになります。これを三角保合(さんかくもちあい)といいます。

以下はサポートラインとレジスタンスラインによる三角保合のパターンです。

▼フラッグ型
下の図は、フラッグ型と呼ばれるサポートラインとレジスタンスラインのパターンです。レジスタンスラインを突き抜けると下降トレンドを脱して上昇トレンドへ転換します。また、サポートラインを割り込んだ場合には、大きく値を下げます。


▼ペナント型
下の図は、ペナント型と呼ばれるサポートラインとレジスタンスラインのパターンです。サポートラインとレジスタンスラインとの幅がだんだん小さくなっていくのが特徴です。ペナント型では、レジスタンスラインを突き抜けると上昇トレンド、サポートラインを割り込むと下降トレンドが始まります。なお、サポートラインとレジスタンスラインとの幅がだんだん大きくなるパターンを逆ペナント型といいます。


▼下降トライアングル型
下の図は、下降トライアングル型と呼ばれるサポートラインとレジスタンスラインのパターンです。サポートラインは水平線ですが、レジスタンスラインは下降線です。下降トライアングル型では、下値を支えつつも上値がどんどん切り下がっていきます。このパターンではレジスタンスラインを突き抜ける可能性は低く、下値を模索しながら推移します。


▼上昇トライアングル型
下の図は、上昇トライアングル型と呼ばれるサポートラインとレジスタンスラインのパターンです。レジスタンスラインは水平線ですが、サポートラインは上昇線です。上昇トライアングル型では、上値を押えられながらも下値がどんどん切り上がっていきます。このパターンではサポートラインを割り込む可能性は低く、上値を模索しながら推移します。

FXやCFDのホッペンシュテット方式とは

FXやCFDのホッペンシュテット方式とは、ポイントアンドフィギュアでトレンドラインを引く方法のことです。ホッペンシュテット方式は考案者のシュリッカーの名をとって、シュリッカー方式ともいいます。

ホッペンシュテット方式では、5つのトレンドラインを描画します。


▼メイントレンドライン
メイントレンドラインは、下降トレンドの時にはトレンドを形成している2か所の高値を直線で結びます。また、上昇トレンドの時にはトレンドを形成している2か所の安値を直線で結びます。上の図の赤色の直線になります。

▼サブトレンドライン
サブトレンドラインは、下降トレンドの時にはトレンドを形成している2か所の安値を直線で結びます。また、上昇トレンドの時にはトレンドを形成している2か所の高値を直線で結びます。上の図の青色の直線になります。

▼インターナルトレンドライン
インターナルトレンドラインは、メイントレンドラインとサブトレンドラインの幅が広い場合に、メイントレンドラインとサブトレンドラインの間にメイントレンドラインに平行に描画するものです。インターナルトレンドラインは、メイントレンドラインと同様にトレンドを形成している2か所を直線で結びます。上の図のオレンジ色の直線になります。

▼アクセラレーティッドトレンドライン
メイントレンドラインが上昇トレンドの場合には、メイントレンドラインよりも大きく上昇した局面で描画する直線のことです。アクセラレーティッドトレンドラインは、大きく上昇した局面の安値ラインと高値ラインの2本の線を描画します。メイントレンドラインが下降トレンドの場合には、メイントレンドラインよりも大きく下降した局面で描画する直線のことです。アクセラレーティッドトレンドラインは、大きく下降した局面の安値ラインと高値ラインの2本の線を描画します。上の図の黄色の直線になります。

▼インターミディエートトレンドライン
アクセラレーティッドトレンドラインと逆のラインになります。メイントレンドラインが上昇トレンドの場合には、大きく下降した局面で描画する直線です。インターミディエートトレンドラインは、大きく下降した局面の安値ラインと高値ラインの2本の線を描画します。メイントレンドラインが下降トレンドの場合には、大きく上昇した局面で描画する直線です。インターミディエートトレンドラインは、大きく上昇した局面の安値ラインと高値ラインの2本の線を描画します。上の図の緑色の直線になります。

株式やFX、CFDの高値圏、安値圏でのチャートパターン

株式やFX、CFDの高値圏、安値圏で形成するチャートにはいくつかのパターンがあります。

ここではそれらのパターンについて紹介します。

▼Vトップ、Vボトム
Vトップは高値圏に出現し、「V」の字を逆にしたように推移します。また、Vボトムは安値圏に出現し、「V」の字のように推移します。VトップもVボトムも一般的によく出現するパターンです。


上の図の赤色の線がVトップ、青色の線がVボトムです。

▼ライントップ、ラインボトム
ライントップは高値圏に出現し、高値圏で一定期間レンジで推移した後に下降するパターンです。また、ラインボトムは安値圏に出現し、安値圏で一定期間レンジで推移した後に上昇するパターンです。


上の図の赤色の線がライントップです。

▼ソーサートップ、ソーサーボトム
ソーサートップは高値圏に出現し、ゆるやかに高値圏に到達してその後にゆるやかに下降するパターンです。また、ソーサーボトムは安値圏に出現し、ゆるやかに安値圏に到達してその後にゆるやかに上昇するパターンです。


上の図の赤色の線がソーサーボトムです。

▼ダブルトップ、ダブルボトム
ダブルトップは高値圏に出現し、「W」の字を逆にしたように推移します。また、ダブルボトムは安値圏に出現し、「W」の字のように推移します。


上の図の赤色の線がダブルボトムです。

▼ヘッドアンドショルダートップ、ヘッドアンドショルダーボトム
ヘッドアンドショルダートップは高値圏に出現し、3つの高値のうちの真ん中の高値が最高値のパターンです。日本では三尊天井といいます。また、ヘッドアンドショルダーボトムは安値圏に出現し、3つの安値のうちの真ん中の安値が最安値のパターンです。日本では逆三尊といいます。


上の図の赤色の線がヘッドアンドショルダートップです。

株式やFX、CFDのギャップとは

株式やFX、CFDのギャップとは、ローソク足などのチャートにおいて、前日の高値と当日の安値が乖離した状態のことです。罫線では窓を空けた状態のことを指します。

ギャップは、その出現パターンによって今後の相場の予測ができることがあります。ここではギャップの出現パターンをいくつか紹介します。

▼ブレイクアウェイギャップ
ブレイクアウェイギャップ(Breakaway gap)は、サポートラインやレジスタンスラインをブレイクアウトした時に形成されるギャップのことです。ブレイクアウェイギャップの出現によりレンジの推移が終わり、新たなトレンドが始まります。


▼ランナウェイギャップ
ランナウェイギャップ(Runaway gap)は、上昇トレンド、あるいは、下降トレンド中に形成されるギャップのことです。ランナウェイギャップの出現はトレンドが継続していることを明示しています。よって、このままトレンドに乗って相場が推移します。もし、ギャップを埋めるように逆行するチャートが出現した時はトレンドが転換する場合があります。


▼イグゾーションギャップ
イグゾーションギャップ(Exhaustion gap)は、上昇トレンド、あるいは、下降トレンドの終了局面に形成されるギャップのことです。イグゾーションギャップとランナウェイギャップを区別することは困難で、その後の相場の動きから判断することが多いようです。しかし、イグゾーションギャップの方がランナウェイギャップよりも大きく上昇、あるいは、下降することが多いようです。


▼コモンギャップ
コモンギャップ(Common gap)は、よく見かける一般的なギャップで、相場の閑散した時などにわずかな出来高で形成されることが多いようです。コモンギャップは、今後の相場を予測することはできません。

FXやCFDのチャートクラフト方式とは

FXやCFDのチャートクラフト方式とは、ポイントアンドフィギュアでトレンドラインを引く方法のことです。チャートクラフト方式は考案者のコーエンの名をとって、コーエン方式ともいいます。

チャートクラフト方式では、4つのトレンドラインを描画します。


▼強気支持線
強気支持線は、強気シグナルの行の左側の行の最安値から45度右上に引いた線のことです。ポイントアンドフィギュアにおけるサポートラインになります。上の図の白色の下矢印(↓)が強気シグナルの行で、赤色の線が強気支持線になります。

▼強気抵抗線
強気抵抗線は、強気シグナルの行の最上部(白色の下矢印の直下)から左側へ移動して初めてぶつかった弱気行の右側にある強気行の高値から45度右上に引いた線のことです。ポイントアンドフィギュアにおけるレジスタンスラインになります。上の図の青色の線が強気抵抗線になります。

▼弱気支持線
弱気支持線は、弱気シグナルの行の最下部(白色の上矢印の真上)から左側へ移動して初めてぶつかった強気行の右側にある強気行の安値から45度右下に引いた線のことです。ポイントアンドフィギュアにおけるサポートラインになります。上の図の緑色の線が弱気支持線になります。

▼弱気抵抗線
弱気抵抗線は、弱気シグナルの行の左側の行の最高値から45度右下に引いた線のことです。ポイントアンドフィギュアにおけるレジスタンスラインになります。上の図の白色の上矢印(↑)が弱気シグナルの行で、黄色の線が強気支持線になります。

株式やFX、CFDの三角方式とは

株式やFX、CFDの三角方式とは、相場のトレンドから目標価格を予測する手法のことです。

三角方式では、上昇トレンドの終了が確認されて下降トレンドへ転換した時点での下値目標価格を予測します。あるいは、下降トレンドの終了が確認されて上昇トレンドへ転換した時点での上値目標価格を予測します。よって、トレンドが継続している間は三角方式が使用できません。


三角方式はまず、トレンドの起点と終点を直線で結びます。これを陰陽中心線といいます。上の図の赤色の線、および、青色の線が陰陽中心線です。

次に、陰陽中心線の終点から45度の方向へ前途支持中心線を引きます。前途支持中心線は、下降トレンドの場合には上へ、上昇トレンドの場合には下へ引きます。上の図の赤色の点線、および、青色の点線が前途支持中心線です。

そして、前途支持中心線から陰陽中心線まで30度の方向へチャートポイントを通るように直線を引きます。上の図のオレンジ色の線、および、水色の線です。チャートポイントは、上の図では赤色の丸印、および、青色の丸印です。ちなみにチャートポイントの数は、チャートの形によって異なりますが、チャートポイントの数だけ直線を引きます。

前途支持中心線とオレンジ色の線、あるいは、水色の線との交点が目標価格になります。

下降トレンドから上昇トレンドへ転換した場合の目標価格は、価格の安い方から第1目標価格、第2目標価格になります。また、上昇トレンドから下降トレンドへ転換した場合の目標価格は、価格の高い方から第1目標価格、第2目標価格になります。

株式やFX、CFDのエリオット波動とは

株式やFX、CFDのエリオット波動とは、R・N・エリオットの考案したテクニカル理論のことで、1つの相場の動きを表したものです。

下の図は相場の周期をエリオット波動により色分けして分類したものです。


エリオット波動では、1つの相場において、5つの上昇波と3つの下降波の合計8つの波動で形成されるとしています。ちなみに、1、5、3の数はフィボナッチ数です。

また、エリオット波動には、推進波と調整波の2つがあります。推進波は、上昇トレンドにある場合には価格が上昇している局面で、上の図では(1)、(3)、(5)の3か所になります。また、下降トレンドにある場合には価格が下降している局面で、上の図では(a)、(c)の2か所になります。

調整波は、上昇トレンドにある場合には価格が下降している局面で、上の図では(2)、(4)の2か所になります。また、下降トレンドにある場合には価格が上昇している局面で、上の図では(b)の1か所になります。


また、(1)、(3)、(5)の3か所と(a)、(c)の2か所の合計5か所については、それぞれが上昇5波に細分化されるとしています。また、(2)、(4)の2か所と(b)の1か所の合計3か所については、それぞれが下降3波に細分化されるとしています。上の図のピンク色の背景の部分が細分化された推進波で、青色の背景の部分が細分化された調整波になります。

上の図から、推進波の数は21、調整波の数は13で、合計の波の数は34になります。ちなみに、21、13、34の数はフィボナッチ数です。

そしてさらに細分化すると、推進波の数は89、調整波の数は55で、合計の波の数は144になります。ちなみに、89、55、144の数はフィボナッチ数です。

エリオット波動では、(1)、(3)、(5)のうち(1)が最短になることが多いとしています。また、(3)が最短になることはほとんどないとしています。しかし、(3)が(1)よりも短ければ(5)は最も短くなるとしています。このことから、(1)、(3)の動きから(5)の天井圏を予測できる場合があります。

株式やFX、CFDの不規則時系列分析とは

株式やFX、CFDの不規則時系列分析とは、チャートを表示する際にy軸に価格、x軸に時間を取った時にx軸の時間の幅が一定でない分析を行うことです。

一般的なテクニカル指標によるテクニカル分析では、時間足に1時間を設定した場合には、x軸には0時、1時、2時、・・・と規則正しく時間が並べられます。時間足に日足を設定した場合には、x軸には1日、2日、3日、・・・と同じように規則正しく並べられます。

一方、不規則時系列分析では、計算結果が指定した数値に達した場合に限って新たにx軸を右へ移動してチャートを描きます。つまり、計算結果が指定した数値に達しなければ新たなチャートは描かれることはありません。

不規則時系列分析は、わずかな変動、つまり、ノイズを無視することができるため、トレンドの転換点が見つけやすいという特徴があります。

一方、不規則時系列分析では、わずかな変動の連続によりトレンドが転換した場合に検知できない、あるいは、検知の遅れることがあります。

そのため、不規則時系列分析は他のテクニカル指標と併用することが多いようです。

不規則時系列分析には、ポイントアンドフィギュアや新値足、カギ足、練り足(練行足)などが挙げられます。また、出来高をローソク足に反映したエクイボリュームやローソクボリュームなども不規則時系列分析になります。

▼ポイントアンドフィギュア


▼新値足


▼カギ足


▼練り足(練行足)

FXやCFDのスーパートレンドとは

FXやCFDのスーパートレンドとは、価格の値動きからトレンドの方向性を知るテクニカル指標のことです。


上の図は、EUR/USDの1時間足のチャートにスーパートレンドを描画したものです。

上の図のスーパートレンドでは、上昇トレンドと下降トレンドが色分けされています。緑色の線が上昇トレンド、赤色の線が下降トレンドになります。

スーパートレンドでの売買のエントリーポイントは、スーパートレンドの色が赤色から緑色に変わった地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の赤色の丸印の部分になります。また、スーパートレンドの色が緑色から赤色に変わった地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の緑色の丸印の部分になります。

上の図では、時間足に1時間足を用いていました。スーパートレンドでは、1時間足のように、比較的、中長期の時間足の場合にはトレンドの転換点が見つけやすいという特徴があります。

一方、スーパートレンドを1分足や10分足などの比較的短期の時間足で用いると、だましが出現する場合があります。


上の図は、EUR/USDの1分足のチャートにスーパートレンドを描画したものです。

上の図では、スーパートレンドの線の色が頻繁に変わる地点が見つかります。黄色の四角で囲んだ部分です。この部分は、上昇トレンドにおける調整局面になるため、この色が変わった地点のエントリーは損失を招く可能性が高くなります。

そのため、スキャルピングなどの短期トレードを行う際には、1時間足などの中長期のスーパートレンドのトレンドを確認した上で1分足のスーパートレンドを見ていくようにするとよいでしょう。具体的には、1時間足が上昇トレンドにある場合、1分足のスーパートレンドが下降トレンドから上昇トレンドに転換した地点を買いのエントリーポイントとする方法が挙げられます。また、1時間足が下降トレンドにある場合、1分足のスーパートレンドが上昇トレンドから下降トレンドに転換した地点を売りのエントリーポイントとする方法が挙げられます。