2012年8月14日火曜日

FXやCFDのシャンデクロールストップとは

FXやCFDのシャンデクロールストップ(Chande Kroll Stop)とは、テクニカル指標のATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)を元にしたテクニカル指標のことです。

シャンデクロールストップは、トレンドフォロー型のテクニカル指標として用いられることが多いようです。そのため、逆張りでの用途はありません。

ATRはボラティリティによって算出されますが、その値による売買のエントリーポイントは特に決められていません。そこで、ATRの値と過去の最高値、および、最安値との関係を数値に表して売買のエントリーポイントを見つけるのがシャンデクロールストップです。


上の図はナスダック100株価指数のチャートにシャンデクロールストップを描画したものです。2本の線が描画されていて、黒色の線をストップショート、赤色の線をトップロングといいます。

シャンデクロールストップでの売買のエントリーポイントは、ローソク足が2本の線を上回った地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。

一方、ローソク足が2本の線を下回った地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の青色の丸で囲んだ部分になります。

また、ストップショートとトップロングの交差した地点も売買のエントリーポイントになります。上の図では、オレンジ色と緑色の丸で囲んだ部分においてトップロングをストップショートが下から上へ突き抜けています。この2つのケースでは、直前に買いのエントリーポイント、売りのエントリーポイントが出現しています。


上の図はプラチナ先物のチャートにシャンデクロールストップを描画したものです。

赤色の丸で囲んだ部分が買いのエントリーポイント、青色の丸で囲んだ部分が売りのエントリーポイントになります。しかし、その後に2本の線が交わっていません。そのためか、売買のエントリーが失敗に終わっています。いわゆる「だまし」と呼ばれるもので、2本の線を突き抜けただけではトレンドが発生したとは言い切れません。

よって、ローソク足が2本の線を突き抜けて、かつ、2本の線が交わった地点が本格的なトレンドの始まりで、売買のエントリーポイントになります。

FXやCFDのエルダー線とは

FXやCFDのエルダー線とは、ブルパワーとベアパワーの2本の線のことです。Elder Ray(エルダーレイ)ともいいます。


エルダー線のうち、ブルパワーの線は、高値と指数平滑移動平均との乖離率をグラフに表したものです。また、ベアパワーの線は、安値と指数平滑移動平均との乖離率をグラフに表したものです。

ブルパワーの線が0以下の地点では中立の立場になり、0以上の地点が買いのエントリーポイントです。また、ベアパワーの線が0以上の地点では中立の立場になり、0以下の地点が売りのエントリーポイントです。

エルダー線を逆張りで用いる場合には、ちょうど50%を超えた地点と-50%を割り込んだ2つの地点が売買のエントリーポイントになります。


上の図は、日経平均株価(日経225)のチャートにエルダー線を描画したものです。

2本の線のうち、上がブルパワーの線、下がベアパワーの線です。

青色の丸で囲んだ部分(2か所)では、ブルパワーの値が50%を超えています。この2つの地点が売りのエントリーポイントです。また、赤色の丸で囲んだ部分では、ベアパワーのの値が-50%を割り込んでいます。この地点は買いのエントリーポイントにあたります。

エルダー線を順張りで用いる場合には、ブルパワーの値がマイナスからプラスへ転じた時点が買いのエントリーポイントにあたります。上の図のオレンジ色の丸で囲んだ部分です。一方、ベアパワーの値がプラスからマイナスへ転じた時点が売りのエントリーポイントにあたります。上の図の緑色の丸で囲んだ部分です。

なお、銘柄や時間足によって売買のエントリーポイントの基準は変わります。上の図では±50%が基準になりますが、他の銘柄では±100%、±200%の場合があります。

FXやCFDの標準偏差チャネルとは

FXやCFDの標準偏差チャネルとは、線形回帰線から一定の標準偏差分を乖離した直線のことです。

標準偏差チャネルは、線形回帰線からプラスに乖離した直線と、マイナスに乖離した直線の2本の線を描画します。

下の図は、プラチナ先物のチャートに標準偏差チャネルを描画したものです。


チャート画面の上方にある黒色の線がレジスタンスライン、下方にある黒色の線がサポートラインです。

標準偏差チャネルでの売買のエントリーポイントは、ローソク足がレジスタンスラインとサポートラインを交差した地点です。

ローソク足がサポートラインを割り込んだ地点が売りのエントリーポイントにあたります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分です。また、ローソク足がレジスタンスラインを割り込んだ地点も売りのエントリーポイントにあたります。上の図のオレンジ色の丸で囲んだ部分です。

一方、ローソク足がサポートラインを下から突き抜けた地点が買いのエントリーポイントにあたります。上の図の緑色の丸で囲んだ部分です。また、ローソク足がレジスタンスラインを下から突き抜けた地点も買いのエントリーポイントにあたります。上の図の青色の丸で囲んだ部分です。

FXやCFDのバーチャートとは

FXやCFDのバーチャート(Bar Chart)とは、1日の値動きを直線だけで描画して時系列に並べたものです。

バーチャートの描き方は、まず、高値の地点と安値の地点を縦線で結びます。次に、始値の地点から左側へ横線を引きます。最後に、終値の地点から右側へ横線を引きます。


次の図は、MT4(Meta Trader 4)でバーチャートを描画したものです。


MT4では、バーチャートの色は緑色で表示されますが、値上がりした時と値下がりした時の色を変更することもできます。バーチャートの色は、チャート画面を表示してからF8キーを押してプロパティー画面の上昇バーと下降バーの項目を設定することで変更できます。


次の図は、バーチャートの上昇バーを赤色、下降バーを白色で描画したものです。


バーチャートは、ローソク足に比べてシンプルのため、相場全体の流れを把握しやすいという特徴があります。また、シンプルでありながら始値、高値、安値、終値の4本値が描画されるので、相場の強弱や勢いなども知ることができます。

一方、バーチャートではローソク足にあるような陽線や陰線は描画しません。そのため、バーチャートでは相場の方向性や転換点などを知ることは困難です。

FXやCFDのスキャターとは

FXやCFDのスキャター(Scatter)とは、1日の値動きを点だけで描画して時系列に並べたものです。スキャッターともいいます。

スキャターの描き方は、終値の地点に点を打つだけです。分析ツールによっては、値上がりした場合と値下がりした場合で異なる色の点を打つ場合があります。

次の図は、プラチナ先物の価格をスキャターで描画したものです。価格が上昇した場合には緑色の点、価格が下降した場合には赤色の点を描画しています。

スキャターでは、4本値のうち始値、高値、安値は使用しません。シンプルな描画のため、その日の値幅なども知ることはできません。しかし、点が密集しているか点在しているかで相場の流れを知ることができます。


スキャターでは、点が密集している部分と、点在している部分とに分けられます。点が密集している部分では大きな値動きのないレンジ相場になります。一方、点在している部分ではトレンドの発生している相場になります。

次の図は、銅先物の価格をスキャターで描画したものです。


青色の四角で囲んだ部分はレンジ相場で点が密集しています。一方、赤色の四角で囲んだ部分は上昇トレンドで点が点在しています。

FXやCFDのTRIXとは

FXやCFDのTRIXとは、指数平滑移動平均(EMA、Exponential Moving Average)を元に算出されるオシレーター系のテクニカル指標のことです。Triple Exponential Moving Averageともいいます。

TRIXの計算方法は、まず、ある期間のEMAを求めます。次に、そのEMAのEMAを求めます。そしてさらにそのEMAを求めます。ここでは、最終的に算出したEMAをfEMAとします。

TRIXは、当日のfEMAと前日のfEMAとの騰落比を求めます。

TRIX=(当日のfEMA-前日のfEMA)÷前日のfEMA×100%

次の図は、USD/JPYのチャートにTRIXを描画したものです。


TRIXの値は-100%から100%までの間で推移します。そして、TRIXでの売買のエントリーポイントは、TRIXの値がマイナスからプラスへ転じた地点になります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分です。また、TRIXの値がプラスからマイナスへ転じた地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の青色の丸で囲んだ部分です。

次の図は、アップルコンピュータの日足チャートにTRIXを描画したものです。日足チャートの赤い線は指数平滑移動平均線です。指数平滑移動平均線だけでは売買のエントリーポイントの判断は困難ですが、TRIXでは売買のエントリーポイントの判断が可能なことがわかります。


次の図は、NASDAQ100株価指数のチャートにTRIXを描画したものです。時間足は1分に設定しています。TRIXでは、銘柄や時間足によっては大きく変動しないことがあります。そのため、売買のエントリーポイントを見つけづらい銘柄もあります。

FXやCFDのTRIXシグナルとは

FXやCFDのTRIXとは、指数平滑移動平均(EMA、Exponential Moving Average)を元に算出されるオシレーター系のテクニカル指標のことです。Triple Exponential Moving Averageともいいます。

TRIXの計算方法は、まず、ある期間のEMAを求めます。次に、そのEMAのEMAを求め、さらにそのEMAを求めます。ここでは、最終的に算出したEMAをfEMAとします。

TRIXは、当日のfEMAと前日のfEMAとの騰落比を求めます。

TRIX=(当日のfEMA-前日のfEMA)÷前日のfEMA×100%

TRIXシグナルは、長期と短期の2本のTRIXを描画したものです。

TRIXでは、マイナスからプラスへ転じた地点を買いのエントリーポイント、プラスからマイナスへ転じた地点を売りのエントリーポイントとしていますが、TRIXシグナルでは、短期のTRIXが長期のTRIXを下から上へ突き抜けた地点が買いのエントリーポイントにあたります。また、短期のTRIXが長期のTRIXを上から下へ割り込んだ地点が売りのエントリーポイントにあたります。


上の図は、EUR/USDのチャートにTRIXシグナルを描画したものです。緑色の水平線がTRIXの0のポイントになります。長期のTRIXは黒色、短期のTRIXは赤色の線です。赤色の線が黒色の線を下から上へ突き抜けた地点が買いのエントリーポイントにあたります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分です。また、赤色の線が黒色の線を上から下へ割り込んだ地点が売りのエントリーポイントにあたります。上の図の青色の丸で囲んだ部分です。

FXやCFDのドンチャンチャネル幅とは

FXやCFDのドンチャンチャネル幅(Donchian Channel Width)とは、ある期間の高値から安値を引いた価格の推移を示すオシレーター系のテクニカル指標のことです。

ドンチャンチャネル幅は、0以上の範囲で推移します。FXやCFDにはさまざまな価格帯の銘柄があるため、決められた数値による売買のエントリーポイントはありません。


上の図は、EUR/USDのチャートにドンチャンチャネル幅を描画したものです。EUR/USDの値幅は0.00001ドルのため、ドンチャンチャネル幅の値は1以上になることはありません。


上の図は、日経平均株価(日経225)のチャートにドンチャンチャネル幅を描画したものです。EUR/USDのドンチャンチャネル幅に比べると、日経平均株価のドンチャンチャネル幅は1,000円以上になることもあり、その差は大きく開いています。

ドンチャンチャネル幅の値が大きくなった時は、価格が大きく上昇しているか、大きく下降しているかのいずれかです。

一方、ドンチャンチャネル幅の値が小さくなった時は、価格が横ばいで推移します。


上の図は、イギリス株価指数のチャートにドンチャンチャネル幅を描画したものです。

赤色の四角で囲んだ部分は価格が大きく下げている地点で、ドンチャンチャネル幅の値が大きくなっています。

また、青色の四角で囲んだ部分は価格が大きく上げている地点で、ここでもドンチャンチャネル幅の値が大きくなっています。

緑色の四角で囲んだ部分は価格が横ばいに推移している地点です。ここではドンチャンチャネル幅の値は小さくなっています。

ちなみに、ある期間の高値と安値の推移を線で描画したものをドンチャンチャネル(Donchian Channel)といいます。

FXやCFDのドンチャンチャネルとは

FXやCFDのドンチャンチャネル(Donchian Channel)とは、ある期間の高値と安値の推移を線で描画したものです。高値の線をハイバンド、安値の線をローバンドということがあります。

例えば、下の表のような3日間の値動きのドンチャンチャネルの値は次のようになります。

日付高値ハイバンド安値ローバンド
8/1379.2179.10
8/1479.3879.22
8/1579.4479.4479.3479.10
8/1679.4379.4479.2579.22
8/1779.4079.4479.2079.20
8/2079.5779.5779.3479.20
8/2179.5479.5779.3879.20


上の図は、銀先物のチャートにドンチャンチャネルを描画したものです。ローソク足の上側の線がハイバンド、下側の線がローバンドです。ドンチャンチャネルは高値と安値の数値をもとに描画しているため、2本の線を突き抜けたり割り込んだりすることはありません。

上の図を見ると、価格が大きく変動している局面ではドンチャンチャネルの幅が大きくなっていることがわかります。一方、価格変動があまりない局面ではドンチャンチャネルの幅が小さくなっていることがわかります。

このことから、ドンチャンチャネルの幅から相場のボラティリティを知ることができます。

FXやCFDのRMIとは

FXやCFDのRMI(Relative Momentum Index)とは、テクニカル指標のモメンタムを用いて、値動き幅から相場の売られ過ぎ、あるいは、買われ過ぎを判断するためのテクニカル指標のことです。

モメンタムの計算式は次の通りです。

モメンタム=当日の終値-n日前の終値

次に、RMIの計算式は次の通りです。

RMI=p÷(p+m)×100%

pは、前日比がプラスのモメンタムの修正移動平均値
mは、前日比がマイナス(または0)のモメンタムの修正移動平均値


上の図は、USD/JPYのチャートにRMIを描画したものです。

RMIでの売買のエントリーポイントは、70%を超えた地点が売りのエントリーポイント、30%を割り込んだ地点が買いのエントリーポイントになります。なお、これは逆張りでのエントリー方法になります。

RMIを順張りで用いる場合には、RMIが70%を割り込んだ地点が売りのエントリーポイント、30%を突き抜けた地点が買いのエントリーポイントになります。