2012年8月16日木曜日

FXやCFDのフィッシャートランスフォームとは

FXやCFDのフィッシャートランスフォーム(Fisher Transform)とは価格の変動からトレンドの転換点を見つけるためのオシレーター系のテクニカル指標です。フィッシャー変換ともいいます。

フィッシャートランスフォームでは、数値が下降している時が下降トレンド、数値が上昇している時が上昇トレンドと判断します。

また、フィッシャートランスフォームの数値が下降から上昇へ転換した地点が下降トレンドから上昇トレンドへの転換点になります。そして、フィッシャートランスフォームの数値が上昇から下降へ転換した地点が上昇トレンドから下降トレンドへの転換点になります。


上の図は、S&P500指数のチャートにフィッシャートランスフォームを描画したものです。

価格の上昇している部分では、フィッシャートランスフォームの値の上昇していることがわかります。赤色の四角で囲んだ部分です。また、価格の下降している部分では、フィッシャートランスフォームの値の下降していることがわかります。青色の四角で囲んだ部分です。


上の図は、アメリカ合衆国の10年国債のチャートにフィッシャートランスフォームを描画したものです。

赤色の四角で囲んだ部分を見ると、ローソク足が大陽線で価格が大きく上昇しています。また、青色の四角で囲んだ部分を見ると、ローソク足が大陰線で価格が大きく下降しています。

また、緑色の四角で囲んだ部分を見ると、陽線が続いて連騰しています。フィッシャートランスフォームも上昇しています。一方、オレンジ色の四角で囲んだ部分を見ると、価格が少しだけ下落していますが、フィッシャートランスフォームでは大きく下降していることがわかります。

このように、価格の変動した分がフィッシャートランスフォームの変動幅にならない場合があるという特徴があります。

FXやCFDのダブル指数移動平均とは

FXやCFDのダブル指数移動平均とは、指数移動平均と指数移動平均の指数移動平均を用いたテクニカル指標のことです。ダブル指数移動平均は2重指数移動平均ともいい、英語では、DEMA、Double Exponential Moving Averageなどといいます。

ダブル指数移動平均は、次の式で求めることができます。

ダブル指数移動平均=指数移動平均×2-指数移動平均の指数移動平均

ダブル指数移動平均は、指数移動平均よりも早く反応するという特徴があります。


上の図は、ドイツのシーメンス株のチャートにダブル指数移動平均と指数移動平均を描画したものです。赤色の線がダブル指数移動平均、青色の線が指数移動平均です。

赤色の四角で囲んだ部分を見ると株価が高値圏にあり、ダブル指数移動平均も指数移動平均も上昇していることがわかります。また、指数移動平均よりもダブル指数移動平均のほうが大きく上に向いていることがわかります。

青色の四角で囲んだ部分を見ると株価が安値圏にあり、ダブル指数移動平均も指数移動平均も下降していることがわかります。また、指数移動平均よりもダブル指数移動平均のほうが大きく下に向いていることがわかります。

ダブル指数移動平均は、指数移動平均と併用して売買のエントリーポイントを見つけることもできます。


上の図は、EUR/USDの1時間足チャートにダブル指数移動平均と指数移動平均を描画したものです。赤色の線がダブル指数移動平均、青色の線が指数移動平均です。

赤色の線が青色の線を下から上へ突き抜けた地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の青色の丸で囲んだ部分です。

また、赤色の線が青色の線を上から下へ突き抜けた地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分です。


上の図は、金先物のチャートにダブル指数移動平均と指数移動平均を描画したものです。EUR/USDのチャートと同じように、ダブル指数移動平均と指数移動平均のそれぞれの線が交差した地点が売買のエントリーポイントになります。

FXやCFDのトリプル指数移動平均とは

FXやCFDのトリプル指数移動平均とは、指数移動平均と指数移動平均の指数移動平均、さらに指数移動平均の指数移動平均の指数移動平均を用いたテクニカル指標のことです。トリプル指数移動平均は3重指数移動平均ともいい、英語では、TEMA、Triple Exponential Moving Averageなどといいます。

トリプル指数移動平均は、次の式で求めることができます。

トリプル指数移動平均=指数移動平均×3-指数移動平均の指数移動平均×3+指数移動平均の指数移動平均の指数移動平均

トリプル指数移動平均は、ダブル指数移動平均や指数移動平均よりも早く反応するという特徴があります。


上の図は、銀先物のチャートにトリプル指数移動平均とダブル指数移動平均、指数移動平均を描画したものです。ピンク色の線がトリプル指数移動平均、赤色の線がダブル指数移動平均、青色の線が指数移動平均です。

トリプル指数移動平均は、ダブル指数移動平均や指数移動平均よりも大きく変動していることがわかります。

トリプル指数移動平均は、ダブル指数移動平均と併用して売買のエントリーポイントを見つけることもできます。


上の図は、WTI原油の10分足チャートにトリプル指数移動平均とダブル指数移動平均を描画したものです。ピンク色の線がトリプル指数移動平均、赤色の線がダブル指数移動平均です。

ピンク色の線が赤色の線を下から上へ突き抜けた地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の緑色の丸で囲んだ部分です。

また、ピンク色の線が赤色の線を上から下へ突き抜けた地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の青色の丸で囲んだ部分です。

FXやCFDの線形回帰とは

FXやCFDの線形回帰とは、価格の散らばりを1つの線にまとめて表したテクニカル指標のことです。線形回帰は統計学などで用いられます。

線形回帰の求め方はいくつかありますが、一般的にはある期間の価格と線との差(残差)の合計が最小になるように線を描きます。


線形回帰では、散らばった価格を1つの線にまとめることによって、相場の方向性を知ることができます。例えば、線形回帰の線が上昇していれば上昇トレンドである可能性が高く、将来も価格の上昇が予測できます。一方、線形回帰の線が下降していれば下降トレンドである可能性が高く、将来も価格の下降が予測できます。


上の図は、GBP/JPYのチャートに線形回帰を描画したものです。

GBP/JPYの価格の上昇とともに線形回帰が上昇し、下降とともに線形回帰が下降しています。また、線形回帰が上昇から下降に転換した地点が下降トレンドへの転換点になります。そして、線形回帰が下降から上昇に転換した地点が上昇トレンドへの転換点になります。

また、価格と線形回帰とが大きく乖離した地点では逆張りにおける売買のエントリーになります。例えば上の図の青色の四角で囲んだ部分では、ローソク足と線形回帰が大きく乖離しています。左側の部分では買いのエントリーポイント、右側の部分では売りのエントリーポイントになります。

FXやCFDの相場のトレンドを知るには

FXやCFDの相場のトレンドは、さまざまなテクニカル指標により知ることができます。

その中でよく用いられる線形回帰トレンドを例に、相場のトレンドを見てみることにします。


上の図は、大豆先物の1時間足に線形回帰トレンドを描画したものです。チャートの推移はゆるやかな上昇トレンドで、線形回帰トレンドの線もゆるやかな右肩上がりの直線を描いています。価格は線形回帰トレンドを中心にして上下に値動きしています。

線形回帰トレンドにおける売買のエントリーポイントの1つとして、線形回帰トレンドと価格との乖離が挙げられます。線形回帰トレンドよりも価格が大きく下げている場合は買いのエントリーポイントにあたります。また、線形回帰トレンドよりも価格が大きく上げている場合は売りのエントリーポイントにあたります。

また、順張りでの買いのエントリーポイントは、上の図の赤色の丸で囲んだ部分のように、線形回帰トレンドが右肩上がりで、かつ、価格が線形回帰トレンドを下から上へ突き抜けた地点です。

一方、順張りでの売りのエントリーポイントは、下の図の赤色の丸で囲んだ部分のように、線形回帰トレンドが右肩下がりで、かつ、価格が線形回帰トレンドを上から下へ割り込んだ地点です。

FXやCFDのトレンドトリガーファクターとは

FXやCFDのトレンドトリガーファクター(TTF、Trend Trigger Factor)とは、相場の圧力を知るためのテクニカル指標のことです。


上の図は、DAX指数(ドイツ株価指数)のチャートにトレンドトリガーファクターを描画したものです。

トレンドトリガーファクターの値は0を中心に推移して、100と-100が売買のエントリーポイントです。

売りのエントリーポイントは、トレンドトリガーファクターの値が100以上から100以下へ下降した地点です。トレンドトリガーファクターではここが買い圧力の低下した地点と判断し、その後は相場が下降すると予測します。上の図の赤色の矢印の部分です。

一方、買いのエントリーポイントは、トレンドトリガーファクターの値が-100以下から-100以上へ上昇した地点です。トレンドトリガーファクターではここが売り圧力の低下した地点と判断し、その後は相場が上昇すると予測します。上の図の緑色の矢印の部分です。

トレンドトリガーファクターの値が0を交差した地点が売買のエントリーポイントになることがあります。

下の図はその例で、USD/JPYのチャートにトレンドトリガーファクターを描画したものです。


赤色の丸で囲んだ部分は、トレンドトリガーファクターの値がプラスからマイナスへ転じた地点で、売りのエントリーポイントにあたります。そして、青色の丸で囲んだ部分は、トレンドトリガーファクターの値がマイナスからプラスへ転じた地点で、売りのエントリーポイントにあたります。

FXやCFDのTSIとは

FXやCFDのTSI(True Strength Index、ツゥルーストレングスインデックス)とは、モメンタムと2つのEMA(Exponential Moving Average、指数平滑移動平均線)により算出したテクニカル指標のことです。

TSIでは、相場の売られ過ぎや買われ過ぎを判断するために用いられます。


上の図は、フランスのHermes(エルメス)社の株価チャートにTSIを描画したものです。株価の上昇とともにTSIの値が上昇し、株価の下降とともにTSIの値が下降していることがわかります。

TSIの売買のエントリーポイントについて、TSIの値が25以上になった地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。また、TSIの値が-25以下になった地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の青色の丸で囲んだ部分になります。これらは逆張りを用いた場合になります。

TSIで順張りを用いた場合のエントリーポイントは、TSIの値が0を交差した地点になります。


上の図は、日経平均株価(日経225)のチャートにTSIを描画したものです。

TSIで順張りを用いる場合、TSIの値がマイナスからプラスへ転換した地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。また、TSIの値がプラスからマイナスへ転換した地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の青色の丸で囲んだ部分になります。

FXやCFDの線形回帰スロープとは

FXやCFDの線形回帰スロープとは、線形回帰の傾きを1本の線で表したテクニカル指標のことです。線形回帰スロープは、Linear Regression Slopeともいいます。

線形回帰スロープの描く線は、オシレーター系のテクニカル指標と同じように0を中心に推移します。線が上昇している間は価格が上昇トレンドにあり、線が下降している間は価格が下降トレンドにあると判断します。


上の図は、EUR/USDのチャートに線形回帰スロープを描画したものです。

線形回帰スロープの線の色が赤色の時が上昇トレンド、青色の時が下降トレンドになります。

線形回帰スロープでの売買のエントリーポイントについて、線形回帰スロープが上昇から下降へ転換した地点が売りのエントリーポイントにあたります。ちょうど上の図の線形回帰スロープが赤色から青色に変わった地点です。また、線形回帰スロープが下降から上昇へ転換した地点が買いのエントリーポイントにあたります。ちょうど上の図の線形回帰スロープが青色から赤色に変わった地点です。

線形回帰スロープでは計算本数が多いほど平滑線になり、トレンドの切り替わりが少なくなり、売買のエントリーポイントの判断がしやすくなります。

短期売買で線形回帰スロープを用いる場合には、上の内容に加えて線形回帰スロープの値が0を交差した地点も売買のエントリーポイントにする方法があります。この方法では、線形回帰スロープの値がプラスからマイナスへ転換、あるいは、マイナスからプラスへ転換した地点を加えます。

次の図は、プラチナ先物のチャートに線形回帰スロープを描画したものです。


売買の流れは次のようになります。

  • A:下降から上昇へ転換したので「買い」
  • B:マイナスからプラスへ転換したので「買い」
  • C:上昇から下降へ転換したのでAとBを決済して、さらに「売り」
  • D:プラスからマイナスへ転換したので「売り」
  • E:下降から上昇へ転換したのでCとDを決済して、さらに「買い」
  • F:マイナスからプラスへ転換したので「買い」
  • G:上昇から下降へ転換したのでEとFを決済して、さらに「売り」
  • H:プラスからマイナスへ転換したので「売り」
  • I:下降から上昇へ転換したのでGとHを決済して、さらに「買い」
  • J:マイナスからプラスへ転換したので「買い」
  • K:上昇から下降へ転換したのでIとJを決済して、さらに「売り」
  • L:プラスからマイナスへ転換したので「売り」
  • M:下降から上昇へ転換したのでKとLを決済して、さらに「買い」

FXやCFDの平均足の差とは

FXやCFDの「平均足の差」とは、前日の平均足の価格と当日の価格との差のことです。

平均足の差は、Information Internet Ltdが開発したソフトウェア「Market Maker」のテクニカル指標に登録されています。

平均足の差のグラフでは、当日の価格が前日の平均足の価格より大きく変動した時に大きく上下にぶれます。


上の図は、金先物の平均足チャートに平均足の差を描画したものです。

平均足の差からわかることは、大きく上下にぶれた後は0に向かって収束することが多いことです。つまり、上の図の赤色の丸で囲んだ部分のように、大きくぶれた後はしばらくの間はその価格帯付近で推移します。

平均足は、ローソク足よりもトレンドの判別がしやすいという特徴があります。トレンドの転換点も比較的わかりやすいとされます。平均足の差を用いると、トレンドの転換点がよりわかりやすくなります。

下の図がその例です。


上の図は、GBP/JPYの平均足チャートに平均足の差を描画したものです。

赤色の四角で囲んだ部分は下降トレンドを表しています。下降トレンドの転換点は、赤色の丸で囲んだ部分のように平均足の差の値がマイナスからプラスへ転じた地点です。

青色の四角で囲んだ部分は上昇トレンドを表しています。上昇トレンドの転換点は、青色の丸で囲んだ部分のように平均足の差の値がプラスからマイナスへ転じた地点です。

FXやCFDの瞬間トレンドとは

FXやCFDの瞬間トレンド(Instantaneous Trend Line)とは、価格の値動きから2本のトレンドラインを描画することで相場の方向性を判断するテクニカル指標のことです。

瞬間トレンドでは、2本のトレンドラインを描画します。


上の図は、USD/JPYのチャート画面に瞬間トレンドを描画したものです。

画面下が瞬間トレンドの描画エリアです。そして、青色の線が短期線、赤色の線が長期線です。

瞬間トレンドにおける売買のエントリーポイントは、短期線が長期線を下から上へ突き抜けた地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。

また、短期線が長期線を上から下へ割り込んだ地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の青色の丸で囲んだ部分になります。


上の図は、EUR/USDのチャート画面に瞬間トレンドを描画したものです。時間足は1分足に設定しています。

瞬間トレンドでは、時間足が短いと短期線と長期線がよく交差します。上の図でも短時間に何回も交差していることがわかります。このようなケースでの瞬間トレンドの使い方として、トレンド中での押し目買いが挙げられます。

上の図は途中までゆるやかな上昇トレンドで推移しています。この時、短期線(青色の線)が長期線(赤色の線)を上から下へ割り込んだ地点が押し目買いのポイントになります。赤色の丸で囲んだ部分になります。

同じように、下降トレンドでの戻り売りのポイントも瞬間トレンドで見つけることができます。


上の図は、EUR/USDのチャート画面に瞬間トレンドを描画したものです。時間足は1分足に設定しています。

上の図は途中までゆるやかな下降トレンドで推移しています。この時、短期線(青色の線)が長期線(赤色の線)を下から上へ突き抜けた地点が戻り売りのポイントになります。赤色の丸で囲んだ部分になります。