2012年8月31日金曜日

株式やFX、CFDの3段高下論とは

株式やFX、CFDの3段高下論(三段高下論)とは、相場の推移は3段の上げと3段の下げからなるという考えのことです。3段高下論は3段高下法則(三段高下法則)ともいいます。


3段高下論では、1段上げの後に少し下げて、2段上げの後にまた少し下げて、3段上げが完成するとしています。上の図では、(1)が1段上げ、(3)が2段上げ、(5)が3段上げになります。また、少し下げる局面は(2)と(4)になります。

なお、(2)と(4)では、(2)のほうが大きく下げることが多いとされます。(2)は(1)の半値押しあたりで、押し目買いのエントリーポイントになります。また、(4)は(3)の3分の1押しあたりで、ここも押し目買いのエントリーポイントになります。

(5)で天井をつけた後は、3段下げになります。3段下げでは、1段下げの後に少し上げて、2段下げの後にまた少し上げて、3段下げが完成するとしています。上の図では、(6)が1段下げ、(8)が2段下げ、(10)が3段下げになります。また、少し上げる局面は(7)と(9)になります。

なお、(7)と(9)では、(7)のほうが大きく上げることが多いとされます。(7)は(6)の半値戻しあたりで、戻り売りのエントリーポイントになります。また、(9)は(8)の3分の1戻しあたりで、ここも戻り売りのエントリーポイントになります。

3段高下論は、過去の経験則によるところが多く、すべての銘柄の相場に当てはまるとは限りません。


上の図は、EUR/USDのチャートです。赤色の丸印の地点で始まる3段上げは、青色の丸印の地点では3分の1押し、黄色の丸印の地点では3分の2押しになっています。押し目の地点が3段高下論とは異なっていますが、その後、緑色の丸印の地点で3段上げを形成しています。


上の図は、USD/JPYのチャートです。赤色の丸印の左端から始まる下げ局面は、3段高下論では黄色の丸印の地点が終了地点になりますが、その後も下げ続けて青色の丸印の地点まで下げています。この下げ局面は3段下げではなく、5段下げになっています。

また、直前の赤色の丸印の地点を抜けた時点で、青色の丸印からの上昇局面の始まりと考えられますが、その後に上昇することなく再び下げ局面へ突入しています。

株式やFX、CFDのハッチの10%法とは

株式やFX、CFDのハッチの10%法とは、サイラス・ハッチの考案した投資方法のことです。ハッチの10%法は、ハッチの10%ルール、10%転換法などとも呼ばれています。

ハッチの10%法は、週末ごとに保有している銘柄の平均価格を求めます。月末になったら、さらにそれらの平均価格を求めます。

そして、今月の平均価格が前月の平均価格より10%上昇していたら保有している銘柄を買い増しします。

一方、今月の平均価格が前月の平均価格より10%下降していたら保有している銘柄を売り払います。

ハッチの10%法では、10%の上昇、あるいは、10%の下降がなければ銘柄を保有し続けます。


上の図は相場の推移を表したものです。赤色の丸印の部分は、前月よりも10%した上昇した地点で、ここで保有ポジションを買い増ししていきます。そして、青色の丸印の部分ですべてのポジションを決済します。

ハッチの10%法は、順張りで買い増ししていくため、大きな利益の期待できる投資方法です。また、10%下降した時点で決済するため、損失を限定することができます。

ハッチの10%法はすべてが成功するとは限りませんが、成功した場合には多くの利益が得られます。例えば、上昇トレンドにおいて10%以上の上昇がしばらく続けば、手持ちポジションがどんどん膨らんでいきます。そして、上昇トレンドが終わり下降トレンドに転換した時に手持ちポジションを決済します。上昇トレンドの期間が長ければ長いほど利益は大きくなります。

一方、ハッチの10%法が失敗するケースとしては、月末の時点で手持ちの保有銘柄が20%、30%と大きく下降することです。

ハッチの10%法では1か月を1つの取引期間に設定しているため、月半ばで決済していたら利益が出ていたものが、月末になって損失に転じてしまうケースもあります。そのため、取引期間を特に設けずに、保有する銘柄が10%上昇した時点で買い増しして、10%下降した時点で決済する方法や、値幅を5%に縮小する方法など、ハッチの10%法を応用した手法がいくつかあります。

株365の取引ができる証券会社の一覧

株365とは、東京金融取引所(金融取)を通じて取引を行う株価指数証拠金取引のことです。東京金融取引所では株365の他に取引所FXの「くりっく365」の取引も行っています。

投資家は、証券会社を通じて株365の取引を行います。しかし、すべての証券会社で株365が利用できるわけではなく、東京金融取引所の取引参加者として登録している証券会社に限られます。

2012年8月現在、株365の取引ができる証券会社は次の通りです。

▼株365の取引ができる証券会社一覧(2012年8月現在)
業者名 連絡先
岩井コスモ証券株式会社 0120-31-8611
インヴァスト証券株式会社 0120-729-225
岡三オンライン証券株式会社 0120-503-239
カネツFX証券株式会社 0120-94-8855
カブドットコム証券株式会社 0120-390-390
KOYO証券株式会社 0120-540-494
スター為替証券株式会社 0120-345-738
マネックス証券株式会社 0120-430-283
豊商事株式会社 0120-365-281

株365で取引される銘柄の一覧

株365で取引されている銘柄数は4です。

銘柄は東京金融取引所が定めたもので、どの証券会社でも同じ銘柄になっています。

▼日経225証拠金取引

日経平均株価(日経225)を基準に価格が決定されます。NKY/JPYと表現することもあります。日経225証拠金取引は、日本の東京証券取引所第1部に上場されている銘柄のうち、取引の活発な、かつ、流動性の高い225の銘柄の株価平均をもとにして算出される指数です。

日経225証拠金取引の価格と日経平均株価の価格は、ほぼ同じような値動きをします。しかし、価格は同一ではなく、多少のずれが生じています。次の図は、2012年1月から2012年7月までの日経225証拠金取引と日経平均株価の推移をグラフに表したものです。


▼FTSE100証拠金取引

イギリスのFTSE100種総合株価指数を基準に価格が決定されます。FTS/JPYと表現することもあります。FTSE100証拠金取引は、イギリスのロンドン証券取引所に上場されている銘柄のうち、時価総額の高い100銘柄で構成されています。

▼DAX証拠金取引

ドイツの株価指数を基準に価格が設定されます。DAX/JPYと表現することもあります。DAX証拠金取引は、ドイツのフランクフルト証券取引所に上場されている銘柄のうち、主要な30銘柄で構成されています。

▼FTSE中国25 証拠金取引

香港の株価指数を基準に価格が設定されます。XIN/JPYと表現することもあります。FTSE中国25 証拠金取引は、香港の香港証券取引所に上場されている銘柄のうち、流動性の高い、かつ、時価総額の高い25銘柄で構成されています。

▼FTSE TWSE台湾50証拠金取引

2012年8月現在、まだ上場されていません。東京金融取引所は、当分の間上場を延期するとしています。ちなみにFTSE TWSE台湾50は、台湾の台湾証券取引所に上場されている銘柄のうち、時価総額の高い50銘柄で構成されています。

株365の取引時間は

株365の取引時間は、銘柄により異なります。日経平均株価(日経225)を基準にした日経225証拠金取引(NKY/JPY)の取引時間はほぼ24時間です。

他の銘柄についてはさまざまで、ニューヨークのサマータイムや欧州のサマータイムによっても取引時間が異なります。

ニューヨークのサマータイムは、3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までの期間です。また、欧州のサマータイムは、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までの期間です。そのため1年には、通常の期間とニューヨークのサマータイムのみの期間、ニューヨーク・欧州ともサマータイムの期間の3つの期間があります。


また、各銘柄にはプレオープニング時間が設けられています。プレオープニング時間とは、取引開始前の少しの時間帯において、売り、あるいは、買いの注文のできる時間帯です。注文はできますが、約定はしません。

次の表は、各銘柄の各期間での取引時間の一覧です。

▼通常の期間
銘柄 取引時間 プレオープニング時間
日経225証拠金取引 8:30~翌6:00 8:20~8:30

(ただし1週間の最初の日は

8:00~8:30)
DAX証拠金取引 16:00~翌6:00 15:50~16:00
FTSE100証拠金取引 17:00~翌6:00 16:50~17:00
FTSE中国25証拠金取引 10:30~17:00 10:20~10:30

▼ニューヨークのサマータイムのみの期間
銘柄 取引時間 プレオープニング時間
日経225証拠金取引 8:30~翌5:00 8:20~8:30

(ただし1週間の最初の日は

8:00~8:30)
DAX証拠金取引 16:00~翌5:00 15:50~16:00
FTSE100証拠金取引 17:00~翌5:00 16:50~17:00
FTSE中国25証拠金取引 10:30~17:00 10:20~10:30

▼ニューヨーク・欧州ともサマータイムの期間
銘柄 取引時間 プレオープニング時間
日経225証拠金取引 8:30~翌5:00 8:20~8:30

(ただし1週間の最初の日は

8:00~8:30)
DAX証拠金取引 15:00~翌5:00 14:50~15:00
FTSE100証拠金取引 16:00~翌5:00 15:50~16:00
FTSE中国25証拠金取引 10:30~17:00 10:20~10:30

株365の必要証拠金額は

株365の必要証拠金額は、株365を取り扱う証券会社が東京金融取引所の算出した株価指数証拠金基準額を参考に設定しています。

東京金融取引所の株価指数証拠金基準額の算出方法は次の通りです。

  1. 各銘柄について、株価指数証拠金取引の清算価格の前日比を過去4週間、および、過去24週間にわたってそれぞれ1営業日ごとに調べます。
  2. 過去4週間の最大の変動価格を求めます。
  3. 過去24週間の2番目に最大の変動価格を求めます。
  4. 上記2と3のうち、大きい価格を30の倍数に切り上げます。
  5. 上記4に100を乗じた金額が株価指数証拠金基準額になります。
例えば、過去4週間の最大の変動価格が350円、過去24週間の2番目に最大の変動価格が370円の場合、過去24週間の2番目に最大の変動価格を採用します。 そして、370円を30の倍数に切り上げると390円になります。390円を100倍すると39,000円になります。39,000円が株価指数証拠金基準額になります。 株365を取り扱う証券会社のうち、6社は東京金融取引所の算出した株価指数証拠金基準額を必要証拠金としています。 マネックス証券では、東京金融取引所の定める証拠金基準額にマネックス証券の定める金額を加算した金額で、東京金融取引所の定める証拠金基準額の2倍を上限に任意に変更するとしています。しかし2012年8月現在、マネックス証券の加算する金額はないため、必要証拠金額は東京金融取引所の定める証拠金基準額と同額になっています。 カネツFX証券では、東京金融取引所の定める証拠金基準額によって必要証拠金が変動します。以下の表は、カネツFX証券における必要証拠金の一覧です。
取扱株価指数 証拠金基準額 必要証拠金額
日経225証拠金取引 3,000円から40,000円まで 40,000円
40,001円から50,000円まで 50,000円
50,001円から70,000円まで 70,000円
70,001円から100,000円まで 100,000円
以降、10,000円の加算ごと +10,000円
DAX証拠金取引 3,000円から40,000円まで 40,000円
以降、10,000円の加算ごと +10,000円
FTSE100証拠金取引 3,000円から40,000円まで 40,000円
以降、10,000円の加算ごと +10,000円
FTSE中国25 証拠金取引 3,000円から150,000円まで 150,000円
以降、10,000円の加算ごと +10,000円
豊商事では、相場状況により必要証拠金を設定しています。2012年8月現在の各銘柄の必要証拠金は次の表の通りです。
取扱株価指数 必要証拠金額
日経225証拠金取引 50,000円
DAX証拠金取引 30,000円
FTSE100証拠金取引 30,000円
FTSE中国25 証拠金取引 90,000円
以下の表は、2012年8月現在の必要証拠金の算出方法です。
業者名 必要証拠金額
岩井コスモ証券株式会社 東京金融取引所の定める証拠金基準額
インヴァスト証券株式会社 東京金融取引所の定める証拠金基準額
岡三オンライン証券株式会社 東京金融取引所の定める証拠金基準額
カネツFX証券株式会社 独自に算出
カブドットコム証券株式会社 東京金融取引所の定める証拠金基準額
KOYO証券株式会社 東京金融取引所の定める証拠金基準額
スター為替証券株式会社 東京金融取引所の定める証拠金基準額
マネックス証券株式会社 独自に算出
豊商事株式会社 独自に算出

2012年8月27日月曜日

MT4でFXやCFDのテクニカル指標の移動平均を求めるには

MT4でFXやCFDのテクニカル指標を表示した時、その線が角をおびていて見づらい場合があります。また、指標がだましに反応して売買の判断に迷うこともあります。


上の図は、EUR/JPYのチャートにRSIを描画したものです。所々にRSIの値が急に上昇したり、下降したりしている部分があります。

また、上の図では赤色の丸印の地点が買いのエントリーポイントになりますが、売りのエントリーポイントが出現しないまま元の買いのエントリーポイントと同じ値まで下落しています。このような失敗を避ける方法の1つとして、RSIの移動平均の描画が挙げられます。

RSIの移動平均の描画方法は、まずインディケーターのMoving Averageをドラッグして、RSIの描画エリアでドロップします。


次に、Moving Averageのパラメータの設定画面で「適用価格」を「Previous Indicator's Data」に設定してOKのボタンをクリックします。


下の図は、RSIにRSIの移動平均を描画したものです。赤色の線がRSIの移動平均線になります。そして、RSIがRSIの移動平均線を下から上へ突き抜けた地点が買いのエントリーポイントになります。また、RSIがRSIの移動平均線を上から下へ割り込んだ地点が売りのエントリーポイントになります。


これにより、赤色の丸印の部分が買いのエントリーポイント、青色の丸印の部分が売りのエントリーポイントになります。

テクニカル指標の移動平均線を複数描画することもできます。方法は、インディケーターのMoving Averageをドラッグして、RSIの描画エリアでドロップする手順を繰り返すだけです。

下の図は、EUR/JPYのチャートにRSIとRSIの移動平均14日(赤色の線)、RSIの移動平均28日(黄色の線)を描画したものです。


ここではRSIの移動平均線を描画しましたが、他のテクニカル指標でもそのテクニカル指標の移動平均線を描画することができます。

MT4でFXやCFDのテクニカル指標を同じエリアに複数表示するには

MT4でFXやCFDのテクニカル指標を複数表示すると、次の図のようになります。


上の図では、EUR/USDのチャート画面にMACD、RSI、ストキャスティクスを描画したものです。画面が4つに分割されて、チャート表示画面がつぶれています。また、テクニカル指標の表示するエリアも狭くなっています。

そこで、テクニカル指標の表示エリアを1つにまとめて表示してみます。

まず、MACDを表示します。


次に、RSIを表示する際に、RSIのインディケーターの文字(Relative Strength index)をドラッグして、MACDの表示エリアでドロップします。



同じようにして、ストキャスティクスもテクニカル指標の表示エリアでドロップします。


以上で3つの指標を1つのエリアに表示できました。

なお、テクニカル指標の数値はデータウィンドウを表示することで確認できます。データウィンドウは、メニューの「表示」から「データ・ウィンドウ」を選ぶことで表示できます。


株式やFX、CFDのアストロロジー分析とは

株式やFX、CFDの分析手段には、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析、クオンツ分析、定量分析などがあります。そして、アストロロジー分析も株式やFX、CFDの分析手段の1つとして用いられています。

アストロロジーとは、日本語では占星術のことです。株式やFX、CFDのアストロロジー分析とは、占星術をもとにして相場を分析する手法のことで、アノマリーの1つです。

欧米ではアストロロジー分析をもとにシステムトレードを行うスーパースティシャスファンド(A Superstitious Fund)が発売されるなど、アストロロジー分析の研究が行われています。スーパースティシャスファンドはThe Superstitious Fund Projectの運用するファンドで、占星術の他に数秘術などから売買のタイミングを図り、FTSE 100などの自動取引を行っています。スーパースティシャスファンドについて、満月の日や13のつく日の相場は売られる傾向にあるといいます。

また、満月の日や新月の日に相場が活気づくとされるアノマリーも、アストロロジー分析の1つです。


上の図は、日経平均株価(日経225)のチャートに、満月の日と新月の日に線を引いたものです。満月の日が赤色の線、新月の日が黄色の線です。

上の図から、相場が前日よりも大きく乖離して推移したり、大きな陽線や陰線を描く局面がいくつか見られます。

株式やFX、CFDのギャン理論とは

株式やFX、CFDのギャン理論とは、ウィリアム・デルバート・ギャン(William Delbert Gann)の考案した相場を張る時のルールのことです。ギャン理論は、「ギャンの価値ある28のルール(Gann's 28 Valuable Rules)」とも呼ばれています。

ギャン理論には、28のルールがあります。以下はギャン理論のルールです。
  • 資金配分を厳密に行い、1回の最大損失額は総資金の10分の1にする。
  • ポジションを持つ時は、同時にあらかじめ設定した損切りラインで決済注文をする。
  • 資金配分を遵守して過剰な売買を行わない。
  • 利益が発生したら、損失に転じないような価格で決済注文を入れる。
  • 相場のトレンドには逆らわない。トレンドが判別できない時には売買を行わない。
  • 迷ったらポジションを手仕舞う。また、新規ポジションは持たない。
  • 市場参加者の多い銘柄を売買する。
  • リスク分散のため、2、3の銘柄に分けて売買を行う。
  • 指値注文をしない。市場価格(成行)で注文を行う。
  • 手仕舞うためのルールを作る。
  • 売買利益を投資資金に回さずに別勘定としておく。
  • スキャルピングは行わない。
  • ナンピンは行わない。
  • 待ちきれずにポジションを持ったり、手仕舞ったりしない。
  • 小さな利益と大きな損を避ける。
  • 損切りのための決済注文をキャンセルしない。
  • 売買を頻繁に繰り返さない。
  • 買い方(ロング)ばかりでなく、売り方(ショート)も用いる。
  • そろそろ高値、そろそろ安値、といった値ごろ感で売買しない。
  • 買い増しや売りましのタイミングは、ブレイクアウトとする。
  • 買い増しは、強い上昇トレンド、売りましは強い下降トレンドの時に行う。
  • 両建てはしない。
  • ルールに従って売買を行い、明確な理由がない限りポジションを変えない。
  • 売買に成功した後に無意味な取引を行わない。
  • 天井圏、底値圏の無意味な推測をしない。
  • 他人の情報に基づいて売買を行わない。
  • 損切りしたら取引数を減らす。
  • 適切にポジションを持ち、適切に手仕舞うこと。

株式やFX、CFDのボックス理論とは

株式やFX、CFDのボックス理論(Box Theory)とは、相場のもみ合い状態における売買戦略のことで、ニコラス・ダーバス(Nicolas Darvas)によって考案された理論です。

ボックス理論では、相場の上昇局面や下降局面において、何度かもみあい状態になることがあり、その時に売買を繰り返すことによって利益を得る手法です。


上の図は、EUR/USDの日足チャートです。赤色の2本の水平線の部分が、上昇局面におけるもみあい状態での上値と下値になります。そして、黄色の丸印の地点が買いのエントリーポイントになります。また、青色の丸印の地点が売りのエントリーポイントになります。

なお、上の図では右端の青色の地点での売りのエントリーは損失が発生します。この時の損切りポイントはピンク色の四角で囲んだ部分になります。


上の図は、EUR/JPYの日足チャートです。赤色の2本の水平線の部分が、下降局面におけるもみあい状態での上値と下値になります。そして、黄色の丸印の地点が買いのエントリーポイントになります。また、青色の丸印の地点が売りのエントリーポイントになります。

なお、上の図では右端の黄色の地点での買いのエントリーは損失が発生します。この時の損切りポイントはピンク色の四角で囲んだ部分になります。

2012年8月25日土曜日

FXやCFDで相場のトレンドが継続するかどうかを調べるには

FXやCFDで相場のトレンドが継続するかどうかを調べるにはいくつかの方法があります。

ここでは、テクニカル指標のボリンジャーバンドとボラティリティを使って相場のトレンドが継続するかどうかを調べてみます。

ちなみにボリンジャーバンドの±1σの範囲内に収まる確率はおよそ68.3%です。31.7%は±1σの範囲内には収まりません。つまり、どのような時に±1σの範囲内に収まってどのような時に±1σの範囲内に収まらないのかを判断できれば、相場のトレンドが継続するかどうかがわかります。


上の図は、S&P500株価指数のチャートにボリンジャーバンドを描画したものです。ボリンジャーバンドの上下のラインは±1σです。下の画面にはトレンドの判断としてボラティリティを描画しています。

上の図の赤色の四角で囲んだAからFまでの部分は、終値がボリンジャーバンドの+1σを突き抜けた地点になります。

ボリンジャーバンドでは、一般的には±1σの範囲内に収まる確率が68.3%なので、+1σを突き抜けた地点は売りのエントリーポイントになります。しかし、トレンドが発生すると+1σを突き抜けたまま推移することがあります。

それでは、それぞれの地点でのトレンドの継続について調べてみます。

▼Aの地点
Aの地点はボラティリティが高いため一時的な上昇と判断します。よってトレンドは発生していません。

▼Bの地点
ここもAの地点と同じで一時的な上昇と判断します。よってトレンドは発生していません。

▼Cの地点
Aの地点、Bの地点と比べてボラティリティが低くトレンドの発生地点と考えられます。

▼Dの地点
トレンドの発生後に初めて押し目が出現し、その後に+1σを突き抜けました。ボラティリティが大きく上昇していないためトレンドは継続していると判断します。

▼Eの地点
Dの地点と同じでボラティリティが大きく上昇していないためトレンドは継続していると判断します。

▼Fの地点
Dの地点、Eの地点と同じでボラティリティが大きく上昇していないためトレンドは継続していると判断します。しかし、この地点での買いのエントリーは結果として失敗します。

▼青色の四角で囲んだ地点
-1σを割り込んだので、トレンド継続の終了と判断します。

FXやCFDのサポートラインとレジスタンスラインのパターン

FXやCFDでのサポートラインとは、相場の下値を支える線のことで、支持線ともいいます。また、レジスタンスラインとは、相場の上値を押える線のことで、抵抗線ともいいます。

FXやCFDでのサポートラインとレジスタンスラインは、一般的には水平線で描画されることが多く、サポートラインを割り込んだブレイクアウトは売りのエントリーポイント、レジスタンスラインを突き抜けたブレイクアウトは買いのエントリーポイントになります。


サポートラインとレジスタンスラインは必ずしも水平線で平行であるとは限りません。平行でないということは、収束か発散かのいずれかで価格が推移することになります。これを三角保合(さんかくもちあい)といいます。

以下はサポートラインとレジスタンスラインによる三角保合のパターンです。

▼フラッグ型
下の図は、フラッグ型と呼ばれるサポートラインとレジスタンスラインのパターンです。レジスタンスラインを突き抜けると下降トレンドを脱して上昇トレンドへ転換します。また、サポートラインを割り込んだ場合には、大きく値を下げます。


▼ペナント型
下の図は、ペナント型と呼ばれるサポートラインとレジスタンスラインのパターンです。サポートラインとレジスタンスラインとの幅がだんだん小さくなっていくのが特徴です。ペナント型では、レジスタンスラインを突き抜けると上昇トレンド、サポートラインを割り込むと下降トレンドが始まります。なお、サポートラインとレジスタンスラインとの幅がだんだん大きくなるパターンを逆ペナント型といいます。


▼下降トライアングル型
下の図は、下降トライアングル型と呼ばれるサポートラインとレジスタンスラインのパターンです。サポートラインは水平線ですが、レジスタンスラインは下降線です。下降トライアングル型では、下値を支えつつも上値がどんどん切り下がっていきます。このパターンではレジスタンスラインを突き抜ける可能性は低く、下値を模索しながら推移します。


▼上昇トライアングル型
下の図は、上昇トライアングル型と呼ばれるサポートラインとレジスタンスラインのパターンです。レジスタンスラインは水平線ですが、サポートラインは上昇線です。上昇トライアングル型では、上値を押えられながらも下値がどんどん切り上がっていきます。このパターンではサポートラインを割り込む可能性は低く、上値を模索しながら推移します。

FXやCFDのホッペンシュテット方式とは

FXやCFDのホッペンシュテット方式とは、ポイントアンドフィギュアでトレンドラインを引く方法のことです。ホッペンシュテット方式は考案者のシュリッカーの名をとって、シュリッカー方式ともいいます。

ホッペンシュテット方式では、5つのトレンドラインを描画します。


▼メイントレンドライン
メイントレンドラインは、下降トレンドの時にはトレンドを形成している2か所の高値を直線で結びます。また、上昇トレンドの時にはトレンドを形成している2か所の安値を直線で結びます。上の図の赤色の直線になります。

▼サブトレンドライン
サブトレンドラインは、下降トレンドの時にはトレンドを形成している2か所の安値を直線で結びます。また、上昇トレンドの時にはトレンドを形成している2か所の高値を直線で結びます。上の図の青色の直線になります。

▼インターナルトレンドライン
インターナルトレンドラインは、メイントレンドラインとサブトレンドラインの幅が広い場合に、メイントレンドラインとサブトレンドラインの間にメイントレンドラインに平行に描画するものです。インターナルトレンドラインは、メイントレンドラインと同様にトレンドを形成している2か所を直線で結びます。上の図のオレンジ色の直線になります。

▼アクセラレーティッドトレンドライン
メイントレンドラインが上昇トレンドの場合には、メイントレンドラインよりも大きく上昇した局面で描画する直線のことです。アクセラレーティッドトレンドラインは、大きく上昇した局面の安値ラインと高値ラインの2本の線を描画します。メイントレンドラインが下降トレンドの場合には、メイントレンドラインよりも大きく下降した局面で描画する直線のことです。アクセラレーティッドトレンドラインは、大きく下降した局面の安値ラインと高値ラインの2本の線を描画します。上の図の黄色の直線になります。

▼インターミディエートトレンドライン
アクセラレーティッドトレンドラインと逆のラインになります。メイントレンドラインが上昇トレンドの場合には、大きく下降した局面で描画する直線です。インターミディエートトレンドラインは、大きく下降した局面の安値ラインと高値ラインの2本の線を描画します。メイントレンドラインが下降トレンドの場合には、大きく上昇した局面で描画する直線です。インターミディエートトレンドラインは、大きく上昇した局面の安値ラインと高値ラインの2本の線を描画します。上の図の緑色の直線になります。

株式やFX、CFDの高値圏、安値圏でのチャートパターン

株式やFX、CFDの高値圏、安値圏で形成するチャートにはいくつかのパターンがあります。

ここではそれらのパターンについて紹介します。

▼Vトップ、Vボトム
Vトップは高値圏に出現し、「V」の字を逆にしたように推移します。また、Vボトムは安値圏に出現し、「V」の字のように推移します。VトップもVボトムも一般的によく出現するパターンです。


上の図の赤色の線がVトップ、青色の線がVボトムです。

▼ライントップ、ラインボトム
ライントップは高値圏に出現し、高値圏で一定期間レンジで推移した後に下降するパターンです。また、ラインボトムは安値圏に出現し、安値圏で一定期間レンジで推移した後に上昇するパターンです。


上の図の赤色の線がライントップです。

▼ソーサートップ、ソーサーボトム
ソーサートップは高値圏に出現し、ゆるやかに高値圏に到達してその後にゆるやかに下降するパターンです。また、ソーサーボトムは安値圏に出現し、ゆるやかに安値圏に到達してその後にゆるやかに上昇するパターンです。


上の図の赤色の線がソーサーボトムです。

▼ダブルトップ、ダブルボトム
ダブルトップは高値圏に出現し、「W」の字を逆にしたように推移します。また、ダブルボトムは安値圏に出現し、「W」の字のように推移します。


上の図の赤色の線がダブルボトムです。

▼ヘッドアンドショルダートップ、ヘッドアンドショルダーボトム
ヘッドアンドショルダートップは高値圏に出現し、3つの高値のうちの真ん中の高値が最高値のパターンです。日本では三尊天井といいます。また、ヘッドアンドショルダーボトムは安値圏に出現し、3つの安値のうちの真ん中の安値が最安値のパターンです。日本では逆三尊といいます。


上の図の赤色の線がヘッドアンドショルダートップです。

株式やFX、CFDのギャップとは

株式やFX、CFDのギャップとは、ローソク足などのチャートにおいて、前日の高値と当日の安値が乖離した状態のことです。罫線では窓を空けた状態のことを指します。

ギャップは、その出現パターンによって今後の相場の予測ができることがあります。ここではギャップの出現パターンをいくつか紹介します。

▼ブレイクアウェイギャップ
ブレイクアウェイギャップ(Breakaway gap)は、サポートラインやレジスタンスラインをブレイクアウトした時に形成されるギャップのことです。ブレイクアウェイギャップの出現によりレンジの推移が終わり、新たなトレンドが始まります。


▼ランナウェイギャップ
ランナウェイギャップ(Runaway gap)は、上昇トレンド、あるいは、下降トレンド中に形成されるギャップのことです。ランナウェイギャップの出現はトレンドが継続していることを明示しています。よって、このままトレンドに乗って相場が推移します。もし、ギャップを埋めるように逆行するチャートが出現した時はトレンドが転換する場合があります。


▼イグゾーションギャップ
イグゾーションギャップ(Exhaustion gap)は、上昇トレンド、あるいは、下降トレンドの終了局面に形成されるギャップのことです。イグゾーションギャップとランナウェイギャップを区別することは困難で、その後の相場の動きから判断することが多いようです。しかし、イグゾーションギャップの方がランナウェイギャップよりも大きく上昇、あるいは、下降することが多いようです。


▼コモンギャップ
コモンギャップ(Common gap)は、よく見かける一般的なギャップで、相場の閑散した時などにわずかな出来高で形成されることが多いようです。コモンギャップは、今後の相場を予測することはできません。

FXやCFDのチャートクラフト方式とは

FXやCFDのチャートクラフト方式とは、ポイントアンドフィギュアでトレンドラインを引く方法のことです。チャートクラフト方式は考案者のコーエンの名をとって、コーエン方式ともいいます。

チャートクラフト方式では、4つのトレンドラインを描画します。


▼強気支持線
強気支持線は、強気シグナルの行の左側の行の最安値から45度右上に引いた線のことです。ポイントアンドフィギュアにおけるサポートラインになります。上の図の白色の下矢印(↓)が強気シグナルの行で、赤色の線が強気支持線になります。

▼強気抵抗線
強気抵抗線は、強気シグナルの行の最上部(白色の下矢印の直下)から左側へ移動して初めてぶつかった弱気行の右側にある強気行の高値から45度右上に引いた線のことです。ポイントアンドフィギュアにおけるレジスタンスラインになります。上の図の青色の線が強気抵抗線になります。

▼弱気支持線
弱気支持線は、弱気シグナルの行の最下部(白色の上矢印の真上)から左側へ移動して初めてぶつかった強気行の右側にある強気行の安値から45度右下に引いた線のことです。ポイントアンドフィギュアにおけるサポートラインになります。上の図の緑色の線が弱気支持線になります。

▼弱気抵抗線
弱気抵抗線は、弱気シグナルの行の左側の行の最高値から45度右下に引いた線のことです。ポイントアンドフィギュアにおけるレジスタンスラインになります。上の図の白色の上矢印(↑)が弱気シグナルの行で、黄色の線が強気支持線になります。

株式やFX、CFDの三角方式とは

株式やFX、CFDの三角方式とは、相場のトレンドから目標価格を予測する手法のことです。

三角方式では、上昇トレンドの終了が確認されて下降トレンドへ転換した時点での下値目標価格を予測します。あるいは、下降トレンドの終了が確認されて上昇トレンドへ転換した時点での上値目標価格を予測します。よって、トレンドが継続している間は三角方式が使用できません。


三角方式はまず、トレンドの起点と終点を直線で結びます。これを陰陽中心線といいます。上の図の赤色の線、および、青色の線が陰陽中心線です。

次に、陰陽中心線の終点から45度の方向へ前途支持中心線を引きます。前途支持中心線は、下降トレンドの場合には上へ、上昇トレンドの場合には下へ引きます。上の図の赤色の点線、および、青色の点線が前途支持中心線です。

そして、前途支持中心線から陰陽中心線まで30度の方向へチャートポイントを通るように直線を引きます。上の図のオレンジ色の線、および、水色の線です。チャートポイントは、上の図では赤色の丸印、および、青色の丸印です。ちなみにチャートポイントの数は、チャートの形によって異なりますが、チャートポイントの数だけ直線を引きます。

前途支持中心線とオレンジ色の線、あるいは、水色の線との交点が目標価格になります。

下降トレンドから上昇トレンドへ転換した場合の目標価格は、価格の安い方から第1目標価格、第2目標価格になります。また、上昇トレンドから下降トレンドへ転換した場合の目標価格は、価格の高い方から第1目標価格、第2目標価格になります。

株式やFX、CFDのエリオット波動とは

株式やFX、CFDのエリオット波動とは、R・N・エリオットの考案したテクニカル理論のことで、1つの相場の動きを表したものです。

下の図は相場の周期をエリオット波動により色分けして分類したものです。


エリオット波動では、1つの相場において、5つの上昇波と3つの下降波の合計8つの波動で形成されるとしています。ちなみに、1、5、3の数はフィボナッチ数です。

また、エリオット波動には、推進波と調整波の2つがあります。推進波は、上昇トレンドにある場合には価格が上昇している局面で、上の図では(1)、(3)、(5)の3か所になります。また、下降トレンドにある場合には価格が下降している局面で、上の図では(a)、(c)の2か所になります。

調整波は、上昇トレンドにある場合には価格が下降している局面で、上の図では(2)、(4)の2か所になります。また、下降トレンドにある場合には価格が上昇している局面で、上の図では(b)の1か所になります。


また、(1)、(3)、(5)の3か所と(a)、(c)の2か所の合計5か所については、それぞれが上昇5波に細分化されるとしています。また、(2)、(4)の2か所と(b)の1か所の合計3か所については、それぞれが下降3波に細分化されるとしています。上の図のピンク色の背景の部分が細分化された推進波で、青色の背景の部分が細分化された調整波になります。

上の図から、推進波の数は21、調整波の数は13で、合計の波の数は34になります。ちなみに、21、13、34の数はフィボナッチ数です。

そしてさらに細分化すると、推進波の数は89、調整波の数は55で、合計の波の数は144になります。ちなみに、89、55、144の数はフィボナッチ数です。

エリオット波動では、(1)、(3)、(5)のうち(1)が最短になることが多いとしています。また、(3)が最短になることはほとんどないとしています。しかし、(3)が(1)よりも短ければ(5)は最も短くなるとしています。このことから、(1)、(3)の動きから(5)の天井圏を予測できる場合があります。

株式やFX、CFDの不規則時系列分析とは

株式やFX、CFDの不規則時系列分析とは、チャートを表示する際にy軸に価格、x軸に時間を取った時にx軸の時間の幅が一定でない分析を行うことです。

一般的なテクニカル指標によるテクニカル分析では、時間足に1時間を設定した場合には、x軸には0時、1時、2時、・・・と規則正しく時間が並べられます。時間足に日足を設定した場合には、x軸には1日、2日、3日、・・・と同じように規則正しく並べられます。

一方、不規則時系列分析では、計算結果が指定した数値に達した場合に限って新たにx軸を右へ移動してチャートを描きます。つまり、計算結果が指定した数値に達しなければ新たなチャートは描かれることはありません。

不規則時系列分析は、わずかな変動、つまり、ノイズを無視することができるため、トレンドの転換点が見つけやすいという特徴があります。

一方、不規則時系列分析では、わずかな変動の連続によりトレンドが転換した場合に検知できない、あるいは、検知の遅れることがあります。

そのため、不規則時系列分析は他のテクニカル指標と併用することが多いようです。

不規則時系列分析には、ポイントアンドフィギュアや新値足、カギ足、練り足(練行足)などが挙げられます。また、出来高をローソク足に反映したエクイボリュームやローソクボリュームなども不規則時系列分析になります。

▼ポイントアンドフィギュア


▼新値足


▼カギ足


▼練り足(練行足)

FXやCFDのスーパートレンドとは

FXやCFDのスーパートレンドとは、価格の値動きからトレンドの方向性を知るテクニカル指標のことです。


上の図は、EUR/USDの1時間足のチャートにスーパートレンドを描画したものです。

上の図のスーパートレンドでは、上昇トレンドと下降トレンドが色分けされています。緑色の線が上昇トレンド、赤色の線が下降トレンドになります。

スーパートレンドでの売買のエントリーポイントは、スーパートレンドの色が赤色から緑色に変わった地点が買いのエントリーポイントになります。上の図の赤色の丸印の部分になります。また、スーパートレンドの色が緑色から赤色に変わった地点が売りのエントリーポイントになります。上の図の緑色の丸印の部分になります。

上の図では、時間足に1時間足を用いていました。スーパートレンドでは、1時間足のように、比較的、中長期の時間足の場合にはトレンドの転換点が見つけやすいという特徴があります。

一方、スーパートレンドを1分足や10分足などの比較的短期の時間足で用いると、だましが出現する場合があります。


上の図は、EUR/USDの1分足のチャートにスーパートレンドを描画したものです。

上の図では、スーパートレンドの線の色が頻繁に変わる地点が見つかります。黄色の四角で囲んだ部分です。この部分は、上昇トレンドにおける調整局面になるため、この色が変わった地点のエントリーは損失を招く可能性が高くなります。

そのため、スキャルピングなどの短期トレードを行う際には、1時間足などの中長期のスーパートレンドのトレンドを確認した上で1分足のスーパートレンドを見ていくようにするとよいでしょう。具体的には、1時間足が上昇トレンドにある場合、1分足のスーパートレンドが下降トレンドから上昇トレンドに転換した地点を買いのエントリーポイントとする方法が挙げられます。また、1時間足が下降トレンドにある場合、1分足のスーパートレンドが上昇トレンドから下降トレンドに転換した地点を売りのエントリーポイントとする方法が挙げられます。

2012年8月22日水曜日

FXやCFDのDPOとは

FXやCFDのDPO(Detrended Price Oscillator、ディトレンディドプライスオシレーター)とは、移動平均の乖離を用いたテクニカル指標のことです。

DPOの計算方法は、まずn日間の移動平均から、(n÷2+1)日前の数値を求めます。例えば期間を10日とした場合には、10日間の移動平均の6(10÷2+1)日前の数値を求めます。

次に、その数値を当日の終値から引いたものがDPOになります。つまり、当日の価格が過去の移動平均値とどのくらい乖離しているかを求めています。


上の図は、AUD/JPYのチャート画面にDPOを描画したものです。

赤色の丸で囲んだ部分より左側の部分では、DPOの値は0以上で推移しています。この時、AUD/JPYは上昇トレンドで推移しています。

一方、赤色の丸で囲んだ部分より右側の部分では、DPOの値は0以下で推移しています。この時、AUD/JPYは下降トレンドで推移しています。

このことから、DPOの値が0以上の時には買いポジションが優勢になり、0以下の時には売りポジションが優勢になります。


上の図は、アメリカ合衆国のFacebookのチャート画面にDPOを描画したものです。

2012年5月に上場した後から株価は下降トレンドをたどっています。新規上場銘柄にありがちなチャートで、株価の上昇する材料のない銘柄には買いのタイミングはまず見つけられません。また、売りのタイミングも見つけられないこともあります。

DPOで売りのタイミングを見つけるには、DPOの相対が0以上になった時になります。また、0以上から0以下へ割り込んだ時も売りのタイミングになります。上の図の赤色の丸で囲んだ部分になります。

FXやCFDのマスインデックスとは

FXやCFDのマスインデックスとは、高値と安値から値動きの幅を調べてトレンドの転換点を見つけるためのテクニカル指標のことです。

マスインデックスは、ボラティリティの上昇とともに値が上昇し、ボラティリティの下降とともに値が下降します。


上の図は、アメリカ合衆国のインテルのチャートにマスインデックスを描画したものです。

インテルの株価の上昇とともにマスインデックスの値が上昇しています。青色の四角で囲んだ部分です。また、インテルの株価の下降とともにマスインデックスの値が下降しています。赤色の四角で囲んだ部分です。


上の図は、EUR/USDのチャートにマスインデックスを描画したものです。

赤色の四角で囲んだ部分では、価格は右肩上がりに推移して上昇トレンドにあります。しかし、マスインデックスでは右肩下がりに推移した後に右肩上がりに推移して、価格とは異なった推移をしています。このようなケースでは、マスインデックスの値が転換した地点が上昇トレンドにおける押し目買いのエントリーポイントになります。緑色の丸で囲んだ部分です。

同じように、下降トレンドの局面では戻り売りの地点を見つけることができます。


上の図は、EUR/JPYのチャートにマスインデックスを描画したものです。

全体的に相場が下降トレンドであることがわかります。この中での戻り売りの地点は、マスインデックスの値が下降から上昇へ転換した地点になります。緑色の丸で囲んだ部分になります。