2012年5月15日火曜日

FXの両建てとは

FX(外国為替証拠金取引)の両建て(りょうだて)とは、1つの通貨ペアについて、売りポジションと買いポジションの両方のポジションを保有することです。

両建ては、今後の為替レートが安くなるか高くなるかの予想がつかない時などに用いられます。

両建てをすると、その後の評価益、または、評価損の変動がなくなります。

▼評価益のある場合
例えば、79.50円で1万通貨の買いポジションがあり、その後に80.50円(円安)になったとします。この時点での評価益の計算は、
(80.50-79.50)×10,000
になり、評価益は1万円になります。そして、今度は80.50円で1万通貨の売りポジションを保有(売り注文)します。

(1)さらに円安になった時
その後、81.00円になった場合の評価益の計算は次のようになります。
買いポジション:
(81.00-79.50)×10,000=15,000
売りポジション:
(80.50-81.00)×10,000=-5,000
よって、買いポジションと売りポジションの合計は10,000円になり、両建てした時の評価益と変わらないことになります。

(2)一転して円高になった時
その後、79.00円になった場合の評価益の計算は次のようになります。
買いポジション:
(79.00-79.50)×10,000=-5,000
売りポジション:
(80.50-79.00)×10,000=15,000
よって、買いポジションと売りポジションの合計は10,000円になり、両建てした時の評価益と変わらないことになります。

▼評価損のある場合
例えば、79.50円で1万通貨の買いポジションがあり、その後に78.50円(円高)になったとします。この時点での評価損の計算は、
(78.50-79.50)×10,000
になり、評価損は1万円になります。そして、今度は78.50円で1万通貨の売りポジションを保有(売り注文)します。

(1)さらに円高になった時
その後、78.00円になった場合の評価損の計算は次のようになります。
買いポジション:
(78.00-79.50)×10,000=-15,000
売りポジション:
(78.50-78.00)×10,000=5,000
よって、買いポジションと売りポジションの合計は-10,000円になり、両建てした時の評価損と変わらないことになります。

(2)一転して円安になった時
その後、80.00円になった場合の評価損の計算は次のようになります。
買いポジション:
(80.00-79.50)×10,000=5,000
売りポジション:
(78.50-80.00)×10,000=-15,000
よって、買いポジションと売りポジションの合計は-10,000円になり、両建てした時の評価損と変わらないことになります。

このように、両建てした時点で、以降の評価益、評価損が変動しないということがわかります。

両建てした際の決済のタイミングは、今後の為替レートが安くなるか高くなるかの予想がついた時になります。例えば、為替レートが安くなる(円高)と予想すれば、その時点で買いポジションを決済し、高くなる(円安)と予想すれば、その時点で売りポジションを決済します。