2012年5月15日火曜日

FXの両建てのメリットを活かした取引方法

FX(外国為替証拠金取引)の両建て(りょうだて)とは、1つの通貨ペアについて、売りポジションと買いポジションの両方のポジションを保有することで、今後の為替レートが安くなるか高くなるかの予想がつかない時などに用いられます。

今後の為替レートが安くなるか高くなるかの予想がつかない時というのは、例えば、大きな経済指標の発表前などが挙げられます。経済指標の結果が良ければその国の通貨は買われて大きく上昇し、悪ければ売られて大きく下降します。この大きな動きを、両建てのメリットを生かして取引する例を紹介します。

次の図は、AUD/JPYの5分足の平均足のチャートです。


赤い色の四角で囲んだ部分は、オーストラリアの4月の新規雇用者数と失業率の発表5分前の平均足です。

この指標発表前に売りポジションと買いポジションを両建てします。価格は80.110円です。結果を見るとその後に急騰しているのがわかりますが、この時点ではどちらへ値動きするかわかっていません。

ちなみに、経済指標発表前の予想値は次の通りでした。

・新規雇用者数予想:-0.50万人
・失業率予想:5.3%

そして発表された値は次の通りでした。

・新規雇用者数:+1.55万人
・失業率:4.9%

新規雇用者数、失業率とも予想値よりも良い結果が出ました。そのため、AUD/JPYは豪ドル高(円安)へ急激に上昇しました。ここで、両建てしたポジションのうち、買いポジションを決済します。決済時期は、投資スタンスにより異なりますが、ここでは、平均足で陰線が2本続いた後の次の始値とします。上の図の青い色の四角で囲んだ所が決済価格で、80.574円になります。利益幅は、

80.574-80.110

となり0.464円です。

次に、売りポジションの決済時期を決めます。ここでは、平均足で陽線が2本続いた後の次の始値とします。上の図の緑色の四角で囲んだ所が決済価格で、80.360円です。利益幅は、

80.110-80.360

で、0.250円の損失(-0.250円の利益)になります。

買いポジションと売りポジションの合計は、0.464円-0.250円=0.214円です。

1回の両建てで0.214円の利益が出だことになります。

なお、利益が出ない結果になることもあります。

経済指標の結果が悪かった場合には、利益の出ている売りポジションを先に決済します。