2012年5月22日火曜日

FXのロスカットの計算方法は

FX(外国為替証拠金取引)のロスカットとは、保有しているポジションに一定の損失が出た場合にFX業者がポジションを強制的に決済することです。ロスカットにより損失が発生しますが、それ以上の損失を防ぐことができます。

FX業者ではロスカットの基準を設けていて、その基準を下回った時にロスカットを行います。ロスカットの基準は、証拠金維持率が40%を割り込んだ時、50%を割り込んだ時などFX業者により設定はさまざまです。

ここでは、どのような状況でロスカットが発生するかをシミュレーションしてみます。

▼FX業者の取引要綱
・レバレッジ25倍
・ロスカットは証拠金維持率が40%を割り込んだ時

▼入金時の口座明細

まず、FX業者へ10万円を入金します。この時の口座明細は次の通りです。ちなみにこの時点では証拠金維持率は計算されません。
必要証拠金額 0円
預託証拠金額 100,000円
評価損益 0円
評価額 100,000円
証拠金維持率 -%

▼USD/JPYを80円で1万通貨買いポジションした時の口座明細

ポジションを保有した時点で、証拠金維持率が発生します。

必要証拠金の計算は次の通りです。
80円×1万通貨÷25倍=32,000円

また、証拠金維持率の計算は次の通りです。
100.000円÷32,000円×100=312.5%

必要証拠金額 32,000円
預託証拠金額 100,000円
評価損益 0円
評価額 100,000円
証拠金維持率 312.5%

▼USD/JPYが80円から79円へ値下がりした時の口座明細

評価損が発生して評価額が減り、証拠金維持率が低下します。

評価損の計算は次の通りです。
(79円-80円)×1万通貨=-10,000円

評価額の計算は次の通りです。
100,000円-10,000円=90,000円

証拠金維持率の計算は次の通りです。
90,000円÷32,000円×100=281.25%

必要証拠金額 32,000円
預託証拠金額 100,000円
評価損益 -10,000円
評価額 90,000円
証拠金維持率 281.25%

▼USD/JPYがさらに値下がりして71.28円になった時の口座明細

ここまで下がると証拠金維持率が40%へ大きく減少します。
よってロスカットは、71.28円を下回った時点で行われることになります。

評価損の計算は次の通りです。
(71.28円-80円)×1万通貨=-87,200円

評価額の計算は次の通りです。
100,000円-87,200円=12,800円

証拠金維持率の計算は次の通りです。
12,800円÷32,000円×100=40%

必要証拠金額 32,000円
預託証拠金額 100,000円
評価損益 -87,200円
評価額 12,800円
証拠金維持率 40%

▼ロスカットを避けて71.28円で決済した時の口座明細

評価額の計算は次の通りです。
100,000円-87,200円=12,800円

必要証拠金額 0円
預託証拠金額 12,800円
評価損益 0円
評価額 12,800円
証拠金維持率 -%

▼71.27円でロスカットされた時の口座明細

評価額の計算は次の通りです。
100,000円-(71.27円-80円)×1万通貨=12,700円

必要証拠金額 0円
預託証拠金額 12,700円
評価損益 0円
評価額 12,700円
証拠金維持率 -%