FX(外国為替証拠金取引)のレバレッジが高いとロスカットになりやすいといわれていますが、それは誤りです。レバレッジが高くても、口座に十分な資金があればロスカットになりにくくなります。
ロスカットは、維持率が指定したパーセンテージを下回った場合に発生します。維持率は、評価額(純資産額)を必要証拠金額で割ってパーセンテージで表したものです。
例えば、評価額が10万円で、必要証拠金額が15万円なら維持率は66.7%になります。
10万円÷15万円×100%=66.7%
ここで、追加資金として100万円を口座に入金すると評価額は110万円になり、維持率は733.3%に跳ね上がります。
110万円÷15万円×100%=733.3%
これならばロスカットの心配はなくなるでしょう。
FXでロスカットが頻繁で起きる原因は、評価額の少なさにあります。あるいは、評価額に対する必要証拠金の多さにあります。
それならレバレッジを1倍にすればロスカットが避けられると思うかもしれませんが、評価額が少なければロスカットが発生します。
例えば、口座に80万円を入金して1ドル80円のUSD/JPYを1万通貨買ったとします。この時点での維持率は次のように求めます。
80万円÷80万円×100%=100%
FX業者では、独自のロスカットルールを設けています。そのほとんどは、維持率が50%を下回ったらロスカットといったものが多いようです。なお、維持率は40%、30%などさまざまです。
ここで、USD/JPYが1ドル40円になった場合の維持率を計算してみます。
40万円÷80万円×100%=50%
USD/JPYが80円から40円へ円高になると維持率は50%になります。ロスカットルールを維持率50%未満に設定しているFX業者の場合、USD/JPYが1ドル40円を割った時点でロスカットされることになります。よって、レバレッジ1倍でもロスカットになることがあります。しかし、実際にはこのようなことはまず起きないと考えてよいでしょう。
なお、ロスカットを完全に排除したい場合には外貨預金がよいでしょう。