2012年6月16日土曜日

株式分析のベータ値とは

株式分析のベータ値(β値)とは、株価指数と個別銘柄との連動する割合を数値に表したテクニカル指標のことです。

株価指数は、TOPIXや日経平均株価(日経225)などを用いることが多いようです。

ベータ値の求め方はまず、時系列で株価指数と個別銘柄の変動率を求めます。



上の表は、TOPIXとNTTの価格と変動率です。

変動率の2列について、散布図を描画します。そして、各点の中心を通る線を描画します。下の図の赤色の線です。



そして、赤色の線の傾きを求めます。x軸が1増加した時にy軸がおよそ0.8増加していますので、傾きは0.8になります。この値がベータ値になります。

ベータ値が0.8というのはどのような意味があるのでしょうか。

それは、TOPIXが1%上昇すれば、NTTは0.8%の上昇が期待できることを表しています。そして、TOPIXが1%下降すればNTTは0.8%の下降を予想することができます。

ベータ値は、ポートフォリオを組む時に用いられます。例えば、相場の地合いがよく、将来、株価の上昇が見込めると予想した時には、ベータ値の高い銘柄をポートフォリオに組みます。ベータ値の平均が1.5の銘柄をポートフォリオに組めば、TOPIXが10%上昇すればポートフォリオに組んだ銘柄は15%の上昇が期待できます。

しかし、予想に反してTOPIXが10%下降すれば、ポートフォリオにに組んだ銘柄は15%も下降してしまいます。このようなリスクを抑える手段としては、ポートフォリオに組み込む銘柄のベータ値の平均を1にすることが多いようです。

なお、ポートフォリオに組み込む銘柄のベータ値の平均を0.7や0.8のように1未満にすると、ローリスクローリターンになります。