2012年7月31日火曜日

CFDのプラチナ相場の見方

世界のプラチナ(白金)の年間採掘量は200トン前後です。金の年間採掘産量が4000トンなので、プラチナは金の約20分の1の量しか採掘されていません。

下の図は、プラチナの生産量をグラフに表したものです。


プラチナは、南アフリカとロシアで8割以上の生産量を占めています。

プラチナは指輪やネックレスなどの宝飾品の材料として用いられます。また、自動車の排気ガス浄化触媒など工業用としての需要もあります。

次の図は、プラチナの価格をチャートに表示したものです。2008年に大きく値を崩した局面がありますが、自動車の排気ガス浄化触媒の需要が落ち込むという観測によるものです。


プラチナ相場の見方としては、まず、最大の採掘国である南アフリカの動向が挙げられます。日本貿易振興機構(ジェトロ)によれば、南アフリカ経済の不安定要因として次の5つを挙げています。
  • 欧州債務危機による資本の流出。
  • 資本流出に伴う通貨ランドの急速な下落。
  • 電力料金の段階的大幅引き上げの実施。ガソリン価格の上昇。
  • 労働争議の多発と賃金上昇による生産コストの増大。
  • 25%とされる失業率(政府にとって最重要の政策課題)
※ジェトロ:南アフリカ共和国の2012年以降の経済見通しと最新ビジネス動向より。

次に、自動車の生産台数の動向が挙げられます。景気が良くなれば自動車の生産台数が増え、自動車の排気ガス浄化触媒としてのプラチナの需要が増えます。プラチナの需要が増えればプラチナの価格が上昇します。

そして、プラチナを採掘する鉱山会社の動向が挙げられます。南アフリカにおける生産コストが増大すれば鉱山会社が採掘量を減らすことも考えらえます。そうなるとプラチナの価格が上昇します。なお、プラチナの鉱山会社には、Avalon Rare Metals(カナダ)、Lonmin Plc(イギリス)、Stillwater Mining Co(アメリカ合衆国)などが挙げられます。これらの企業の財務内容などをチェックすることで採掘量の予測も可能です。