2012年8月2日木曜日

CFDの銅相場の見方

銅は、熱や電気を伝導したり、腐食に耐えられるなどの特性から工業用の金属として用いられています。銅の主な用途は送電線や電気製品などが挙げられます。銅は、工業用金属としては鉄、アルミニウムに続く消費量です。

次の図は、銅の生産量をグラフに表したものです(アメリカ合衆国農務省発表資料より)。


銅の主な生産国はチリで、ペルー、中国、オーストラリアと続いています。ペルーは世界全体の半数近くを占めています。

次の図は、銅(下側)とプラチナ(上側)の価格をチャートに描画したものです。銅とプラチナの値動きがほぼ同じことがわかります。


銅の値動きはパラジウムとも似ています。そのため、銅、プラチナ、パラジウムとも同じような値動きをします。これら3つの銘柄はペアトレードとして取引することも可能です。

銅相場の見方としては、最大の生産国であるチリの政情が挙げられます。チリは2012年6月にメキシコやコロンビア、ペルーとともに経済統合を目指す太平洋同盟を設立しました。太平洋同盟は、日本をはじめとするアジア太平洋諸国との関係を強化して貿易の拡大を目指すとしています。これが実現されれば、アジア太平洋諸国にとっては安定して銅が輸入できるため銅相場は安定した値動きで推移する可能性が高くなります。

次の図は、製錬所での銅の生産量をグラフに表したものです。


2010年に発生したチリのコピアポ鉱山落盤事故では、銅採掘会社のミネラサンエステバン社が倒産しています。このような事故による影響も銅相場を見る上では欠かせません。